ITパスポート 2014年 春期 問23
問題文
部品製造会社Aでは製造工程における不良品発生を減らすために、業績評価指標の一つとして歩留り率を設定した。バランススコアカードの四つの視点のうち、歩留り率を設定する視点として、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:学習と成長
イ:業務プロセス(正解)
ウ:顧客
エ:財務
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歩留り率を設定するバランススコアカードの視点はどれか【ITパスポート 解説】
正解の理由
歩留り率(ぶどまりりつ)は製造したうち「良品が何割あるか」を示す指標です。歩留り率は製造工程そのものの効率や品質を直接測るので、バランススコアカード(Balanced Scorecard:業績を多面的に見る枠組み)の四つの視点では業務プロセスの視点に当てはまります。よって、選択肢のうち イ が最も適切です。
(補足)歩留り率はKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)として、工程改善や不良低減の評価に使われます。工程改善が進めばコスト低下や納期遵守にもつながるため、間接的に財務や顧客満足にも影響しますが、指標の「主な対象」は製造プロセスそのものです。
解法ステップ
- 歩留り率の意味を確認する:良品数 ÷ 投入数 × 100% という、製造工程の良否を表す割合。
- バランススコアカードの四つの視点の意味を短く確認する。
- 財務(Financial):利益や費用などの財務面
- 顧客(Customer):顧客満足や市場での評価
- 業務プロセス(Internal Business Process):社内の作業や工程の効率・品質
- 学習と成長(Learning and Growth):人材・能力・情報基盤の整備
- 歩留り率は「工程そのものの良さ」を示すので、対応する視点は業務プロセスであると判断する。
- よって イ を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 学習と成長
学習と成長は社員のスキルや組織能力、IT基盤の整備など将来の能力向上を測ります。歩留り率は技術習得や教育の結果によって改善されることはありますが、直接測るのは工程の品質なので主対象ではありません。 -
イ: 業務プロセス
正解です。歩留り率は工程の不良発生や手戻り、作業効率に直結するため「業務プロセス(内部プロセス)」の視点で管理します。 -
ウ: 顧客
顧客視点は「顧客満足」「市場シェア」「納期遵守」などが中心です。良品率が高ければ顧客満足に良い影響はありますが、歩留り率自体は社内工程の評価指標であり、顧客視点の直接的な指標ではありません。 -
エ: 財務
財務視点は売上や利益、コストなどのお金に関する指標です。歩留り率が低いとコスト増や廃棄が増え財務に悪影響を与えますが、歩留り率は「何が」原因で不利益が出ているかを特定するための工程指標であり、主要視点は業務プロセスです。
よくある誤解
-
「歩留り率は財務指標ではないか?」
誤解しやすいですが、歩留り率は工程の品質指標です。財務影響は結果として現れるため、直接の財務指標とは区別します。 -
「顧客の満足度を表す指標では?」
製品の品質は顧客満足につながりますが、歩留り率は社内で作られた良品の割合を測る内部管理指標です。顧客満足は別の指標(NPSやCS)で測ります。 -
「学習と成長の視点=人材教育で歩留りが上がるから、そちらだろう」
教育や設備投資が歩留り改善に寄与することはありますが、指標の直接の対象は工程の状態です。原因分析は学習・成長の視点で行い、評価は業務プロセスの視点で行います。
補足コラム
-
歩留り率の計算例
入力部品が1000個で、最終的に良品が980個なら、歩留り率は
不良率(不良品の割合)は です。 -
関連指標
- 不良率(Defect rate):不良品の割合。歩留り率の裏返し。
- 歩留り改善の活動例:工程の標準化、設備の保全(メンテナンス)、作業者教育、品質検査の強化。
-
覚え方のコツ
「歩留り=工場の『歩』(工程)でどれだけ『留』まって良品になるか」をイメージすると、工程に関係する指標だと覚えやすいです。
FAQ
Q1: 歩留り率と良品率は同じですか?
A1: 実務ではほぼ同じ意味で使われます。どちらも投入に対する良品の割合を示します。企業によって細かな定義や集計方法が異なる場合があるので、運用ルールを確認してください。
A1: 実務ではほぼ同じ意味で使われます。どちらも投入に対する良品の割合を示します。企業によって細かな定義や集計方法が異なる場合があるので、運用ルールを確認してください。
Q2: バランススコアカードの視点は会社によって変わりますか?
A2: 基本の四つの視点(財務、顧客、業務プロセス、学習と成長)は共通です。ただし、企業戦略によって重点を置く視点やKPIの具体的内容は変わります。
A2: 基本の四つの視点(財務、顧客、業務プロセス、学習と成長)は共通です。ただし、企業戦略によって重点を置く視点やKPIの具体的内容は変わります。
Q3: 品質向上の指標は全部「業務プロセス」で良いですか?
A3: 多くの品質指標は業務プロセス視点で評価しますが、品質が顧客満足や財務に直結する場合は、それらの視点のKPIも同時に設定します。指標は目的に合わせて使い分けます。
A3: 多くの品質指標は業務プロセス視点で評価しますが、品質が顧客満足や財務に直結する場合は、それらの視点のKPIも同時に設定します。指標は目的に合わせて使い分けます。
関連キーワード: バランススコアカード、歩留り率、品質管理、業務プロセス、KPI、不良率、工程改善

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