ITパスポート 2011年 秋期 問47
問題文
ITサービスマネジメントのプロセスのうち、インシデントの根本原因を追及し、再発を防止するプロセスはどれか。
選択肢
ア:インシデント管理
イ:変更管理
ウ:問題管理(正解)
エ:リリース管理
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インシデントの根本原因を追及し、再発を防止するプロセスはどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
- インシデント(インシデント:ITサービスの中断や性能低下など、正常なサービス提供が妨げられる事象)に対して、短期的にサービスを復旧するのが「インシデント管理」です。一方で「問題管理」は「なぜそのインシデントが起きたか(根本原因)」を突き止め、再発を防ぐための恒久対策を行うプロセスです。
- 「根本原因を追及し、再発を防止する」という設問の文言は、まさに問題管理(Problem Management:問題の原因究明と恒久対策を行う活動)を指します。
※ 用語説明(初出)
- ITサービスマネジメント:組織が利用者に対してITサービスを安定的に提供・管理するためのしくみや活動の総称。
- RCA(Root Cause Analysis:根本原因分析):問題の真の原因を突き止める手法。代表例は「5回のなぜ(5 Whys)」や「特性要因図(フィッシュボーン)」。
解法ステップ
- 問題文で重要な語句を探す:ここでは「根本原因」と「再発を防止」。
- 各選択肢の役割を一言で思い出す:
- インシデント管理 = 早くサービスを戻す(短期対処)
- 変更管理 = システム変更を安全に行う(手順と承認)
- 問題管理 = 根本原因を調べて再発を防ぐ(恒久対策)
- リリース管理 = ソフトウェアや構成の展開を管理する
- 「根本原因を追及」する役割に一致する選択肢を選ぶ → 問題管理(ウ)
選択肢別の誤答解説
- ア: インシデント管理
- 誤り。インシデント管理はサービスを迅速に復旧することが主目的です。根本原因の究明は通常、問題管理に引き継がれます。例えば、業務システムが止まったらまずは一時的に復旧させるのがインシデント管理です。
- イ: 変更管理
- 誤り。変更管理はシステムの変更(ソフトや設定など)を安全に実施する手続きや承認を管理します。リスク低減が目的で、根本原因の追及自体が主目的ではありません。
- ウ: 問題管理
- 正解。根本原因分析(RCA)を行い、恒久対策の実施やワークアラウンド(一時しのぎの対処)と恒久対策の切り分け、KEDB(Known Error Database:既知の障害情報の蓄積)への登録などを行います。
- エ: リリース管理
- 誤り。リリース管理はソフトウェアや設定等の新しい構成を計画的に展開するプロセスで、配布の手順や時期を管理します。問題の原因究明が直接の目的ではありません。
よくある誤解
- 「インシデント管理=問題管理」と混同する
- 両者は目的が違います。インシデント管理は「速やかな復旧」(短期対応)。問題管理は「根本原因の究明と再発防止」(中長期対応)です。両方連携して運用します。
- 「変更管理が根本原因を解決する」と思う
- 変更管理はあくまで変更を安全に行う手続きで、何を変更するかを決めるのは問題管理(原因分析の結果)や別の判断です。
- 「リリース管理で直せる」と考える
- リリースは対策を配布する手段のひとつに過ぎません。何をリリースするかは問題管理や変更管理で決まります。
補足コラム
問題発生から恒久対策までの典型的な流れ(簡単な例)
- インシデント発生 → ユーザから障害報告
- インシデント管理 → まずサービス復旧(ワークアラウンド)
- 問題化 → 繰り返す障害や原因不明の重大障害は問題管理へエスカレーション
- 根本原因分析(RCA) → 5 Whys、特性要因図などを用いる
- 恒久対策の決定 → 変更管理で承認を得て実施
- リリース管理で配布 → 実際に修正を環境へ導入
- KEDBなどに記録して知見を共有
代表的なRCA手法
- 5 Whys(5回のなぜ):なぜを繰り返して深掘りする
- フィッシュボーン図(特性要因図):原因をカテゴリ別に整理する
FAQ
Q1. インシデント管理だけで再発防止はできないのですか?
A1. 多くの場合、インシデント管理は「速やかにサービスを戻す」ことが主目的です。再発防止のための詳細な分析や恒久対策は問題管理が担当します。インシデント管理が一次対応して情報を集め、問題管理に引き継ぐ流れが一般的です。
A1. 多くの場合、インシデント管理は「速やかにサービスを戻す」ことが主目的です。再発防止のための詳細な分析や恒久対策は問題管理が担当します。インシデント管理が一次対応して情報を集め、問題管理に引き継ぐ流れが一般的です。
Q2. 問題管理はどのタイミングで行うのですか?
A2. 同じ障害が繰り返される場合や重大なインシデントが発生した場合に、インシデント対応後に継続的な調査として行われます。すぐに恒久対策が取れない場合は一時対応(ワークアラウンド)でサービスを維持しながら調査します。
A2. 同じ障害が繰り返される場合や重大なインシデントが発生した場合に、インシデント対応後に継続的な調査として行われます。すぐに恒久対策が取れない場合は一時対応(ワークアラウンド)でサービスを維持しながら調査します。
Q3. 小さな不具合でも問題管理を使いますか?
A3. 影響が小さく再発の可能性が低いものは、コストと効果を考えて問題管理の対象にしないこともあります。重要なのは「再発したときの影響」と「対応コスト」のバランスです。
A3. 影響が小さく再発の可能性が低いものは、コストと効果を考えて問題管理の対象にしないこともあります。重要なのは「再発したときの影響」と「対応コスト」のバランスです。
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