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ITパスポート 2013年 秋期 19


問題文

システムのライフサイクルを企画プロセス、要件定義プロセス、開発プロセス、運用プロセス、保守プロセスに分けたとき、企画プロセスの完了時の状態として適切なものはどれか。

選択肢

経営目標を達成するために必要なシステム化の範囲、システム構成及び基本的なアーキテクチャが決定されている。(正解)
システムに対する要件及び制約事項が決定されている。
システム要件に照らして最適化されたソフトウェアの要件が決定されている。
対象システムを含む業務や運用のための組織に関する要件が決定されている。

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システムのライフサイクルにおける企画プロセス完了時の状態【ITパスポート 解説】

正解の理由

企画プロセスは「何を作るべきか」を決める段階です。ここでは、経営目標を達成するために必要なシステム化の範囲(どの業務をシステム化するか)、システム構成(どのような要素でシステムを構成するか)および基本的なアーキテクチャ(architecture:構造や設計方針)が決まります。選択肢の中でこれを示しているのが です。したがって企画プロセス完了時の状態として最も適切です。
(補足)「アーキテクチャ」はここでは高レベルの設計方針を指し、詳細なプログラム設計やソフトウェア要件ではありません。企画は方向性と範囲を定めることが目的です。

解法ステップ

  1. 各プロセスの主目的を確認する
    • 企画プロセス:何を実現するか(目的・範囲・基本方針)を決める。
    • 要件定義プロセス:利用者や業務の要求(要件)や制約を整理する。
    • 開発プロセス:設計・製造・テストなど具体的な作り込み。
    • 運用・保守プロセス:運用ルールや障害対応、改善・修正を行う。
  2. 選択肢の文章から「レベル」を読み取る
    • 高レベルな方針や構成なら企画。
    • 利用者要求や制約なら要件定義。
    • ソフトウェアの詳細条件なら開発。
  3. 各選択肢をプロセスに当てはめて、最も企画にふさわしいものを選ぶ
    • 上記手順で を選択。

選択肢別の誤答解説

  • :適切(企画プロセスの成果)
    • 経営目標に合せたシステム化の範囲や、システムの大まかな構成・アーキテクチャは企画で決めます。ここで作るのは「何をどのように大まかに作るか」の設計図の上位版です。
  • イ:誤り(要件定義の成果)
    • 「システムに対する要件及び制約事項が決定されている」は利用者や業務の具体的要求と制約(例えば応答時間や予算、法規制など)を確定する内容で、要件定義プロセスの仕事です。
  • ウ:誤り(開発プロセスや詳細設計の成果)
    • 「ソフトウェアの要件が決定されている」はソフトウェア側の詳細要件(機能や性能、インターフェース仕様など)で、企画よりもさらに具体的で開発段階の成果です。
  • エ:誤り(運用・組織設計や運用プロセスに関する成果)
    • 「業務や運用のための組織に関する要件」は、運用体制や組織変更の要件を示すもので、運用設計や保守運用の段階で詰める内容です。企画段階では大枠の運用方針は決めても、組織要件までは通常詳細化しません。

よくある誤解

  1. 企画で「すべての要件」を決めると思う
    • 誤解です。企画は範囲と基本方針(高レベル)を決める段階で、具体的な機能要件や性能要件は要件定義・詳細設計で決めます。
  2. アーキテクチャ=詳細設計と考える
    • アーキテクチャはシステム全体の構造や主要な技術選定などの高レベル方針です。詳細なクラス設計やコード設計はもっと下位の工程です。
  3. 組織や運用の細かい決めごとも企画で完了すると思う
    • 実務では運用・保守の要件や組織配置は運用プロセスで具体化します。企画は「運用の方針や必要性」を示すに留まることが多いです。

補足コラム

  • 例えると:家を建てるときに企画は「どんな家が必要か(間取りの大枠、予算、立地)」を決める段階です。要件定義は「各部屋に何を置きたいか(利用目的・必要な広さ)」を確定する段階。開発は実際の設計図や工事、運用は引き渡し後の掃除やメンテナンスに当たります。
  • 企画プロセスの典型的な成果物:システム化構想書(事業目的・効果)、概算費用、効果測定指標(KPI)、基本アーキテクチャ図、スコープ定義。

FAQ

Q1. 企画プロセスで決める「システム構成」ってどの程度の詳細ですか?
A1. 基本的には高レベル(例:業務系システム+データベース+外部連携の3層構成、クラウド利用の可否など)。サーバーの台数や具体的なミドルウェア名などの詳細は後工程で詰めます。
Q2. 要件定義と企画の違いを一言で言うと?
A2. 企画=「何を目指すか(目的と範囲)」、要件定義=「それを実現するために何が必要か(具体的な要求)」です。
Q3. 会社の意思決定が遅れて企画が曖昧なまま進んだらどうなる?
A3. 後工程で手戻り(作り直し)や追加コストが発生しやすくなります。企画段階で経営目標やスコープを明確にしておくことが重要です。

関連キーワード: システムライフサイクル、企画プロセス、要件定義、アーキテクチャ、システム化の範囲、運用設計、保守プロセス
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