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ITパスポート 2011年 春期 27


問題文

情報リテラシの向上策として、最も適切なものはどれか。

選択肢

業務と情報システムの全体像を可視化し、現状と将来のあるべき姿を設定して、両者のギャップから全体最適化に向けての移行計画を策定する。
個人情報保護やセキュリティなどに関する法令やガイドライン、社内規程などを遵守し、ITガバナンスを確立し、維持していく仕組みを構築する。
自社の情報システムにおいて、起こり得るシステム故障などのトラブルを想定して、その社会的影響などを最小限に食い止める対策を策定する。
社員に対して、オフィスツールやデータ分析ツールといったツールの使用方法やそれらの業務への活用方法などに関する研修を実施する。(正解)

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情報リテラシの向上策として、最も適切なものはどれか。【ITパスポート 解説】

正解の理由

情報リテラシ(Information literacy:情報を適切に収集・判断・活用する力)を高めるには、社員が実際に情報を扱える能力を伸ばすことが直接の対策になります。選択肢のうち、は「オフィスツールやデータ分析ツールの使用方法や業務への活用方法に関する研修を実施する」とあり、まさに個人の技能と活用力を向上させる具体的施策です。したがって、情報リテラシ向上の最も適切な施策はです。
(補足)オフィスツールとは、ワープロや表計算、プレゼンソフトなど業務で使う基本的なソフトのことです。データ分析ツールは、データを集計・可視化・分析するためのソフトや機能を指します。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを確認:「情報リテラシの向上策」→ 目的は「個人(社員)の能力向上」であると読む。
  2. 各選択肢が「個人の技能向上」か「組織的な仕組みづくり」かを分類する。
  3. 「個人の技能向上」に直接結びつくものを選ぶ。
  4. 選択肢の表現が曖昧な場合は、「研修・教育」など明確にスキルを伸ばす手段があるものを優先する。
この問題では、上の基準で見ると研修を行うが直接的で最適です。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 業務と情報システムの全体像を可視化し、将来のあるべき姿を設定して移行計画を策定する。
    • これは「業務とシステムの設計や最適化(全体最適化)」に関する施策です。組織の仕組みやシステム更改の計画であり、社員個々の情報を扱う能力(情報リテラシ)を直接高めるものではありません。
  • イ: 個人情報保護やセキュリティなどに関する法令やガイドライン、社内規程を遵守し、ITガバナンスを確立・維持する仕組みを構築する。
    • ITガバナンス(IT governance:情報技術の利用を組織的に管理・統制する仕組み)は重要ですが、これは組織ルールや統制の整備であり、個人の「情報の読み方・使い方」を訓練する施策とは目的が異なります。教育は含まれることがありますが、主眼は統治・管理です。
  • ウ: システム故障などのトラブルを想定して、社会的影響を最小限にする対策を策定する。
    • これは事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)や障害対応のリスク管理に関するもので、情報リテラシの向上、すなわち社員の情報活用能力を直接向上させる策ではありません。
  • エ: 社員に対してツールの使用方法や業務への活用方法に関する研修を実施する。
    • 研修は個人のスキルと理解を高める直接的手段なので、情報リテラシ向上に最も適切です。

よくある誤解

  1. 「情報リテラシ=情報セキュリティ」だと考える誤解
    • 情報リテラシは情報を正しく扱う能力全般(収集・評価・活用)を指します。情報セキュリティ(情報の機密性・完全性・可用性を守ること)は重要な要素の一つですが、情報リテラシはそれより広い概念です。
  2. 「ルールを作れば情報リテラシは向上する」と考える誤解
    • ガイドラインや規程(ITガバナンス)は必須ですが、ルールだけでは現場のスキルは上がりません。研修や実践を通した習得が必要です。
  3. 「システムを整備すれば人の能力は不要」と考える誤解
    • 便利なツールやシステムがあっても、使いこなす能力がなければ効果は出ません。ツールと人の両方が重要です。

補足コラム

  • 実務で役立つ研修内容の例(情報リテラシ向上に直結)
    • 基本的なオフィススキル(表計算での集計・関数、グラフ作成)
    • データの読み方・可視化の基礎(どのグラフを使うとわかりやすいか)
    • 情報収集の方法と情報の信頼性の見分け方(フェイク情報の見抜き方)
    • データ活用の簡単な事例(レポート作成や業務改善への応用)
    • 実践ワーク(実データを使った演習)――座学だけでなく、手を動かす研修が効果的です。
  • 測定方法の一例
    • 研修前後での簡単なスキルテスト、業務での成果(作業時間短縮や誤り減少)の定量評価を行うと有効です。

FAQ

Q1: 情報セキュリティ研修は情報リテラシ向上に含まれますか?
A1: 含まれますが一部です。セキュリティは情報を安全に扱う技能の一部であり、情報リテラシはそれに加えて情報の収集・判断・活用能力を含みます。したがって、セキュリティ研修だけでは不十分な場合があります。
Q2: 組織のルール整備(ITガバナンス)も重要ではないですか?
A2: 重要です。組織のルールは全体の安全性と秩序を保ちますが、それ自体は「個人の使い方の上達」には直結しないため、情報リテラシ向上の直接策としては研修の方が適切です。
Q3: 小規模会社でも研修は必要ですか?
A3: 必要です。人数が少なくても、社員一人ひとりの情報活用能力が業務効率や意思決定の品質に直結します。段階的な研修やオンライン教材の活用など費用対効果の高い方法があります。

関連キーワード: 情報リテラシ、研修、オフィスツール、データ分析ツール、ITガバナンス、業務最適化、情報活用、事業継続、情報セキュリティ
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