ITパスポート 2013年 秋期 問33
問題文
利用者がITサービスプロバイダと契約する際、双方の間でサービスの品質と範囲を明文化する文書はどれか。
選択肢
ア:サービスカタログ
イ:サービス文書
ウ:サービスレベル合意書(正解)
エ:サービスレベル要件
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利用者がITサービスプロバイダと契約する際、双方の間でサービスの品質と範囲を明文化する文書はどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
正解は ウ です。ウ の「サービスレベル合意書」は、SLA(Service Level Agreement:サービスを提供する側と利用者が合意する文書)で、サービスの品質(例:稼働率や応答時間)、提供範囲、責任分担、報告方法、違反時の対応(ペナルティや補償)などを契約として明文化します。問題文で求められている「双方の間で」「品質と範囲」を明文化するという条件に最も合致するためです。
(補足)SLAは「合意(Agreement)」が名前に入っている通り、双方の合意内容を示す契約的な文書です。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを探す:今回は「双方の間」「サービスの品質と範囲」「明文化」。
- 各選択肢の意味を短く確認する:
- サービスカタログ:提供しているサービスの一覧や説明。
- サービス文書:操作説明や内部ドキュメントなど広い意味の文書。
- サービスレベル合意書(SLA):品質や範囲を契約として合意する文書。
- サービスレベル要件:必要とされる要件(要求)であり、合意文書ではない。
- 「合意」や「契約」を明示する選択肢を選ぶ。該当するのが ウ(SLA)なので解答。
選択肢別の誤答解説
-
ア: サービスカタログ
サービスカタログは「どんなサービスを提供しているか」を一覧にしたものです(例:メールサービス、バックアップ、ヘルプデスク)。内容は説明中心で、品質やSLAの条項を必ず含むわけではなく、契約書としての役割は基本的にありません。 -
イ: サービス文書
「サービス文書」は広い意味の文書で、操作マニュアルや設計書、案内資料などを含みます。契約上の合意内容を定めるための特別な形式を持つとは限らず、問題文の「双方の合意を明文化する」こととは一致しません。 -
ウ: サービスレベル合意書(SLA)
前述の通り、SLAは品質指標(可用性、応答時間など)や提供範囲、責任分担、監視・報告方法、違反時の対応を双方で合意する文書です。契約の一部として扱われます。 -
エ: サービスレベル要件
サービスレベル要件は利用側や設計側が「こういう品質が必要だ」という要求をまとめたものです。要件(Requirements)であり、まだ合意には至っていない点が多いため、双方の合意を書面化した文書とは異なります。
よくある誤解
-
「SLA は技術的な指標だけを示すものだ」
→ 誤りです。SLA は技術指標(可用性、応答時間)だけでなく、責任範囲、サポート時間、報告頻度、違反時の手続きなど契約的な要素も含みます。 -
「サービスカタログに書いてあればSLAも兼ねる」
→ 必ずしもそうではありません。カタログはサービス内容の説明であって、法的・契約的な合意事項は別途SLAとして定めることが一般的です。 -
「要件=合意」だと思い込む
→ 要件(要求)は『こうしてほしい』という出発点です。合意(SLA)はその要求のうち双方が承認した部分を明文化したものです。
補足コラム
SLAに含まれる代表的な項目(例)
- 可用性(Availability):稼働率の目標。例:月間可用性 99.9%
- 参考計算:月間(30日)で 99.9% の可用性は許容停止時間が約 分になります。
- 応答時間(Response Time):問い合わせや障害報告に対する初期応答までの時間。
- 復旧時間(MTTR: Mean Time To Repair 平均修復時間):故障から復旧までの平均時間。
- サポート時間:平日9:00–17:00 などサポート対応時間の定義。
- エスカレーション手順:問題発生時の連絡ルートや責任者。
- 違反時の対応:罰則金、サービスクレジット(料金の減免)、契約解除条件など。
簡単な例(非正式な言い方):
- 「プロバイダは月間可用性99.9%を維持する。これを下回った場合、ユーザは翌月の利用料金の一部を返還される。」
FAQ
Q1: サービスレベル要件(エ)は使わないのですか?
A1: 要件は重要です。利用者が望む品質を示す出発点になります。しかし要件は要求であり、両者が合意して文書化したものがSLAです。したがって契約上の証拠としてはSLAが使われます。
A1: 要件は重要です。利用者が望む品質を示す出発点になります。しかし要件は要求であり、両者が合意して文書化したものがSLAです。したがって契約上の証拠としてはSLAが使われます。
Q2: SLAは口約束でも効力がある?
A2: 実務的には書面化されたSLA(文書)が証拠として重要です。口約束だけでは条項の有無や内容の証明が難しく、トラブル時に不利になります。
A2: 実務的には書面化されたSLA(文書)が証拠として重要です。口約束だけでは条項の有無や内容の証明が難しく、トラブル時に不利になります。
Q3: SLO(Service Level Objective:サービスレベル目標)とは何が違う?
A3: SLOは「達成を目指す具体的な目標値(例:応答時間30分以内)」で、SLAの中で使われることが多いです。SLAはそのSLOを含む合意全体を指します。
A3: SLOは「達成を目指す具体的な目標値(例:応答時間30分以内)」で、SLAの中で使われることが多いです。SLAはそのSLOを含む合意全体を指します。
Q4: SLAは絶対に守られるもの?違反したらどうなる?
A4: SLAは合意ですので、違反があれば合意された対応(補償やペナルティ)が適用されます。ただし実際の対応はSLAの条項によります。監視方法や証拠の取り方も重要です。
A4: SLAは合意ですので、違反があれば合意された対応(補償やペナルティ)が適用されます。ただし実際の対応はSLAの条項によります。監視方法や証拠の取り方も重要です。
関連キーワード: SLA、サービスレベル合意書、サービスレベル要件、サービスカタログ、可用性、SLO、MTTR、契約、サービス品質

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