ITパスポート 2012年 春期 問43
問題文
ソフトウェア開発におけるシステム要件定義において、業務上の要件が満たされていることを確認するのに適切な者は誰か。
選択肢
ア:運用部門のオペレータ
イ:開発部門のプログラマ
ウ:監査部門のシステム監査人
エ:利用部門の部門長(正解)
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システム要件定義で「業務上の要件」を確認する適切な者【ITパスポート 解説】
正解の理由
システムの「業務上の要件」とは、実際に業務を行う現場が必要とする機能や条件のことです。これを最もよく理解し、最終的な責任を負うのは利用部門(システムを使う部署)の管理者です。したがって、確認すべき適切な者は エ(利用部門の部門長)です。
理由を簡単にまとめると:
- 利用部門の部門長は業務の目的や結果に責任を持っています。実際の業務が期待通りに行えるかどうかを判断し、承認する立場です。
- 要件定義は「何を実現するか(業務の目的)」を定める作業です。技術的に作れるか(作り方)とは別問題なので、業務側の判断が最終的に重要です。
(用語補足)
- 要件定義:システムで「何を実現するか」を決める工程。英語ではRequirements Definition。
- 利用部門:システムを日常的に使う部署やチーム。業務の専門家がいる場所。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:「業務上の要件」「確認するのに適切な者」。
- 「業務上の要件」は誰が最もよく知るかを考える。→ 業務を実際に行う利用部門。
- 選択肢の役割を短く当てはめる:
- 運用オペレータ:運用・操作の担当(業務の要件判断が主目的ではない)。
- プログラマ:開発者(作る技術は分かるが業務責任はない)。
- システム監査人:監査・チェックの専門(適合性や手続の正しさを評価、業務要件の決定者ではない)。
- 利用部門の部門長:業務の最終責任者で要件の妥当性を判断・承認できる。
- もっとも業務的責任がある人物を選ぶ。→ エ を選択。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 運用部門のオペレータ
オペレータは日々の操作やシステムの監視を行います。運用上の手順や運用負荷について意見は出せますが、業務全体の要件(業務目標や業務プロセスの妥当性)を決める立場ではありません。 -
イ: 開発部門のプログラマ
プログラマは「どう作るか(実装)」の専門家です。業務の目的や運用責任を持たないため、業務要件が満たされているかどうかを最終判断するのに適した人物ではありません。ただし、仕様の実現可能性を検討する役割はあります。 -
ウ: 監査部門のシステム監査人
監査人は手続きや規程、適法性のチェックを行います。業務要件に沿っているかを独立の立場で検証はできますが、「業務に必要か」を決定・承認する立場ではありません。したがって確認者としての最適解ではありません。 -
エ: 利用部門の部門長(正解)
利用部門の業務目標や運用責任を持つため、業務上の要件が満たされているかを判断・承認するのに最も適切です。ユーザー受入れ(UAT: User Acceptance Testing)や最終検収における承認者になることが多いです。
よくある誤解
-
「監査人がチェックすればよい」
誤解:監査人は独立性がありチェック力は高いですが、業務の目的や優先度を決める権限はありません。監査は補助的な役割です。 -
「開発者が確認すればよい」
誤解:開発者は作成可否の判断はできますが、業務上の要件が本当に業務を満たすかどうかの最終判断は利用部門側で行う必要があります。 -
「利用部門の担当者より部門長は遠い存在なのでは?」
部門長は最終責任者として承認を行います。実務的な評価は担当者が行い、その結果を部門長が承認する流れが一般的です。問題では「確認するのに適切な者」として責任者を問われています。
補足コラム
-
ユーザー受入れ(UAT: User Acceptance Testing)について
UATは利用部門が主体となってシステムが業務要件を満たしているかを検証するテストです。実務者が実際の業務データや手順で操作して確認し、部門長などの責任者が最終的に承認(検収)します。試験問題では「業務上の要件を確認する適切な者=業務の承認者」を問うケースが多いので、UATや検収の流れを押さえておきましょう。 -
「要件定義」での責任分担のイメージ
- 利用部門:業務要件の提示・承認(何を達成したいか)
- 開発部門:技術的設計と実現方法(どう作るか)
- 運用部門:運用性や運用手順の評価(運用後の継続運用)
- 監査部門:手続きや規程の適合性のチェック(第三者的な評価)
FAQ
Q. 利用部門の「部門長」ではなく「担当者」が確認してはいけませんか?
A. 実務的な確認は担当者が行いますが、問題は「確認するのに適切な者=最終判断者」を問うています。最終承認権を持つのは通常部門長です。
A. 実務的な確認は担当者が行いますが、問題は「確認するのに適切な者=最終判断者」を問うています。最終承認権を持つのは通常部門長です。
Q. システム監査人が「業務上の要件」を否定した場合はどうなる?
A. 監査人は問題点を指摘しますが、業務要件を変更するかどうかの決定は利用部門が行います。監査は改善を促す役割です。
A. 監査人は問題点を指摘しますが、業務要件を変更するかどうかの決定は利用部門が行います。監査は改善を促す役割です。
Q. 開発側が要件を決めることは全くダメですか?
A. ダメではありませんが、業務の目的や責任は利用部門にあるため、利用部門と合意して進める必要があります。開発側は技術的制約を示し、共同で調整します。
A. ダメではありませんが、業務の目的や責任は利用部門にあるため、利用部門と合意して進める必要があります。開発側は技術的制約を示し、共同で調整します。
関連キーワード: 要件定義、業務要件、利用部門、ユーザー受入れ、UAT(User Acceptance Testing)、検収、運用オペレータ、プログラマ、システム監査人

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