ITパスポート 2014年 春期 問52
問題文
通信事業者が自社のWANを利用して、顧客の遠く離れた複数拠点のLAN同士を、ルータを使用せずに直接相互接続させるサービスはどれか。
選択肢
ア:ISDN
イ:PoE (Power over Ethernet)
ウ:インターネット
エ:広域イーサネット(正解)
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WANを使って拠点間LANをルータを使わずに直接接続するサービス【ITパスポート 解説】
正解の理由
通信事業者(キャリア)が自社のWAN(Wide Area Network:広域ネットワーク)を利用して、顧客の離れた複数拠点のLAN(Local Area Network:局所ネットワーク)同士を「ルータを使わずに直接相互接続」するサービスは、エの広域イーサネット(イーサネット:Ethernetを広域に延長するサービス)です。
理由は次の通りです。広域イーサネットは「レイヤ2(ネットワークのデータリンク層)でイーサネットフレームをそのまま事業者網上で透過的に運ぶ」サービスです。これにより顧客側では各拠点のスイッチ(LAN機器)同士があたかも同じイーサネットセグメント上にあるように振る舞い、ルータ(IPルーティングを行う機器)を介さずに接続できます。
他の選択肢(ISDN、PoE、インターネット)は、用途や仕組みが異なり「ルータを使わずに複数拠点のLANを直接つなぐ」要件を満たしません。
他の選択肢(ISDN、PoE、インターネット)は、用途や仕組みが異なり「ルータを使わずに複数拠点のLANを直接つなぐ」要件を満たしません。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを拾う:「通信事業者が自社のWANを利用」「顧客の遠く離れた複数拠点のLAN同士」「ルータを使用せずに直接相互接続」
- 「ルータを使わず直接接続」→ これはレイヤ2(フレームをそのまま扱う)で接続することを意味する。
- レイヤ2で広域接続するサービスを選ぶ→ 「広域イーサネット(Carrier Ethernet / Metro Ethernet)」が該当。
- 残りの選択肢が何を示すかを確認して除外する(ISDNは回線サービス、PoEは給電、インターネットはパブリックなIPルーティング)。
選択肢別の誤答解説
-
ア: ISDN(Integrated Services Digital Network:音声やデータをデジタル回線でやり取りする技術)
ISDNは回線交換または専用線的なデジタル接続技術で、かつ現在は主に過去の技術です。拠点間を同一イーサネットセグメントとして透過的に接続するためのレイヤ2のキャリアサービスという意味では該当しません。 -
イ: PoE(Power over Ethernet:イーサネットケーブルで電力を供給する技術)
PoEはLANケーブル(イーサネット)を通じて機器に電力を供給する技術です。拠点間をつなぐWANサービスではなく、電源供給の機能なので該当しません。 -
ウ: インターネット(Internet:世界的なパケット交換ネットワーク)
インターネットはパブリックなIPネットワークで、拠点間接続は可能ですが、通常はルータ(IPルーティング)やVPN(Virtual Private Network:仮想専用線)などを用います。「ルータを使用せずに直接相互接続する」条件には合いません。インターネット上でレイヤ2を再現するには追加の仕組みが必要です。 -
エ: 広域イーサネット(正答)
広域イーサネットは事業者が提供するレイヤ2のイーサネットサービスです。顧客のLAN同士をルータを介さずに同一のイーサネットセグメントのようにつなげられるため、本問の条件に合致します。
よくある誤解
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「イーサネット=LANだけの技術」と思う
→ イーサネットは本来の技術で、事業者がWAN上で提供することで広域イーサネット(Carrier Ethernet)として拠点間接続に使えます。LANだけの技術ではありません。 -
「インターネットでつなげばルータは不要」と考える
→ インターネット経由だと通常はIPルーティングやVPNが必要で、拠点間をレイヤ2で透過的に結ぶ(ルータ不要)とは異なります。 -
「PoEがネットワークサービスだ」と勘違いする
→ PoEは電力供給の規格で、ネットワーク接続サービス自体ではありません。
補足コラム
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レイヤ2とレイヤ3の違い(簡単に)
- レイヤ2(データリンク層):MACアドレス(機器固有の識別子)でフレームを転送します。スイッチが動く層で、同一イーサネットセグメントのふるまいを提供します。
- レイヤ3(ネットワーク層):IPアドレス(論理的な住所)でパケットを転送します。ルータが動く層で拠点間の経路選択を行います。
広域イーサネットは事業者網でレイヤ2接続を提供するため、顧客側から見るとルータを介さずに拠点同士が「同じLAN」にあるかのように使えます。
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類似サービスと比較
- MPLS(Multiprotocol Label Switching):事業者提供のもう一つの広域接続技術で、レイヤ3的な機能やトラフィック制御に強い。
- VPLS(Virtual Private LAN Service):MPLSを使って仮想的にLANを拡張する、広域イーサネットに似たサービス。
用途やコスト、管理性で使い分けられます。
FAQ
Q1: インターネットを使っても拠点間の通信はできませんか?
A1: できます。ただし通常は各拠点でルータを使い、場合によってはVPNで暗号化して接続します。問題文の「ルータを使用せずに直接相互接続」という条件を満たすわけではありません。
A1: できます。ただし通常は各拠点でルータを使い、場合によってはVPNで暗号化して接続します。問題文の「ルータを使用せずに直接相互接続」という条件を満たすわけではありません。
Q2: 広域イーサネットを使うと設定はどう簡単になりますか?
A2: 各拠点のスイッチを同じVLANにするだけで、IPのサブネット設計やブロードキャストの扱いなどを統一できます。ルーティングの設定を減らせるのが利点です。
A2: 各拠点のスイッチを同じVLANにするだけで、IPのサブネット設計やブロードキャストの扱いなどを統一できます。ルーティングの設定を減らせるのが利点です。
Q3: セキュリティは大丈夫ですか?
A3: キャリアの広域イーサネットは他顧客と論理的に分離されますが、追加の暗号化や認証を併用することもあります。用途に応じた設計が必要です。
A3: キャリアの広域イーサネットは他顧客と論理的に分離されますが、追加の暗号化や認証を併用することもあります。用途に応じた設計が必要です。
関連キーワード: WAN、LAN、広域イーサネット、イーサネット、レイヤ2、VPLS、MPLS、VPN、ISDN、PoE、キャリアイーサネット、ブリッジング、トラフィック分離

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