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ITパスポート 2013年 秋期 45


問題文

次のような活動を行うプロジェクトマネジメントの知識エリアとして、適切なものはどれか。
システム開発において、結合テスト開始前に、顧客から機能の追加要求があり、スコープの変更を行うことにした。本番稼働日は変更できないとのことなので、応援チームの編成とスケジュールの調整を行い、変更した計画について変更管理委員会の承認を得た。

選択肢

プロジェクト・コスト・マネジメント
プロジェクト調達マネジメント
プロジェクト統合マネジメント(正解)
プロジェクト品質マネジメント

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プロジェクトのスコープ変更とスケジュール調整の活動【ITパスポート 解説】

正解の理由

設問では「顧客から機能の追加要求(スコープ変更)」「応援チームの編成とスケジュールの調整」「変更した計画について変更管理委員会の承認を得た」とあります。これらはプロジェクト全体の計画や変更を調整・統合して管理する活動です。プロジェクト全体の計画更新や変更の承認を扱う領域は、Project Integration Management(プロジェクト統合マネジメント:以後「統合マネジメント」と表記)に該当します。したがって、正しい選択肢は です。
(ポイント)特に「変更管理委員会による承認」は、複数の要素(スコープ・スケジュール・人的資源・成果物など)を横断して調整する“統合的”な管理プロセスであることを示しています。

解法ステップ

  1. 設問文から行われている具体的な活動を抜き出す。例:スコープ変更、応援チーム編成、スケジュール調整、変更承認。
  2. 各選択肢(コスト、調達、統合、品質)が「どのような管理をする領域か」を簡単に思い出す。
    • 統合:計画全体の作成・変更・調整・承認を行う
    • コスト:予算作成とコスト管理
    • 調達:外部からの購入・契約管理
    • 品質:成果物が要求を満たすかの管理・検証
  3. 抜き出した活動が「計画の調整と変更の承認」に該当するかを確認。該当するなら統合を選ぶ。
  4. 結果:計画の統合的な変更と承認を扱っているので

選択肢別の誤答解説

  • ア: プロジェクト・コスト・マネジメント(Project Cost Management:コスト管理)
    • 役割:予算の作成、コストの見積りや支出管理を行う領域です。今回の設問はスコープとスケジュールの変更と承認が中心で、直接「予算」の作成やコスト差異の管理をしているわけではありません。よって主要な領域はコスト管理ではありません。
  • イ: プロジェクト調達マネジメント(Project Procurement Management:調達管理)
    • 役割:外部ベンダーとの契約、購入、外注管理を扱います。設問の「応援チームの編成」は社内の人員調整を示唆しており、外部から物やサービスを調達する活動(契約・発注)には見えません。さらに変更承認のプロセスは調達そのものの管理とは別です。
  • : プロジェクト統合マネジメント(Project Integration Management:統合管理)
    • 役割:プロジェクト計画全体の作成、変更点の統合的な管理(例:Perform Integrated Change Control:統合的な変更管理)、関係者調整、最終的な承認などを行います。設問の一連の活動はまさにこれに該当します。
  • エ: プロジェクト品質マネジメント(Project Quality Management:品質管理)
    • 役割:成果物が要求された品質基準を満たすかを確かめ、品質を維持・改善する活動です。結合テストの前という文脈はありますが、設問で問題になっているのは「機能追加に伴う計画変更と承認」であり、品質そのものの管理(品質基準の設定や検査)を行っているわけではありません。

よくある誤解

  1. 「結合テスト」の“結合(integration)”と「統合マネジメント(Integration Management)」を混同する
    • 誤解:結合テスト=統合マネジメントに関係すると思い込む。
    • 正しくは:結合テスト(integration testing)はソフトウェアのモジュールを組み合わせて検証するテスト工程のこと。統合マネジメントはプロジェクト全体の計画や変更を統合的に管理する領域です。言葉が似ていますが意味は別です。
  2. 「応援チームの編成」は必ず調達マネジメント(外部調達)だと誤解する
    • 誤解:チームを増やす=調達(procurement)だと思う。
    • 正しくは:社内の人的資源を配分する行為は人的資源管理や統合管理の範囲です。調達は外部ベンダーや外注など契約行為がある場合に該当します。
  3. 「スコープ変更=品質の問題」と結びつけてしまう
    • 誤解:機能追加は品質管理の問題だと捉える。
    • 正しくは:機能追加はスコープの変更であって、品質管理はその機能が要求品質を満たすかを扱います。スコープ変更の管理自体は統合マネジメントの責任範囲です。

補足コラム

プロジェクトマネジメントでよく出る用語(簡単に)
  • スコープ(scope):プロジェクトで「何をするか/何が成果物か」を示す範囲。英語はそのまま scope。
  • 変更管理委員会(Change Control Board、CCB):プロジェクトの重要な変更を審査・承認するチームや委員会。変更の影響(コスト・スケジュール・品質など)を総合的に判断します。
  • 統合的な変更管理(Perform Integrated Change Control):複数の影響領域をまとめて評価し、変更を承認または却下するプロセス。設問の「変更した計画について承認を得た」がこれに該当します。
PMBOK(プロジェクト管理の国際的なガイド)での位置づけを簡単に示すと、統合マネジメントには「プロジェクト憲章作成」「プロジェクトマネジメント計画作成」「プロジェクト作業の指揮・管理」「変更の統合管理」「フェーズの終結」などが含まれ、変更の評価と承認は重要なプロセスです。

FAQ

Q1: 応援チームを社外から雇う場合はどの領域になりますか?
A1: 社外ベンダーと契約して人員を確保するなら「調達マネジメント」の要素が入ります。ただし、どのようにチームを編成しスケジュールと計画を統合するかは統合マネジメントの責任範囲です。実務では両方が連携します。
Q2: スコープ変更があったら必ずコストも変わるのですか?
A2: 必ず変わるとは限りません。機能追加があっても既存の余剰リソースで対応できればコストは変わらないこともあります。重要なのは変更が他の要素(コスト・スケジュール・品質)にどう影響するかを評価することです。
Q3: 変更管理委員会がない小さなプロジェクトではどうしますか?
A3: 小規模プロジェクトでは、プロジェクトマネージャーやステークホルダーの合意プロセスを簡素にしたルール(例:特定金額以下はPM裁量で承認)を定めて対応します。ポイントは「誰が最終承認するか」を明確にすることです。

関連キーワード: プロジェクトマネジメント, 統合マネジメント, 変更管理, スコープ管理, 変更管理委員会, スケジュール調整, 調達管理, 品質管理
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