ITパスポート 2011年 春期 問12
問題文
技術ロードマップに関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:過去の技術の変遷を整理したものであり、将来の方向性を示すものではない。
イ:企業や産業界の技術戦略のために作成されるものであり、政府や行政では作成されない。
ウ:技術開発のマイルストーンを示すものであり、市場動向に応じた見直しは行わない。
エ:事業戦略に基づいた技術開発戦略などを示すものであり、技術者だけが理解すればよいものではない。(正解)
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技術ロードマップに関する記述【ITパスポート 解説】
正解の理由
技術ロードマップは、事業(ビジネス)の目標に合わせて「どの技術をいつまでに開発・導入するか」を示す計画です。つまり、単に技術者だけが見るものではなく、経営層や営業、設計、製造、マーケティングなど複数の部署や関係者(ステークホルダー)が理解して連携するためのツールです。したがって「事業戦略に基づいた技術開発戦略などを示すものであり、技術者だけが理解すればよいものではない」を述べた選択肢、エが適切です。
(補足用語)ステークホルダー:プロジェクトや計画に影響を受けたり、意思決定に関与する関係者のこと。
解法ステップ
- 「技術ロードマップ」の定義を押さえる
- 何を、いつまでに、どの順で開発・導入するかを示す計画であることを確認します。
- 各選択肢の主張が定義と合っているかを照らし合わせる
- 未来の方向性を示すか、誰が作るか、見直しがあるか、誰が理解すべきか、を順に確認します。
- 実務的な観点で現実に当てはめる
- 企業や政府が使うか、市場変化で更新するかを考えます。
- 最も整合する選択肢を選ぶ
- 上記の照合で正しいものがエであると判断します。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 過去の技術の変遷を整理したものであり、将来の方向性を示すものではない。
→ 誤り。技術ロードマップは将来の技術導入や開発の計画(方向性)を示すことが主目的です。過去の整理は参考情報になるが、本質は未来志向です。 -
イ: 企業や産業界の技術戦略のために作成されるものであり、政府や行政では作成されない。
→ 誤り。政府や行政も産業政策や国の技術戦略を立てるために技術ロードマップを作成します。特定分野(エネルギー、医療、人工知能など)で国レベルのロードマップが策定されることが多いです。 -
ウ: 技術開発のマイルストーンを示すものであり、市場動向に応じた見直しは行わない。
→ 誤り。マイルストーン(milestone:重要な節目や達成点)を示すのは正しいですが、技術ロードマップは市場動向や技術トレンドの変化に応じて見直し・更新されることが通常です。固定的ではありません。 -
エ: 事業戦略に基づいた技術開発戦略などを示すものであり、技術者だけが理解すればよいものではない。
→ 正しい。事業戦略と結びつけ、組織全体で共有・連携するための計画である点が正確です。よってエが適切です。
よくある誤解
-
「ロードマップは細かい作業手順」
- 誤解です。ロードマップは方針やタイミング、優先順位を示す上位計画であり、日々の細かい作業手順(タスクやチケット)は別の工程管理ツールで管理します。
-
「技術ロードマップは技術者だけが作る・見るもの」
- 誤解です。経営判断や市場投入のタイミングを左右するため、経営層や営業・マーケティングなども関与し、共有する必要があります。
-
「一度作ったら変更しないもの」
- 誤解です。市場の変化や技術進展に応じて定期的に見直すことが重要です。
補足コラム
-
技術ロードマップと製品ロードマップの違い:
- 技術ロードマップは「技術面で何をいつ実現するか」に焦点を当てます。
- 製品ロードマップは「市場にどんな製品や機能をいつ出すか」に焦点を当てます。両者は連動していることが多く、技術ロードマップがなければ製品計画が非現実的になることがあります。
-
実務での使い方の例:
ある製造会社が「5年で製品の省エネ化を進める」事業戦略を決めたとします。技術ロードマップでは、必要な新材料の研究、試作、評価、量産化までのスケジュールと責任部署を示し、経営・設計・生産が同じ目標で動けるようにします。
FAQ
Q1: 技術ロードマップは誰が作るのですか?
A1: 基本は経営や事業責任者が主導し、研究開発(R&D:Research and Development、研究開発)部門や製造、マーケティングなど関係部署と協働して作ります。
A1: 基本は経営や事業責任者が主導し、研究開発(R&D:Research and Development、研究開発)部門や製造、マーケティングなど関係部署と協働して作ります。
Q2: どのくらいの頻度で更新しますか?
A2: 企業や分野によりますが、通常は年次レビューや技術・市場の大きな変化があったときに見直します。敏速な業界では四半期ごとのチェックもあります。
A2: 企業や分野によりますが、通常は年次レビューや技術・市場の大きな変化があったときに見直します。敏速な業界では四半期ごとのチェックもあります。
Q3: 短期計画と長期計画はどう分けるべきですか?
A3: 長期(数年〜十年)は技術の方向性や大きな投資判断を示し、短期(数ヶ月〜1年)は実行可能なマイルストーンやリソース配分を示します。両方を階層的に示すと分かりやすいです。
A3: 長期(数年〜十年)は技術の方向性や大きな投資判断を示し、短期(数ヶ月〜1年)は実行可能なマイルストーンやリソース配分を示します。両方を階層的に示すと分かりやすいです。
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