ITパスポート 2011年 春期 問67
問題文
CPUに関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:CPU内部に組み込まれているキャッシュメモリは、主記憶装置の容量を仮想的に拡張するために用いられる。
イ:CPUの演算機能は制御機能の一部である。
ウ:CPUは、一度に処理するデータ量によって“16ビットCPU“、 “32ビットCPU“、 “64ビットCPU“などに分類されるが、ビット数の大小と処理能力は関係がない。
エ:同じ構造をもつCPUであれば、クロック周波数が高いものほど処理速度が速い。(正解)
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CPUに関する記述のうち、適切なものはどれか。 +【ITパスポート 解説】
正解の理由
CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)は命令を実行する装置で、同じ構造(アーキテクチャ)をもつCPU間では、クロック周波数(clock frequency:1秒間に発生するクロックの回数。単位はHz)が高いほど単位時間あたりに進められるクロック数が多くなります。命令の実行件数がクロック数に比例する(同じ設計で命令あたりのクロック数=IPCが同等)と仮定すると、クロック周波数が高い方が処理速度は速くなります。したがって、選択肢のうち適切なのは エ です。
(補足:実際の性能はコア数・命令並列度・命令あたりのクロック数(IPC)・キャッシュ構成などでも変わりますが、問題文の条件「同じ構造をもつCPUであれば」を満たす場合、クロック周波数が高いほど処理速度は速くなる、という記述は正しいです。)
解法ステップ
- 各選択肢のキーワード(キャッシュ、制御機能、ビット数、クロック周波数)を把握する。
- それぞれの用語の意味を思い出す(初出でない場合でも要点を確認する)。
- キャッシュメモリ:CPUに近い高速で小容量の記憶領域(cache memory)。
- 制御機能:命令の取り出し・解釈・実行順制御を行う部分(Control Unit)。
- 演算機能(ALU):加算や論理演算などを行う部分(Arithmetic Logic Unit)。
- クロック周波数:CPUの動作速度の目安(Hz)。
- 「同じ構造であれば」との条件を使って比較判断する。
- 最も妥当な記述を選ぶ(今回ではクロック周波数が高いほど同一構造なら速い、つまり エ)。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「CPU内部に組み込まれているキャッシュメモリは、主記憶装置の容量を仮想的に拡張するために用いられる。」
- 誤り。キャッシュメモリ(cache memory)は主記憶装置(メインメモリ、RAM)よりも高速で、頻繁に使うデータのコピーを置いてアクセス時間を短縮するためのものです。主記憶の容量を拡張するのは仮想記憶(virtual memory:ディスクを使って見かけ上のメモリを増やす仕組み)で、役割が異なります。
- イ: 「CPUの演算機能は制御機能の一部である。」
- 誤り。CPUは大きく分けて「演算機能(ALU:算術論理演算を行う部分)」と「制御機能(Control Unit:命令の取り出し・解釈・順序制御を行う部分)」に分かれます。演算機能は制御機能の一部ではなく、別々の主要な機能です。
- ウ: 「CPUは...ビット数の大小と処理能力は関係がない。」
- 誤り。ビット数(例:16ビット、32ビット、64ビット)は一度に扱えるデータ幅やアドレス空間の大きさに関係します。ビット数が大きいと一度に扱える整数の範囲やメモリの最大アドレスが増えるため、用途や性能に影響を与えます(ただし「ビット数が大きければ常に速い」という単純な関係ではありません)。したがって「関係がない」は誤りです。
- エ: 「同じ構造をもつCPUであれば、クロック周波数が高いものほど処理速度が速い。」
- 正しい。前述の通り、同一アーキテクチャであればクロック周波数が高いほど理論上の命令実行速度は向上します。
よくある誤解
- 「GHz(クロック周波数)が高ければ必ず速い」
- 部分的に正しいが単純化しすぎです。実際の速度はIPC(Instruction Per Cycle:1クロックあたりに実行できる命令数)、コア数、キャッシュ設計、命令セットや最適化など複数の要因で決まります。比較は「同じ設計かどうか」が重要です。
- 「キャッシュはメモリ容量を増やすもの」
- 間違い。キャッシュは速度改善が目的で、容量を増やすのは仮想記憶や物理メモリ追加です。キャッシュは高速にアクセスするための小さな領域です。
- 「ビット数が大きい=常に速い」
- ビット数はデータ幅やアドレス空間に関係しますが、処理速度はクロック・並列度・実装次第です。用途によってはビット数のメリットが出ない場合もあります。
補足コラム
- 性能の簡単な式:命令実行率(IPS: Instructions Per Second)はおおよそ (IPC = 1クロックあたりの命令数、 = クロック周波数)で表せます。たとえばIPCが同じでGHzとGHzなら、3GHzの方が理論上1.5倍のIPSです。
- しかし現実は複雑です。パイプライン処理、アウトオブオーダ実行、キャッシュヒット率、マルチコアの有効活用、発熱によるクロック制限(サーマルスロットリング)などが性能に影響します。ベンチマークや実際のアプリケーションでの性能比較が重要です。
- 「同じ構造をもつCPU」という条件がポイントです。設計(マイクロアーキテクチャ)が違えばGHzだけでは比較できません。
FAQ
Q1. クロック周波数が2倍なら実際の処理も2倍速くなる?
A1. 理論上はクロック数に比例しますが、実際にはIPCやメモリアクセス、I/Oがボトルネックになると2倍にはなりません。
A1. 理論上はクロック数に比例しますが、実際にはIPCやメモリアクセス、I/Oがボトルネックになると2倍にはなりません。
Q2. 64ビットCPUにすると常にアプリが速くなる?
A2. 64ビットは大きなメモリ空間や大きな数値を扱いやすくしますが、単純に速くなるとは限りません。アプリが64ビットの利点を活かす場合に効果が出ます。
A2. 64ビットは大きなメモリ空間や大きな数値を扱いやすくしますが、単純に速くなるとは限りません。アプリが64ビットの利点を活かす場合に効果が出ます。
Q3. CPUの世代が違うとどう比較する?
A3. 世代や設計が違えばIPCが異なるため、GHzだけで比較できません。実アプリでのベンチマークや総合的なスペックを見るべきです。
A3. 世代や設計が違えばIPCが異なるため、GHzだけで比較できません。実アプリでのベンチマークや総合的なスペックを見るべきです。
関連キーワード: CPU、クロック周波数、キャッシュメモリ、主記憶装置、ALU、制御ユニット、ビット数、IPC、仮想記憶、パフォーマンス、アーキテクチャ、マルチコア

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