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ITパスポート 2012年 春期 10


問題文

情報戦略に基づいて、開発の対象業務、費用、スケジュール、体制、投資効果などを明確化する業務はどれか。

選択肢

運用業務
開発業務
企画業務(正解)
保守業務

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情報戦略に基づいて、開発の対象業務、費用、スケジュール、体制、投資効果などを明確化する業務はどれか。【ITパスポート 解説】

正解の理由

情報戦略(組織がITを使って達成したい方針や目標)に基づいて、何を作るか(対象業務)、どれくらい費用がかかるか、いつまでに作るか(スケジュール)、誰が関わるか(体制)、そして投資に対する効果(投資効果)を整理する仕事は、まさに「企画業務」です。したがって選択肢のうち(企画業務)が正しいです。
ここで使う主要な語の簡単な説明:
  • 企画業務:導入するシステムやサービスの目的・範囲・費用・効果を決め、計画書を作る仕事。英語でいうと planning や project planning に相当します。
  • 投資効果:投資した費用に対して得られる利益や効果。ROI(Return on Investment:投資利益率)などで評価します。
企画業務は「何を」「なぜ」「どのように」「どれくらいのコストで」「いつまでに」という意思決定を行う段階です。開発や運用、保守は企画で決めた内容を実行・維持するフェーズであり、企画とは役割が異なります。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを拾う:「情報戦略に基づいて」「対象業務、費用、スケジュール、体制、投資効果を明確化」。
  2. 各選択肢の役割を短く当てはめる:
    • 運用業務:作った後に日々動かす仕事(運用監視・稼働管理など)。
    • 開発業務:設計してプログラムを作る仕事。
    • 企画業務:何を作るか、目的・費用・効果を決める仕事。
    • 保守業務:障害対応や改善、長期的な維持管理。
  3. 問題の要求(計画・効果の明確化)と一致するものを選ぶ→企画業務。
  4. 迷ったら「計画・意思決定に関する語(費用、投資効果、スケジュール)」が含まれるかチェックする。含まれれば企画が正答。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 運用業務
    運用業務は、システムやサービスを日々稼働させる作業です。監視、バックアップ、ユーザー対応などが中心で、「何を作るか」や「投資効果を評価する」ことは主目的ではありません。よって不正解です。
  • イ: 開発業務
    開発業務は設計・プログラミング・テストなど、実際にシステムを作る工程です。企画で決めた要件を元に実装しますが、費用や投資効果の最終決定を行うのは通常企画側です。したがってここでは不正解です。
  • ウ: 企画業務
    企画業務は、情報戦略に沿って対象業務の選定、概算費用、スケジュール、体制、投資効果(例えば ROI)を明確にする仕事です。問題の条件と一致します。以上よりが正解です。
  • エ: 保守業務
    保守業務は、運用中の不具合修正や機能改善、法改正対応などを行う業務です。長期にわたる維持管理が中心で、初期段階の投資効果やスケジュール策定を直接担うものではありません。よって不正解です。
(例え)スマホアプリを例にすると:
  • 企画:どんな機能にするか、開発費はいくら見込むか、リリース時期、効果測定方法を決める。
  • 開発:決まった仕様をもとにアプリを作る。
  • 運用:サーバを動かし、ログ監視や問い合わせ対応を行う。
  • 保守:バグ修正やOS対応、機能追加を続ける。

よくある誤解

  1. 「システムの計画=開発業務」と考える誤り
    開発は「作る」作業で、計画や投資判断は企画の仕事です。計画(企画)が無ければ、開発は何を作れば良いか分かりません。
  2. 「保守が投資効果を評価する」と混同すること
    保守は運用後の改善が中心で、導入前に費用対効果を見積もるのは企画側です。保守は企画で想定した効果の実現を支える役割です。
  3. 「運用=企画」と思う誤解
    運用は実行・監視の仕事で、戦略的な意思決定(例:どの業務をシステム化するか)は企画の仕事です。

補足コラム

企画業務で作る主な成果物(アウトプット)は次のようなものです。
  • 企画書・事業計画書:目的、対象範囲、期待効果をまとめた文書。
  • 概算見積もり:費用の見込み。開発費・運用費・保守費用を含む。
  • スケジュール(マイルストーン):主要な期日やリリース日。
  • 体制図:プロジェクトで誰がどの役割を担うかを示す図。
  • 投資効果分析:ROI(Return on Investment:投資利益率)や費用対効果の試算。
  • PoC(Proof of Concept:概念実証)の計画:導入前に小規模で効果を試す計画。
企画は経営判断や部署間調整も伴います。単に技術的に可能かではなく、事業的に採算が取れるか、組織で運用可能かも検討します。

FAQ

Q1: 企画業務と要件定義(ようけんていぎ)の違いは?
A1: 企画は「何を実現したいか」「期待する効果は何か」を決める段階です。要件定義は企画の決定を受けて「システムがどう振る舞うか」「具体的な機能は何か」を詳細に定める工程です。
Q2: 投資効果はどうやって評価するのですか?
A2: 単純には、期待される利益やコスト削減額を算出し、かかった費用と比較します。代表的指標は ROI(Return on Investment:投資利益率)です。場合によっては回収期間(何年で元が取れるか)も計算します。
Q3: 小さな改善でも企画は必要ですか?
A3: 小規模な改善では簡易な企画(概算、簡単な効果見積り)で十分な場合があります。重要なのは費用と期待効果のバランスを確認することです。
Q4: 企画は誰が行うことが多いですか?
A4: 事業部門の担当者やプロジェクトマネージャー、場合によっては外部のコンサルタントが関わります。IT部門だけでなく事業側の合意が重要です。

関連キーワード: 情報戦略、企画業務、システム企画、費用対効果、ROI、投資効果評価、スケジュール管理、体制構築、要件定義、プロジェクト計画、PoC、KPI、運用監視、保守運用
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