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ITパスポート 2011年 春期 35


問題文

業務で使用するPCにおいてプログラムに不具合があり、PCが操作不能になる現象がサービスデスクに報告された。ITサービスマネジメントにおけるインシデント管理で実施する作業として、適切なものはどれか。

選択肢

PCを再起動して操作可能にする手順を指示する。(正解)
修正したプログラムをPCに配布する計画を立てる。
修正したプログラムをテストする。
プログラムの不具合を修正する。

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インシデント管理:PCが操作不能になる障害【ITパスポート 解説】

正解の理由

業務で使うPCが操作不能になった場合、ITサービスマネジメント(ITサービスを安定提供する考え方)の「インシデント管理」は、まずサービスをできるだけ早く復旧することを目的とします。サービスデスク(利用者の問い合わせを受ける窓口)に報告があった時点で優先すべきは「業務ができるようにすること」です。簡単にできて効果が高い対処があるなら、それを指示して一時的に操作を可能にするのが正しい対応です。したがって、PCの再起動を指示して操作可能にする が適切です。
残りの選択肢(修正プログラムの配布やテスト、修正作業)は重要ですが、いずれも根本原因の解決(問題管理や変更管理の領域)に入ります。これらは手順や検証が必要で、即時の業務復旧というインシデント管理の第一目標とは役割が異なります。

解法ステップ

  1. 問題文から「PCが操作不能」「サービスデスクに報告」を確認する。→ 利用者(ユーザ)の業務が止まっている状況(インシデント)であると認識する。
  2. インシデント管理の目的を思い出す:「早期復旧(業務再開)」が最優先。
  3. 選択肢を「すぐに業務を戻せるか」「時間や準備がかかるか」で分ける。
    • すぐに業務復旧できるもの:再起動などのワークアラウンド(回避策)。
    • 時間や検証が必要なもの:プログラム修正・配布・テストなど。
  4. 最も早く業務を戻せる選択肢が正答()と判断する。

選択肢別の誤答解説

  • : PCを再起動して操作可能にする手順を指示する。
    理由:インシデント管理の基本はまずサービスを復旧すること。再起動は手早く効果があることが多く、業務を再開できればユーザの影響を最小化できます。記録・チケット化してから指示すること、必要ならバックアップや保存の確認を行う点に注意します。
  • イ: 修正したプログラムをPCに配布する計画を立てる。
    誤り:配布計画は変更管理やリリース管理の作業です。計画や承認、配布テストが必要で時間がかかります。緊急の業務復旧には不向きです。
  • ウ: 修正したプログラムをテストする。
    誤り:テストは品質確保の重要な工程ですが、テスト環境や手順の準備が必要で即時の復旧にはならないため、インシデント対応の「まずやること」ではありません。
  • エ: プログラムの不具合を修正する。
    誤り:根本原因の修正は問題管理(Problem Management)や変更管理の領域です。修正には設計・実装・テスト・展開の手順が必要で、即時の業務復旧を優先するインシデント管理とは役割が異なります。

よくある誤解

  • 「インシデント=すぐに根本解決しなければならない」
    誤解です。インシデント管理はまずサービスを復旧することを優先します。根本解決は後で問題管理や変更管理で対応します。
  • 「再起動すれば安全に直る」
    再起動は効果的なことが多いですが、作業中のデータが失われる可能性があります。ユーザに保存やバックアップを促すなど慎重な手順が必要です。
  • 「誰でも勝手に修正プログラムを配布してよい」
    誤りです。配布はテストや承認が必要です。無秩序な配布は新たな障害を生む可能性があります。

補足コラム

  • インシデント管理と問題管理の違い(簡単まとめ)
    • インシデント管理:ユーザのサービス利用を早く元に戻すことが目的。ワークアラウンド(回避策)や一時対処を行う。
    • 問題管理:同じ障害の繰り返しを防ぎ、根本原因を調査・解決する。修正や設計変更はここで計画する。
  • ワークアラウンド(workaround:回避策)という考え方
    ワークアラウンドは根本解決でないが、業務を続けられるようにする暫定措置です。再起動や別の手順案内が典型例です。
  • 実務での注意点(サービスデスク向け)
    • 指示前に現在の状況を確認(保存されていないデータの有無、開いているファイルなど)。
    • チケットやログに対応内容を記録する。
    • 再発する場合は問題管理へエスカレーションする。

FAQ

Q: 再起動しても直らなかったら?
A: その場合はログ取得やスクリーンショットを取り、問題管理や開発チームへエスカレーションします。インシデントは記録して次の対応へつなげます。
Q: ユーザに勝手に再起動を指示していいですか?
A: 指示前に「作業中のデータがないか」「保存済みか」を確認し、事前に了承を得るのが安全です。重要な業務プロセスがある場合は上長や所属部署と相談します。
Q: なぜすぐにプログラムを修正してはいけないのですか?
A: 修正には設計・テスト・配布が必要です。検証不足の修正は別の障害を引き起こす危険があるため、変更管理の手順に従う必要があります。

関連キーワード: ITサービスマネジメント、インシデント管理、サービスデスク、ワークアラウンド、問題管理、変更管理、再起動、障害対応
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