ITパスポート 2011年 春期 問03
問題文
評価指標には目標の達成度を評価する指標と、目標達成の手段を評価する指標の2種類がある。“社員の英語力を向上する”との目標を設定したとき、目標の達成度を示している指標として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:英語学習の重要性に関する社長メッセージの社員認知率が80%以上
イ:英語力テストでの650点以上の得点者比率が60%以上(正解)
ウ:英語力テストへの社員参加率が90%以上
エ:月例の社内英語研修の開催率が90%以上
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評価指標(目標と手段)の見分け方【ITパスポート 解説】
正解の理由
この問題では「目標の達成度を評価する指標」を選ぶ必要があります。結果(ゴール)の達成度を見る指標は、一般に「KGI(Key Goal Indicator:目標達成度を示す指標)」や「成果指標」と呼ばれます。一方で、手段やプロセスを評価する指標は「KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)」と呼ばれます。
選択肢の中で、実際に「社員の英語力がどれだけ向上したか」を直接示しているのは、試験で一定点以上を取った人の割合を示すものです。したがって、イ「英語力テストでの650点以上の得点者比率が60%以上」は、目標(英語力向上)の達成度を測る典型的な結果指標(KGI)になります。残りはどれも手段や実施状況を示す指標です。
解法ステップ
- 「目標(何を達成したいか)」を確認する:ここでは「社員の英語力を向上する」こと。
- 各選択肢が「成果(結果)を示すか」「手段(プロセス)を示すか」を判別する。
- 結果:能力や業績そのものの変化を示す(例:テストの点数、売上額)。
- 手段:達成のために行う活動や実行状況を示す(例:参加率、開催率、認知率)。
- 結果を示す選択肢を選ぶ。今回それがイです。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 英語学習の重要性に関する社長メッセージの社員認知率が80%以上
→ これは「情報がどれだけ伝わったか」を示す指標です。学習の手段や周知状況であって、英語力そのものの向上(成果)を直接示しません。 -
イ: 英語力テストでの650点以上の得点者比率が60%以上
→ これは「一定の英語力を獲得した人の割合」を示します。社員の英語力が向上したかどうかを直接測る結果指標(KGI)です。したがって目標の達成度を評価する指標として適切です。 -
ウ: 英語力テストへの社員参加率が90%以上
→ 参加率は「テストを受けたかどうか」という行動を示します。テストを受けることは手段(実施状況)であり、英語力向上の度合いを示すものではありません。 -
エ: 月例の社内英語研修の開催率が90%以上
→ 研修の実施頻度や継続性を示す指標です。研修を多く開催することは手段であり、それ自体は成果を直接評価しません。
よくある誤解
-
「参加者が多ければ目標達成」と考える誤解
→ 参加率や開催回数が高くても、実際に英語力が向上しているとは限りません。成果は測定結果(点数や合格率)で確認します。 -
「認知率=結果指標」と混同する誤解
→ 社員が目標を知っている(認知)ことは重要ですが、それは意思統一や動機付けの話です。達成度を示す指標とは別物です。 -
「閾値(例えば650点)が高すぎる/低すぎる」への不安
→ 閾値は組織の水準や業務で必要なレベルに合わせて決めます。適切な基準設定が重要です(あとで補足参照)。
補足コラム
- KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)とKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)の違い
- KGI:最終的に達成したいゴールの度合いを測る指標(例:得点者比率、売上額、顧客満足度のスコア)。
- KPI:KGIを達成するための過程や手段の実行状況を測る指標(例:研修開催数、参加率、メール開封率)。
- SMARTの考え方(目標や指標を作るときの目安)
- S(Specific:具体的に)
- M(Measurable:測定可能である)
- A(Achievable:達成可能である)
- R(Relevant:目的に関連している)
- T(Time-bound:期限がある)
→ 今回のイのように「650点以上の人の比率が60%以上を○年○月までに」という形にするとSMARTになります。
- 指標設定の実務アドバイス
- 結果(KGI)と過程(KPI)を組み合わせると良いです。例えば「半年で650点以上60%(KGI)」+「研修参加率80%(KPI)」のように両方を設定します。
- 指標は誰が測るか、測定方法、評価頻度を決めておくことが大切です。
FAQ
Q1. 目標の達成度(KGI)はどのくらいの頻度で測るべきですか?
A1. 指標の性質によります。成果を測るKGIは四半期ごとや半年ごとなど、施策の効果が出る程度の間隔で測るのが一般的です。短すぎると変化が見えにくいです。
A1. 指標の性質によります。成果を測るKGIは四半期ごとや半年ごとなど、施策の効果が出る程度の間隔で測るのが一般的です。短すぎると変化が見えにくいです。
Q2. 「650点」という数字はどう決めればよいですか?
A2. 業務で必要な英語レベルや業界の基準、過去の社内データを元に設定します。現実的で挑戦的なラインを選び、必要なら段階的に引き上げます。
A2. 業務で必要な英語レベルや業界の基準、過去の社内データを元に設定します。現実的で挑戦的なラインを選び、必要なら段階的に引き上げます。
Q3. 複数の指標を使ってもいいですか?
A3. はい。KGIと複数のKPIを組み合わせて、成果と過程の両面から評価するのが効果的です。
A3. はい。KGIと複数のKPIを組み合わせて、成果と過程の両面から評価するのが効果的です。
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