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ITパスポート 2011年 春期 18


問題文

A社の3年間の業績推移を示すグラフに関して、次の記述中のa、bに入れる字句の適切な組合せはどれか。
売上高に対する、売上原価の比率は[ a ]傾向、販売費及び一般管理費の比率は[ b ]傾向である。
ITパスポート 2011年 春期  問18の問題画像ITパスポート 2011年 春期  問18の選択肢の画像

選択肢

(正解)

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A社の3年間の業績推移(売上高に対する費用比率)の考え方【ITパスポート 解説】

正解の理由

図から、売上高・売上原価とも増加しているが、営業利益率(営業利益÷売上高)は2007年約15%→2008年約12%→2009年約9%と一貫して低下しています。ここで、「売上高に対する売上原価の比率」は売上原価÷売上高で計算します。各年で計算すると比率は2007年60%→2008年約53.8%→2009年50%と「減少」しています。一方、「販売費及び一般管理費(販管費)」の比率は、式で表すと
となるため、上の売上原価比率の低下と営業利益率の低下を当てはめると、販管費比率は増える(2007年約25%→2008年約34.1%→2009年約41%)。よって、aは「減少」、bは「増加」であり、選択肢のが正解です。

解法ステップ

  1. 用語の確認
    • 売上高:商品の販売などで得た収入。
    • 売上原価:売るために直接かかった費用(仕入れや原材料費など)。
    • 販売費及び一般管理費(販管費):販売活動や会社運営にかかる経費(広告費、人件費など)。
    • 営業利益率:営業利益(売上−売上原価−販管費)を売上高で割った割合(%)。
  2. 売上原価比率を計算(売上原価 ÷ 売上高)
    • 2007年:
    • 2008年:
    • 2009年:
      → 年々「減少」。
  3. 販管費比率を求める(売上原価比率営業利益率)
    • 2007年:
    • 2008年:
    • 2009年:
      → 年々「増加」。
  4. 結論:a=減少、b=増加。選択肢は

選択肢別の誤答解説

  • ア(a=減少、b=減少):売上原価比率の推移は正しく「減少」だが、販管費比率は営業利益率の低下分を埋める形で上がっているため「減少」は誤り。
  • イ(a=減少、b=増加):正解。上で示した計算通り。
  • ウ(a=増加、b=減少):売上原価は金額で増えているが、売上高に対する比率は下がっているため「増加」は誤り。販管費比率も実際は上昇しているため「減少」は誤り。
  • エ(a=増加、b=増加):売上原価比率が増加していないので誤り。

よくある誤解

  1. 「売上原価が金額で増えているから比率も増える」と誤解する
    • 売上原価の「絶対額」が増えても、売上高の増え方がそれ以上なら比率は下がります。比率は分子(原価)と分母(売上高)の両方を見ることが大切です。
  2. 営業利益率の低下だけを見て販管費が増えたと即断する
    • 営業利益率低下の原因は売上原価比率の上昇か販管費比率の上昇か、または両方かを確認する必要があります。今回のように売上原価比率が下がっている場合は販管費比率の増加が主因です。
  3. グラフの「重ね合わせ」に惑わされる
    • 棒グラフは金額、折れ線は比率(%)と軸が異なります。軸を確認して「同じ単位ではない」ことを意識してください。

補足コラム

販管費比率が上がる理由としては、販売活動(広告、営業費)や管理のための人件費が増えた場合が多いです。売上が伸びても販管費が相対的に大きく伸びれば営業利益率は下がります。逆に、売上が増えて販管費があまり増えなければ、規模の経済(固定費の分散)で販管費比率は下がり、利益率が改善します。財務分析では「比率の変化」を見ることで、何が効いているか(原価管理の問題か販管費の肥大化か)が分かります。

FAQ

Q1. なぜ販管費比率を直接グラフから読み取れないのですか?
A1. 図には販管費の金額は表示されていません。棒は売上高と売上原価の金額のみで、販管費は営業利益率と差から計算する必要があります。
Q2. 営業利益率の数値がざっくりの場合、結果は信用できますか?
A2. 図の営業利益率は小数点切り上げ・下げがある程度ありますが、今回のように差が大きい(15→12→9)場合は傾向判断に十分使えます。厳密にやるなら元データの小数点以下を確認します。
Q3. 売上原価と販管費、どちらをまず改善すべきですか?
A3. 会社の状況によります。原材料や仕入のコントロールが可能なら売上原価低減が効きます。販管費は、広告や人件費など構造的な見直しが必要です。まずは比率を見て、どちらが主因かを判断します。

関連キーワード: 売上原価比率、販管費比率、営業利益率、損益分解、財務指標、比率分析、損益計算書
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