ITパスポート 2011年 春期 問34
問題文
個人情報保護に関するシステム監査が実施された。この監査において、営業部門では、情報システムから出力した顧客リストを、全社で定めたルールどおりに取り扱っていないとの指摘を受けた。指摘事項に基づく改善計画の策定責任者はだれか。
選択肢
ア:営業部門の責任者(正解)
イ:監査部門の責任者
ウ:経営企画部門の責任者
エ:システム部門の責任者
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個人情報保護に関するシステム監査の指摘 — 改善計画の策定責任者は誰か【ITパスポート 解説】
正解の理由
監査で「営業部門が情報システムから出力した顧客リストを、全社ルールどおりに扱っていない」と指摘が出ました。監査(システム監査:情報システムの運用や管理が適切かを点検すること)は問題点を発見して報告しますが、実際に問題を直す(改善計画を作り、実行する)のはその業務を行っている部門です。したがって、改善計画の策定責任者は ア 営業部門の責任者になります。監査部門は監督・指摘を行い、実行の主体は問題が発生した業務の責任者です。
解法ステップ
- 問題文を読む:どの部署の行為に問題があるかを確認する(今回=営業部門の顧客リストの取り扱い)。
- 「監査」と「是正(改善)」の役割を区別する:監査は指摘する役、改善は対象部署が行う役。
- 改善計画の責任者は「問題の原因を持ち、改善できる部署の責任者」を選ぶ。
- 上記より、営業部門の責任者(ア)を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア 営業部門の責任者(正解)
- 問題の主体が営業部門の業務上の取り扱いなので、改善計画の策定と実行の責任は営業にあります。
- イ 監査部門の責任者
- 監査部門(社内の監査を行う部署)は問題点を発見し報告・勧告しますが、改善計画を実行する責任は原則として持ちません。監査は「チェック」と「フォロー(監視)」が役割です。
- ウ 経営企画部門の責任者
- 経営企画部門(会社全体の方針や計画を作る部署)はルール策定や方針決定に関わりますが、個別業務の具体的な運用改善の策定責任者ではありません。場合によっては調整・承認を行いますが、主体は営業です。
- エ システム部門の責任者
- システム部門(システムやサーバ(サービスを提供するコンピュータ)を管理する部署)は技術的な側面(システムの設定や出力方法)を直す役割はあります。しかし、顧客リストの業務上の扱い方(誰がどう利用してはいけないか等)の最終的な責任は営業部門にあります。したがって策定責任者にはならないのが通常です。
よくある誤解
- 「監査をした部署が改善計画も作るべきだ」
- 監査部門は問題を明らかにしますが、実際に改善して運用を変えるのは業務部門です。監査は独立性を保ち、評価と監視が本分です。
- 「システムに関する問題だからシステム部門が責任者」
- システム面の是正が必要な場合はシステム部門が対応しますが、業務ルールや運用の改善(誰がどの情報を扱うか等)は業務部門の責任です。
補足コラム
組織では「誰が責任を持つか」を明確にすることが重要です。よく使われる考え方にRACI(レイシー)があります。これは各作業に対して次の役割を決めます。
- Responsible(実行責任者):実作業を行う人(今回なら営業部門)
- Accountable(最終責任者):結果に最終責任を持つ人(部門の責任者など)
- Consulted(相談を受ける人):専門的助言を出す人(システム部門や法務など)
- Informed(報告を受ける人):結果を知らされる人(監査部門、経営層など) 監査で指摘が出たら、まずR(実行)とA(最終責任)を明確にし、C(相談)に技術部門や法務を入れて計画を作ると実効性が高まります。
FAQ
Q. 監査部門は改善計画に関与してはいけないのですか?
A. 監査部門は改善計画の妥当性を確認したりフォローしたりしますが、策定と実行の主体には通常なりません。利害対立を避けるためです。
A. 監査部門は改善計画の妥当性を確認したりフォローしたりしますが、策定と実行の主体には通常なりません。利害対立を避けるためです。
Q. 経営企画部門が主導して改善するケースはありますか?
A. 全社方針やルールを改める必要があるような場合は経営企画が主導することがあります。しかし、個別の業務運用の改善は該当部門が主体になります。
A. 全社方針やルールを改める必要があるような場合は経営企画が主導することがあります。しかし、個別の業務運用の改善は該当部門が主体になります。
Q. 営業部門が改善しない場合どうなる?
A. 監査部門や上層部が再指摘し、最終的には経営層の介入や懲戒、業務委託の見直しなどの措置が取られることがあります。重要なのは未然防止のための教育や内部統制の強化です。
A. 監査部門や上層部が再指摘し、最終的には経営層の介入や懲戒、業務委託の見直しなどの措置が取られることがあります。重要なのは未然防止のための教育や内部統制の強化です。
関連キーワード: 個人情報保護、システム監査、是正処置、内部統制、責任分界

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