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ITパスポート 2011年 秋期 66


問題文

OSS(Open Source Software)の利用に関する記述のうち、適切なものはどれか。

選択肢

OSSの利用者は、開発者にソフトウェアの対価を支払う義務を負う。
OSSの利用者は、そのOSSを販売したり、無料配布したりすることはできない。
OSSを遺伝子研究分野で利用することはできない。
公開されているOSSを改良した派生ソフトウェアをOSSとして公開できる。(正解)

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OSS(Open Source Software)の利用に関する記述【ITパスポート 解説】

正解の理由

OSS(Open Source Software:ソースコードが公開され、誰でも利用・改良・再配布が可能なソフトウェア)の基本的な定義は、「ソースコードの利用、改変、再配布を許すこと」です。したがって、公開されているOSSを改良して派生ソフトウェアを作り、それをOSSとして公開することは一般的に許されています。ただし、どのように公開するか(同じライセンスで公開する義務があるかなど)は、そのソフトウェアに付けられたライセンスによって決まります。例えば、GPL(GNU General Public License:改変物も同じライセンスで公開することを求める「コピーレフト」型の代表的なライセンス)では、派生物もソースを開示して同じライセンスで公開する必要があります。一方、MITライセンス(緩やかな許可型)は派生物を閉源にして販売することも許します。つまり「公開できる」という点ではエが正しく、ライセンス条件に注意が必要です。

解法ステップ

  1. OSSとは何かを確認する。OSSは「ソースコードが公開され、利用・改変・再配布を許す」ソフトウェアであると理解する。
  2. 各選択肢をOSSの定義と照らし合わせる。
    • 支払い義務、配布禁止、利用分野の制限はOSSの定義と矛盾するかを判断する。
    • 改良して公開できるかは、OSSの基本理念(再配布・改変の自由)に合うかを判断する。
  3. ライセンスの存在と種類に注意して、選択肢を選ぶ。
  4. 正解はエ、と判断する(派生物をOSSとして公開できる)。

選択肢別の誤答解説

  • ア: OSSの利用者は、開発者にソフトウェアの対価を支払う義務を負う。
    → 誤り。多くのOSSは無償で配布されます(無料で使えることが多い)が、OSSの利用に必ず金銭の支払い義務が生じるわけではありません。企業がサポートやカスタマイズを受ける際に料金を払うことはありますが、それはサービス契約であり、OSS自体の利用条件ではありません。
  • イ: OSSの利用者は、そのOSSを販売したり、無料配布したりすることはできない。
    → 誤り。むしろOSSは再配布(販売も含む)を許可することが多いです。ただし、配布時には元のライセンス条項や著作権表示の保持、ライセンス文の同梱などの条件を満たす必要があります。
  • ウ: OSSを遺伝子研究分野で利用することはできない。
    → 誤り。OSSは特定の利用分野(たとえば遺伝子研究)を禁止するのが一般的ではありません。むしろオープンソースの定義(Open Source Definition)では「利用分野に対する差別をしてはならない」と明示されています。※ただし、特定の非公式なライセンスで分野制限を設ける例はあるが、それはオープンソースの定義に合致しない場合があります。
  • エ: 公開されているOSSを改良した派生ソフトウェアをOSSとして公開できる。
    → 正しい。OSSは改変と再配布を許すことが前提です。ただし、どのライセンスが適用されるかによって、同じライセンスでの公開やソース公開義務などの条件が付くことがあります(例:GPLは同じライセンスの適用を要求する)。

よくある誤解

  1. 「OSS=完全に無料(支払いゼロ)」と考える誤解。
    • 実際はソフト自体が無償で配布されることが多いですが、企業で導入する際のサポート費用やカスタマイズ費用は別です。料金が発生するかはサービス契約次第です。
  2. 「OSSは何をしても良い(ライセンス無視でOK)」という誤解。
    • OSSには必ずライセンスが存在します。ライセンスには守るべき条件(著作権表示の保持やソース開示など)があるため、遵守が必要です。
  3. 「OSSはどこでも同じ条件で使える」ではない点。
    • ライセンスの種類(コピーレフト系か許可系か)によって、派生物の扱いや公開義務が変わります。利用目的に合ったライセンスチェックが必要です。

補足コラム

  • ライセンスの種類の簡単な区別
    • コピーレフト(例:GPL): 派生物にも同じライセンスを適用し、ソース開示を求める。
    • 許可(Permissive、例:MIT、BSD): 再利用や再配布が自由。派生物を閉源にすることも可能。
  • 企業でOSSを使うときの実務ポイント
    1. 使用前にライセンスを確認する(どんな義務があるか)。
    2. 条件に従って著作権表示やライセンス文を同梱する。
    3. 必要なら法務や技術の人に確認する。
  • Open Source Initiative(OSI:オープンソースの定義を管理する団体)は、利用分野の差別を禁止しています。つまり「この分野では使えない」という制限はオープンソースの本来の定義には合いません。

FAQ

Q1. OSSは商用(お金を稼ぐための)利用ができますか?
A1. 多くのOSSは商用利用を許可します。ただしライセンス条件を守る必要があります。商用サポートを有償で受けることも一般的です。
Q2. 改良して販売したら元の作者に許可が要りますか?
A2. ライセンスに従っていれば、基本的に許可は不要です(ただしライセンス条項を守ることが前提)。例えばGPLではソースを開示する義務がありますが、販売自体は制限されません。
Q3. 「非営利のみ」でしか使えないOSSはあるのですか?
A3. 「非営利のみ」を規定するライセンスはありますが、それは広く認められたオープンソースの定義(OSIの定義)には合致しないため、厳密にはオープンソースと呼ばれない場合があります。利用前にライセンスの確認が必要です。

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