ITパスポート 2012年 春期 問15
問題文
A工場では、製品Xを生産している。今週金曜日に受注した大口注文に対応するために、翌週できるだけ多く生産することにした。次の条件で生産するとき、翌週金曜日の終業時に出荷可能となる製品Xは何台か。ここで、各日の部品在庫数、製品Xの製造台数及び出荷可能台数は表のとおりである。
〔条件〕
・製品Xの生産台数は、1日に最大12台である。
・今週金曜日に製品Xの60台分の部品を発注し、発注した部品は、翌週金曜日の始業時に納品される。
・他の注文に対する出荷は無いものとする。
・製造上の不良品は発生しない。

選択肢
ア:57
イ:60
ウ:72(正解)
エ:75
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翌週金曜日の出荷可能台数は何台か【ITパスポート 解説】
正解の理由
表の数値から、部品在庫は「製品Xを何台作れる分の部品があるか」で表しており(表の注記:製造台数に換算)、1台の製造に部品1単位を使うと考えます。表の「当日の製造台数」をその日だけ完成品が増える数と見なすと、終業時の出荷可能台数は「初日の完成品在庫(暗黙の値)+その日までの累計生産台数」です。
与えられた金(今週)と月(今週)のデータから、金曜に10台、月曜に12台生産しています。金曜の始業時点の部品55から10を使うと月曜の始業時部品は45に一致します。そこから翌週の火〜金で部品と日当たりの上限(1日最大12台)を考慮して最大生産を行うと、翌週金曜終業時までの総出荷可能台数は72台になります。したがって正解は ウ の選択肢に該当します。
解法ステップ
-
前提を確認する
- 「始業時の部品在庫数」は「製品Xの製造台数に換算」=1台あたり部品1単位とする。
- 1日の生産上限は12台。
- 今週金曜に発注した部品60は「翌週金曜の始業時」に届くため、それ以前の日には使えない。
- 出荷は翌週金曜の終業時にまとめて行う(他の出荷は無い)。
-
与えられたデータから初期完成品在庫を推定する
- 今週金曜:始業時部品 55、当日の生産 10、終業時の出荷可能台数 15。
→ 終業時の出荷可能台数 15 = (金曜始業時の完成品在庫) + 10
→ よって金曜始業時の完成品在庫 = 15 - 10 = 5(台)
- 今週金曜:始業時部品 55、当日の生産 10、終業時の出荷可能台数 15。
-
部品残高を日ごとに計算して、各日の生産可能台数を求める
- 金曜終業時の部品 = 55 - 10 = 45 → これは月曜始業時の部品(表と一致)
- 月曜:始業時部品 45、生産 12 → 月曜終業時部品 = 45 - 12 = 33
- 火曜始業時部品 = 33 → 火曜生産は min(12,33)=12、終業部品 = 21
- 水曜始業時部品 = 21 → 水曜生産は min(12,21)=12、終業部品 = 9
- 木曜始業時部品 = 9 → 木曜生産は min(12,9)=9、終業部品 = 0
- 金曜(翌週)始業時部品 = 0 + 発注分60 = 60 → 金曜生産は min(12,60)=12、終業部品 = 48
-
累計生産と最終の出荷可能台数を出す
- 生産台数の合計 = 今週金曜(10) + 今週月曜(12) + 翌週火(12) + 水(12) + 木(9) + 金(12) = 67
- 初日の完成品在庫 5 を足すと、翌週金曜終業時の出荷可能台数 = 5 + 67 = 72 台
選択肢別の誤答解説
-
ア: 57
- これは部品の初期55に、発注分60を使って何か誤った合算をした値ではありません。例えば「初期部品55+発注60=115を何らかで半分にした」等の誤りに由来する可能性がありますが、本問の趣旨(生産日ごとの部品消費と日上限)を無視しています。
-
イ: 60
- 60は発注した部品数そのものです。発注部品は「翌週金曜の始業時」に届くため、これだけで終業時の出荷可能台数になるわけではありません。既存の完成品在庫やそれまでの生産も加味する必要があります。
-
ウ: 72
- 正しい。上の「解法ステップ」で示した通り、部品消費と日ごとの生産上限を考慮した累計生産+初期完成品在庫で求まります。
-
エ: 75
- 75は72に近い値ですが、日ごとの部品切れ(木曜に部品が枯渇して生産が9台に制限される)を考慮していない可能性があります。1日あたりの上限だけでなく、部品在庫で生産が抑えられる日がある点を見落とすと、過剰な合計になりがちです。
よくある誤解
-
発注した部品60は「即座に使える」と考える誤り
- 問題文に「翌週金曜日の始業時に納品される」と明記されています。到着前は使えません。
-
終業時の出荷可能台数を「その日の生産台数」だけと考える誤り
- 実際は過去の累積生産(既に完成していた在庫)+当日の生産が合わさった数です。問題では金曜の始業時完成品在庫が暗黙的に5台あり、それを足す必要があります。
補足コラム
-
「始業時の部品在庫数(製造台数に換算)」の意味
- この表現は「今ある部品で何台作れるか」を示しています。つまり部品1単位=製品1台分と読み替えれば、部品在庫の増減がそのまま1台当たりの生産量に直結します。実務では部品が複数個必要な製品もありますが、本問は換算済みなので計算が簡潔です。
-
日次の生産計画の考え方(実務的視点)
- 生産は「部品の供給(在庫と入荷予定)」と「一日あたりの生産能力(上限)」の両方で制約されます。受注に応えるためには、どの日にどれだけ生産できるかを部品在庫を追いながら確認することが重要です。
FAQ
Q. 「始業時の部品在庫」と「終業時の出荷可能台数」は別物ですか?
A. はい。始業時の部品在庫は未組立の部品の量(製品換算)です。終業時の出荷可能台数は完成品の在庫数(出荷できる完成品)です。生産を行うと部品在庫は減り、完成品在庫は増えます。
A. はい。始業時の部品在庫は未組立の部品の量(製品換算)です。終業時の出荷可能台数は完成品の在庫数(出荷できる完成品)です。生産を行うと部品在庫は減り、完成品在庫は増えます。
Q. 発注した部品が到着する日の生産にも使えますか?
A. 本問では「翌週金曜日の始業時に納品される」とあるため、その日の始業時点で在庫に加わり、当日の生産に使用できます(当日の生産は到着後に行える想定)。
A. 本問では「翌週金曜日の始業時に納品される」とあるため、その日の始業時点で在庫に加わり、当日の生産に使用できます(当日の生産は到着後に行える想定)。
Q. 不良や他出荷がないとあるが、これがあるとどう変わる?
A. 不良が発生すると完成品在庫が減る(生産しても出荷可能にならない分が出る)ため、最終出荷可能台数は減ります。他出荷があると同様に出荷用の完成品が減るので、計画はより複雑になります。
A. 不良が発生すると完成品在庫が減る(生産しても出荷可能にならない分が出る)ため、最終出荷可能台数は減ります。他出荷があると同様に出荷用の完成品が減るので、計画はより複雑になります。
関連キーワード: 在庫管理、部品在庫、日別生産計画、生産能力、受注対応、リードタイム

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