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ITパスポート 2011年 春期 45


問題文

プロジェクトマネジメントにおいてWBSを作成する目的として、最も適切なものはどれか。

選択肢

進捗管理の作業効率を向上する。
成果物とそれを作成するための作業を明確にする。(正解)
品質検証のための基準を明確にする。
プロジェクトの目的を周知する。

🔒 解説は解答すると表示されます

WBSを作成する目的として、最も適切なものはどれか。【ITパスポート 解説】

正解の理由

WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)は、プロジェクトで必要な「成果物(deliverable:作業の結果として得られる物やサービス)」を明確にし、さらにそれらの成果物を作るために必要な作業を階層的に分解して示すための図表です。したがって、選択肢の中では「成果物とそれを作成するための作業を明確にする。」が最も目的に合致します。
ポイントをかみ砕くと:
  • WBSは「何を作るか(成果物)」を基準に分解します。
  • その結果、どの作業が必要か、どの作業がどの成果物に紐づくかが明確になります。
    これがWBSの本質であり、プロジェクト管理の出発点になります。

解法ステップ

  1. 問題文で問われている対象(WBS)を確認する。
  2. WBSの定義を思い出す:Work Breakdown Structure=作業を成果物ベースで分解する図である。
  3. 選択肢を一つずつWBSの定義と照らし合わせる。
  4. 「成果物と作業の明確化」がそのままWBSの説明になっている選択肢を選ぶ。
    (以上によりが正しいと判断できます。)

選択肢別の誤答解説

  • ア: 進捗管理の作業効率を向上する。
    • 解説:WBS自体は進捗管理に役立つ情報(何をいつチェックするかの基準)を与えますが、進捗管理の「方法」や「効率化(ツールや手順)」を直接行うものではありません。進捗管理はガントチャート(予定と実績を示す図)やプロジェクト管理ツールで行います。よって主要目的ではありません。
  • イ: 成果物とそれを作成するための作業を明確にする。
    • 解説:これがWBSの定義です。成果物を基準に階層的に作業を分解し、どの作業がどの成果物に対応するかを示します。したがって正解です。
  • ウ: 品質検証のための基準を明確にする。
    • 解説:品質検証の基準(受入基準や検査項目)は品質計画やテスト計画で定義します。WBSは「何を作るか」「どの作業をするか」を整理するものであり、品質基準そのものを定義する文書ではありません。
  • エ: プロジェクトの目的を周知する。
    • 解説:プロジェクトの目的やビジョンを周知するのはプロジェクト憲章や計画書、キックオフで行うコミュニケーション計画の役割です。WBSは目的達成のために必要な作業を分解する技法であり、目的説明が主目的ではありません。

よくある誤解

  1. 「WBS = ガントチャート」
    • ガントチャート(工程表)は時間軸で作業の予定や進捗を示す図です。WBSは作業を成果物ベースで分解するもので、目的が異なります。順序としては、まずWBSで作業を洗い出し、それをスケジュール化してガントチャートを作ります。
  2. 「WBSはとにかく細かく分解すればよい」
    • 細かく分け過ぎると管理が煩雑になります。理想は「担当者が責任を持てる単位」「見積りや管理がしやすい単位(例:数日〜数週間程度の作業)」まで分解することです。
  3. 「WBSだけで進捗やコストが管理できる」
    • WBSは対象(作業)を整理しますが、進捗やコスト管理にはスケジュールや予算、リソース情報(誰がいつするか)を付加する必要があります。

補足コラム

  • WBSの構成要素
    • レベル(階層):上位は大きな成果物、下位は具体的な作業(作業パッケージ)。
    • 作業パッケージ:見積り・担当割り当て・管理が可能な最小単位。
    • WBS辞書(WBS Dictionary):各作業パッケージの詳細(説明、成果物、責任者、期間、コスト見積りなど)を文書化したものです。
  • 実務での流れ(簡単)
    1. プロジェクト目標の確認
    2. 成果物の洗い出し(何を作るか)
    3. 成果物ごとに作業を分解(WBS作成)
    4. 作業パッケージを基に工数見積り・スケジュール作成・担当割当て
  • 例(ウェブサイト作成プロジェクト)
    • 成果物:公開サイト
      • デザイン(作業:要件定義、ワイヤーフレーム作成)
      • 実装(作業:フロント実装、バックエンド実装)
      • テスト(作業:機能テスト、受入テスト)
        こうした構造がWBSです。

FAQ

Q1: WBSは誰が作るべきですか?
A1: プロジェクトマネージャーが主導しますが、実際の作業を知る担当者(技術者、設計者、業務担当)と協力して作るのが良いです。現場の意見で作業の抜けや重複を防げます。
Q2: WBSの粒度(どこまで細かく分けるか)はどう決める?
A2: 管理可能で見積りが信頼できる単位にします。一般的には1つの作業パッケージが数日〜数週間の作業量で、責任者が明確にできるレベルが目安です。
Q3: WBS作成に便利なツールは?
A3: 表計算ソフト(Excel)、専用のプロジェクト管理ツール(Microsoft Project、JIRAなど)、または図を描くソフトが使われます。重要なのは情報が共有でき、更新しやすいことです。

関連キーワード: WBS、作業分解、成果物、作業パッケージ、ガントチャート、プロジェクト管理、WBS辞書、進捗管理、工数見積り
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