ITパスポート 2011年 春期 問36
問題文
テスト担当者がソフトウェア結合テストを実施したところ、実行結果がテスト仕様書の記述と異なっていた。テスト担当者の対応として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:それまでの正常終了分も含めて、すべてのテストデータの見直しを実施する。
イ:テスト担当者がテストケースを修正して、再度テストを実施する。
ウ:テスト担当者がプログラムを修正して、テストを継続する。
エ:問題を記録し、開発者に修正を依頼する。(正解)
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ソフトウェア結合テストで仕様と異なる結果が出た場合の対応【ITパスポート 解説】
正解の理由
結合テスト(integration test:個々のプログラムをつなげて動作を確認するテスト)で実行結果がテスト仕様書(テスト対象の動作や期待結果を記した文書)と異なった場合、テスト担当者はまずその事象を記録して、開発者に修正を依頼するのが適切です。これは「テスト担当者の役割」と「開発者の役割」を分ける原則に基づいています。
テスト担当者は、システムが仕様どおり動くかを検証し、異常があれば再現手順や実行環境などの証拠を残して報告します。一方、プログラムの修正(不具合を直すこと)は開発者(プログラマや担当チーム)の責任です。従って、正しい対応は エ の「問題を記録し、開発者に修正を依頼する」です。
解法ステップ
- 結果とテスト仕様書を比較して「期待される動作」と「実際の動作」を明確にする。
- 同じ条件で再現できるか確認する(再現手順を確定する)。
- ログやスクリーンショット、入力データなど証拠を集める。
- 問題を記録(バグ報告)する。報告書には再現手順、期待値、実際の値、実行環境、発生頻度を含める。
- 開発者へ報告して修正を依頼する。修正後にテスト担当者が再テスト(修正確認)を実施する。
この流れを守ることで、原因の切り分け(テスト側のミスか、仕様誤りか、プログラムの不具合か)を適切に行えます。
選択肢別の誤答解説
-
ア: それまでの正常終了分も含めて、すべてのテストデータの見直しを実施する。
- なぜ誤りか:いきなり全データ見直しは過剰で非効率です。まずは発生事象の再現・切り分けを行い、影響範囲が明らかになってから必要に応じて見直します。
-
イ: テスト担当者がテストケースを修正して、再度テストを実施する。
- なぜ誤りか:テストケース(テストの手順と期待結果)はテスト仕様書に基づきます。仕様が正しい場合にテストケースを勝手に変更すると不具合を見逃すことになります。仕様自体に誤りがある可能性があるなら、仕様の変更は関係者と合意してから行うべきです。
-
ウ: テスト担当者がプログラムを修正して、テストを継続する。
- なぜ誤りか:テスターが直接プログラム(コード)を修正するのは責任分担の観点で不適切です。勝手な修正は履歴管理や品質保証を損ない、原因追跡ができなくなります。プログラム修正は開発者が行い、テスターは修正を検証します。
-
エ: 問題を記録し、開発者に修正を依頼する。
- なぜ正しいか:テスターは問題を再現・記録して報告する役割です。開発者が原因を解析・修正し、テスターが修正後の確認(再テスト)を行うという分業が品質管理上適切です。
よくある誤解
-
「テスターがプログラムを直しても良い」
- 実際には、修正は開発者が実施するべきです。テスターが直すと変更履歴や責任があいまいになり、問題の原因追跡や品質管理ができなくなります。
-
「テストに失敗したらまずテスト仕様書を変えれば良い」
- 仕様が間違っているケースもありますが、まずは再現確認や関係者(設計者・仕様管理者)との確認を行い、合意のうえで仕様を修正する必要があります。テスターだけの判断で変えるべきではありません。
-
「以前に正常終了したテストは無関係」
- 以前のテスト結果が今回の不具合と関連する場合があります。影響範囲の調査は必要ですが、すべてを最初から見直すのは非効率です。まずは原因の切り分けを行い、必要な範囲を特定します。
補足コラム
「バグ報告(障害報告)」に入れると良い基本項目:
- 再現手順(できるだけ具体的に)
- 期待される結果(テスト仕様書の該当箇所の引用)
- 実際の結果(エラーメッセージやスクリーンショット)
- 実行環境(OS、ブラウザ、バージョン、テストデータ)
- 発生頻度(常に起きるか、時々か)
- ログやスタックトレース(あれば)
これらが揃っていると開発者が原因を特定しやすく、修正も速く進みます。
用語メモ:
- テストケース:具体的な入力や操作手順と期待結果を定めたもの。
- 結合テスト(integration test):複数のモジュールやコンポーネントを組み合わせて動作を検証するテスト。
- バグ(bug:不具合):ソフトウェアの欠陥や誤動作。英語の "bug" から来ています。
FAQ
Q. テスト担当者が仕様ミスだと判断したらどうする?
A. 自分だけで変更せず、仕様書の管理者や関係者に確認して、合意の上で仕様を修正します。仕様変更になればテスト計画やテストケースも更新が必要です。
A. 自分だけで変更せず、仕様書の管理者や関係者に確認して、合意の上で仕様を修正します。仕様変更になればテスト計画やテストケースも更新が必要です。
Q. 開発者がすぐ直せない場合は?
A. バグ報告に優先度(重要度)や影響範囲を明記し、対処方針(回避策や期限)を関係者で決めます。必要ならテスト計画を調整します。
A. バグ報告に優先度(重要度)や影響範囲を明記し、対処方針(回避策や期限)を関係者で決めます。必要ならテスト計画を調整します。
Q. 修正後の確認は誰が行う?
A. テスト担当者が修正部分の再テスト(確認)を行います。これを「確認テスト」または「回帰テスト」と呼ぶことがあります。
A. テスト担当者が修正部分の再テスト(確認)を行います。これを「確認テスト」または「回帰テスト」と呼ぶことがあります。
関連キーワード: 結合テスト、テスト仕様書、テストケース、バグ報告、品質管理、再現手順、回帰テスト

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