ITパスポート 2013年 春期 問20
問題文
労働者派遣に関連する記述のうち、派遣先の企業が行わなければならないことはどれか。
選択肢
ア:派遣労働者からの苦情に対する適切かつ迅速な処理(正解)
イ:派遣労働者に対する給与や勤務時間の明示
ウ:派遣労働者のキャリアに関する助言、指導
エ:派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置
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労働者派遣に関連する記述のうち、派遣先の企業が行わなければならないことはどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
この問題で正しいのは ア です。理由は次のとおりです。
- 派遣先(派遣を受け入れる企業)は、日々の業務の指示や職場環境の管理を行う立場です。したがって、職場で発生する苦情やトラブルについて、適切かつ迅速に対応する義務があります。ここでの「苦情処理」は、安全衛生やハラスメント、業務上の指示に関する不満など、職場環境に直接関係する対応を含みます。
- 一方、給与の支払い・労働条件の明示など、雇用関係に基づく義務は原則として派遣元(派遣労働者を雇用する派遣会社)が負います。雇用の安定を図る措置やキャリア支援も、基本的には派遣元の責任範囲です。
このため、派遣先が必ず行わなければならないのは職場での苦情対応であり、選択肢の中では ア が正解となります。
解法ステップ
- 「派遣先が行わなければならないこと」を問うている点を確認する。つまり「現場(受け入れ先)に求められる義務か」「雇用主(派遣元)に求められる義務か」を区別する必要があります。
- 各選択肢を「職場での管理・指導に関連する内容」と「雇用契約・給与・キャリア支援に関連する内容」に分類する。
- 職場での管理:苦情処理、安全衛生、業務指示など → 派遣先の仕事
- 雇用契約や給与、雇用安定、訓練・キャリア支援など → 派遣元の仕事が多い
- 分類結果から、派遣先が担当すべきものを選ぶ。上記の分類で正しい答えが導けます。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 派遣労働者からの苦情に対する適切かつ迅速な処理
→ 正しい。派遣先は職場環境の管理責任を持ち、苦情・トラブル対応を行う義務があります。日常の指揮命令や安全管理の現場責任は派遣先にあるためです。 -
イ: 派遣労働者に対する給与や勤務時間の明示
→ 誤り。給与支払い・雇用契約の締結・労働条件の明示は原則として派遣元(派遣会社)の責任です。派遣先は勤務時間の管理や出勤状況の確認を行うことはありますが、「給与を支払う」「雇用条件を明示する」義務は派遣元側にあります。 -
ウ: 派遣労働者のキャリアに関する助言、指導
→ 誤り。キャリア形成や雇用継続のための助言・訓練などは基本的に派遣元が行うべき業務です。派遣先は業務上の指示やOJT(職場での指導)を行いますが、「個人のキャリア支援を責任持って行う義務」は派遣元側に重い役割があると考えられます。 -
エ: 派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置
→ 誤り。雇用の安定(継続雇用や再雇用の手配等)を図る責任は基本的に派遣元が担います。派遣先が希望すれば直接雇用(受け入れ)する場合もありますが、「派遣先が必ず行わなければならない義務」ではありません。
よくある誤解
-
「派遣先=雇用主」と混同する
- 誤解:派遣先が給料を払う、雇用契約を結ぶと思いやすい。
- 正しくは:派遣労働者の雇用主は派遣元(派遣会社)で、給与や雇用契約に関する責任は派遣元が中心です。
-
「現場で教える=キャリア支援」と考える
- 誤解:業務の教え方がそのままキャリア支援だと考える。
- 正しくは:派遣先のOJT(業務指示や日常の指導)はあるが、個人の中長期のキャリア形成支援は派遣元の役割が大きいです。
-
「派遣先は何もしなくてよい」との誤解
- 誤解:派遣先は単に仕事を与えるだけで良いと思う。
- 正しくは:職場の安全確保や苦情対応、日常の指揮監督など、派遣先に求められる義務も多数あります。
補足コラム
覚え方のコツは「給与・雇用は派遣元、職場管理は派遣先」です。身近な例で言うと、派遣会社は「給料を振り込む会社」、派遣先は「毎日行って仕事をするオフィスや現場」です。苦情や安全に関する問題は、毎日働く場所を管理している派遣先が対応するのが自然です。
また、派遣労働者の権利保護は法律で強化されています。派遣先もハラスメント防止や安全衛生措置など、労働者全体に関する配慮義務があります。試験対策としては「どちらが雇用主か(給与・社会保険・雇用安定)」と「どちらが職場管理か(作業指示・安全・苦情)」をセットで覚えると良いです。
FAQ
Q1. 派遣先が対応すべき「苦情」とは何ですか?
A1. 職場での指示に関する不満、ハラスメント、作業環境や安全に関する問題など、現場で発生する問題全般を指します。これらに対して派遣先は速やかに調査・対応する義務があります。
A1. 職場での指示に関する不満、ハラスメント、作業環境や安全に関する問題など、現場で発生する問題全般を指します。これらに対して派遣先は速やかに調査・対応する義務があります。
Q2. 派遣労働者の給料は誰が支払いますか?
A2. 原則として派遣元(派遣会社)が支払います。派遣先は勤務時間の管理や出勤確認を行いますが、給与支払いは派遣元の業務です。
A2. 原則として派遣元(派遣会社)が支払います。派遣先は勤務時間の管理や出勤確認を行いますが、給与支払いは派遣元の業務です。
Q3. 派遣先が派遣労働者を直接雇いたい場合は?
A3. 派遣先が希望すれば直接雇用(転籍や採用)することは可能です。ただし、その手続きや雇用条件の整備は派遣先と派遣労働者との間で行われます。派遣先に「必ず行う義務」があるわけではありません。
A3. 派遣先が希望すれば直接雇用(転籍や採用)することは可能です。ただし、その手続きや雇用条件の整備は派遣先と派遣労働者との間で行われます。派遣先に「必ず行う義務」があるわけではありません。
関連キーワード: 労働者派遣法、派遣先義務、派遣元責任、苦情処理、安全衛生、OJT、雇用契約、派遣労働者

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