ITパスポート 2011年 春期 問22
問題文
新規システムの開発に当たって、初期投資額は2,400万円、稼働後の効果額は100万円/月、システム運用費は20万円/月、年間のシステム保守費は初期投資額の15%のとき、投資額を回収するための回収期間は何年か。ここで、金利コストなどは考慮しないものとする。
選択肢
ア:2
イ:2.5
ウ:2.9
エ:4(正解)
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新規システムの開発に伴う回収期間の計算【ITパスポート 解説】
正解の理由
初期投資額(システムを導入するため最初に必要な費用)は2,400万円です。運用で毎月得られる効果(稼働後の効果額)は100万円/月ですが、毎月かかる運用費(システム運用費)は20万円/月、さらに年間の保守費が初期投資額の15%(= 2,400万円 × 0.15 = 360万円/年)かかります。
年間の保守費を月換算すると360万円 ÷ 12 = 30万円/月です。したがって月ごとの「純効果(手元に残る金額)」は 万円/月になります。
初期投資額をこの月ごとの純効果で割ると回収期間が求められ、 ヶ月 = 4年。よって正しい選択肢は エ(4年)です。
年間の保守費を月換算すると360万円 ÷ 12 = 30万円/月です。したがって月ごとの「純効果(手元に残る金額)」は 万円/月になります。
初期投資額をこの月ごとの純効果で割ると回収期間が求められ、 ヶ月 = 4年。よって正しい選択肢は エ(4年)です。
解法ステップ
- 用語確認
- 初期投資額:最初にかかる総費用(ここでは2,400万円)
- 稼働後の効果額:導入後に毎月得られる効果(ここでは100万円/月)
- システム運用費:毎月かかる費用(20万円/月)
- 年間保守費:初期投資額の15%(年間で計算された費用)
- 年間保守費を月額に換算する:
- 月ごとの純効果を求める:
- 回収期間(年)を求める:
式でまとめると:
選択肢別の誤答解説
- ア: 2年
2年(24ヶ月)になるのは のように、稼働後の効果額100万円だけで計算し、運用費や保守費を全く差し引いていない場合です。実務では毎月のコストは必ず差し引きます。 - イ: 2.5年
2.5年(30ヶ月)は で得られます。これは月間の純効果を として「年間保守費(15%)を考慮していない」場合の誤りです。年間保守費は月額に変換して差し引く必要があります。 - ウ: 2.9年
2.9年(約34.8ヶ月)は、単純な四則計算や単位変換を誤った結果として出やすい数値です。例えば保守費をどう扱うか(年額を月額に換算しない、あるいは保守費の割合の適用ミス)や、小数点の丸め誤差から生まれます。正しい計算では月間の純効果は50万円で、結果は4年になります。
よくある誤解
- 年間コスト(保守費)を月額換算し忘れる
問題の単位が月で示されているときは、年間費用は必ず12で割って月額に直してください。 - 「効果額=全て利益」と考える誤り
稼働後の効果額は増える金額の総額であって、そこから運用費・保守費などのコストを差し引いた額が実際の回収に使えるお金です。 - 金利や割引(時間価値)を勝手に入れる/除外する混乱
問題文で「金利コストなどは考慮しない」と明記されている場合は、単純回収期間(割引を考慮しない方法)で計算します。逆に実務で長期投資を評価する際は割引現在価値を使うことがあります。
補足コラム
回収期間(単純回収期間)は見積もりが簡単で直感的に理解しやすい指標です。ただし欠点として「回収後のキャッシュフローの大きさ」「資金の時間価値(お金の価値が時間で変わること)」を無視します。長期的・高額投資の評価では、割引現在価値(NPV:Net Present Value)や内部収益率(IRR:Internal Rate of Return)など、時間価値を考慮する方法を使うことが多いです。
簡単なチェックリスト(この種の問題を解くとき)
- 全ての費用と効果の単位が合っているか確認(年⇄月)
- 率(%)は何の基準に対する何%か確認(例:初期投資の15%)
- 問題で「金利は考慮しない」とあれば単純回収期間で良い
FAQ
Q. 年間保守費が「初期投資額の15%」とはどういう意味ですか?
A. 初期投資額(ここでは2,400万円)の15%を年ごとに支払うという意味です。計算は 万円/年。月換算すると 万円/月です。
A. 初期投資額(ここでは2,400万円)の15%を年ごとに支払うという意味です。計算は 万円/年。月換算すると 万円/月です。
Q. 回収期間が4年なら、その後はもう無料で使えるのですか?
A. 回収期間は投資額が回収できるまでの期間を示すだけです。回収後も運用費や保守費はかかりますし、システムの陳腐化や追加投資もあり得ます。回収期間だけで投資判断をするのは不十分です。
A. 回収期間は投資額が回収できるまでの期間を示すだけです。回収後も運用費や保守費はかかりますし、システムの陳腐化や追加投資もあり得ます。回収期間だけで投資判断をするのは不十分です。
Q. 問題文に「金利は考慮しない」とあるが、実務ではどうするべきですか?
A. 実務では資金の時間価値を考慮するのが普通です。将来の収益は現在の価値に割り引いて評価するNPV法などを使います。ただし入門問題や短期の意思決定では単純回収期間で十分な場合もあります。
A. 実務では資金の時間価値を考慮するのが普通です。将来の収益は現在の価値に割り引いて評価するNPV法などを使います。ただし入門問題や短期の意思決定では単純回収期間で十分な場合もあります。
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