ITパスポート 2011年 春期 問20
問題文
不正競争防止法の不正競争に該当するものはどれか。
選択肢
ア:競争関係にある他社の信用の低下につながる、反社会的な行為を公表した。
イ:自社で使っているドメイン名が、偶然他社のドメイン名と類似していた。
ウ:新聞に記載されていた掃除用具開発の着想を参考にして、オリジナルな文房具を開発した。
エ:取引先から入手した情報が他社の営業秘密に当たるものであることを知っていながら、自社で使用した。(正解)
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不正競争防止法の不正競争に該当するものはどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
正解は エ です。不正競争防止法(不正競争防止法:企業間の公正な競争を保護する法律)は、他社の「営業秘密(business trade secret:企業が秘密にしており、経済的価値がある情報)」を不正に取得または使用することを禁止しています。
選択肢の エ は、取引先から入手した情報が他社の営業秘密であると知りながら自社で使用した、つまり「営業秘密の不正利用」に該当します。取得または使用の時点で「秘密であることを知っていた」ことがポイントで、これが不正競争行為の典型的な要件を満たします。
選択肢の エ は、取引先から入手した情報が他社の営業秘密であると知りながら自社で使用した、つまり「営業秘密の不正利用」に該当します。取得または使用の時点で「秘密であることを知っていた」ことがポイントで、これが不正競争行為の典型的な要件を満たします。
解法ステップ
- 問題文で問われている「不正競争」の代表例(営業秘密の不正取得・使用、虚偽表示、商品形態の模倣など)を思い出す。
- 営業秘密 = 秘密情報で経済的価値があり、合理的な管理がされている情報。
- 各選択肢を「営業秘密の侵害」「その他の不正行為」「合法的行為」に当てはめる。
- 「知っていたか」「秘密性があるか」「不正な取得・使用か」を基準に判定する。
- 該当するのは、営業秘密を知りつつ使用したケース(エ)であると判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 競争関係にある他社の信用の低下につながる、反社会的な行為を公表した。
- これは名誉毀損(デマや誹謗中傷)や表現の問題になる可能性がありますが、不正競争防止法が直接規律する「営業秘密の不正取得・使用」や「商品等表示の不正」などには該当しません。真実の公表や公益目的であれば合法となることもあります。よって不正競争とは言えない場面が多いです。
- イ: 自社で使っているドメイン名が、偶然他社のドメイン名と類似していた。
- ドメイン名(インターネット上の住所の名前)で偶然の類似があっても、悪意(不正な目的・他社の顧客を混乱させる意図)がなければ不正競争にはなりません。意図的に類似させて顧客を混同させると問題になりますが、設問は「偶然」とあるため不該当です。
- ウ: 新聞に記載されていた掃除用具開発の着想を参考にして、オリジナルな文房具を開発した。
- 新聞の記事は公知の情報です。公に出ている情報を参考にして独自に製品を作ることは基本的に合法です(著作権で保護される「表現」をそのままコピーしていない限り)。着想を得て別の形で作っただけでは不正競争には当たりません。
よくある誤解
- 誤解1: 「秘密なら何でも不正競争になる」
- 秘密であれば直ちに不正競争とは限りません。営業秘密には「経済的価値がある」「合理的な秘密保持措置が取られている」という要件が必要です。
- 誤解2: 「偶然類似しただけでも侵害になる」
- 偶然の類似は違法ではありません。侵害となるのは通常、悪意や混同を招く行為(故意の不正利用)がある場合です。
- 誤解3: 「新聞や公表された情報を使うのは悪いこと」
- 公にされた情報は原則自由に利用できます(ただし、他人の著作権の表現そのものをコピーしないことなどに注意)。
補足コラム
- 営業秘密の具体例:製造工程のノウハウ、顧客リスト、未発表の新製品設計図、価格戦略など。
- 企業が取るべき対策:秘密情報にラベル(「社外秘」)を付ける、アクセス権を制限する、秘密保持契約(NDA)を結ぶ、従業員教育を行うなど。これらがあることで「合理的な秘密保持措置」があったと評価されやすくなります。
- 争いになった場合の救済:差止請求(使用禁止)、損害賠償請求、場合によっては刑事罰(悪質な場合)も検討されます。
FAQ
Q1: 営業秘密って何ですか?
A1: 営業秘密は「企業が秘密にしており、経済的価値があり、合理的に管理されている情報」です。英語では trade secret と言います。例:独自の配合や顧客リスト。
A1: 営業秘密は「企業が秘密にしており、経済的価値があり、合理的に管理されている情報」です。英語では trade secret と言います。例:独自の配合や顧客リスト。
Q2: 誰かから「秘密」と言われた情報を使ったらどうなる?
A2: 「秘密」と明示され、かつそれが営業秘密の要件を満たす場合、無断で使用すると不正競争に該当する可能性があります。入手経路に疑問があるときは使用を避け、法務部や上長に相談しましょう。
A2: 「秘密」と明示され、かつそれが営業秘密の要件を満たす場合、無断で使用すると不正競争に該当する可能性があります。入手経路に疑問があるときは使用を避け、法務部や上長に相談しましょう。
Q3: 新聞やネットの記事を見て作った商品は違法ですか?
A3: 公に出ている情報を参考にして独自に作るのは基本的に合法です。ただし、他者の著作物の表現をそのままコピーしたり、営業秘密を扱う内部情報を流用すると問題になります。
A3: 公に出ている情報を参考にして独自に作るのは基本的に合法です。ただし、他者の著作物の表現をそのままコピーしたり、営業秘密を扱う内部情報を流用すると問題になります。
Q4: 偶然似たドメインを登録してしまった場合は?
A4: 偶然なら直ちに違法とはなりませんが、相手が商標やサービス名として広く知られている場合は、紛争のリスクがあります。問題が起きたら早めに専門家に相談してください。
A4: 偶然なら直ちに違法とはなりませんが、相手が商標やサービス名として広く知られている場合は、紛争のリスクがあります。問題が起きたら早めに専門家に相談してください。
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