ITパスポート 2015年 秋期 問41
問題文
ITサービスマネジメントにおいて、サービス提供者がSLAの内容を合意する相手は誰か。
選択肢
ア:ITサービスを利用する組織の責任者(正解)
イ:サービスデスクの責任者
ウ:システム開発の発注先
エ:不特定多数を対象として外部に公開しているWebサイトの利用者
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SLA(サービスレベル合意)を合意する相手は誰か【ITパスポート 解説】
正解の理由
SLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意)は、サービス提供者(サービスを提供する側)と「そのITサービスを利用し、業務の成果や責任を負う組織(顧客)」との間で交わされる合意です。ここで合意するのは、提供するサービスの品質(稼働率、応答時間、サポート時間など)や、問題発生時の対応方法・責任範囲です。したがって、サービス提供者がSLAの内容を合意する相手は、サービスを利用する組織の責任者であるアになります。利用組織の責任者は、サービス品質が自分たちの業務に与える影響を判断し、契約上の条件を決める立場だからです。
解法ステップ
- 「SLA」が何かを確認する
- SLA = Service Level Agreement(サービスレベル合意)。提供側と利用側が合意する品質や対応ルールの文書。
- SLAの目的を考える
- 誰のための合意か? → サービスの品質が業務に影響する「顧客(利用組織)」のため。
- 選択肢を比較する
- 合意する相手は「サービスを実際に使い、責任を負う人」か? → はい → ア。
- 他は運用担当や開発側、あるいは不特定多数であり、SLAを交わす相手として適切ではない。
- 結論を出す
- SLAは提供者と利用組織(その責任者)が取り交わすため、アが正解。
選択肢別の誤答解説
-
ア(ITサービスを利用する組織の責任者)
- 正答です。利用組織はサービスの利用とその結果に責任を持つため、提供者とSLAを合意します。
-
イ(サービスデスクの責任者)
- サービスデスク(利用者の問い合わせを受ける窓口)は運用・対応を行う部署です。SLAの運用面で重要ですが、SLA自体はサービス利用の契約条件なので、合意の相手は通常「顧客(利用組織)」です。サービスデスクはSLAに基づいて対応を行いますが、SLAの「契約相手」とは異なります。
-
ウ(システム開発の発注先)
- システム開発の発注先は開発ベンダーであり、システムを作る契約相手です。運用後のサービス提供と品質合意(SLA)は、通常はサービス提供者と利用者の間で交わされます。開発ベンダーとは別途「開発契約」や「下請け契約」が結ばれます。
-
エ(不特定多数を対象として外部に公開しているWebサイトの利用者)
- 不特定多数の利用者とは個々に合意していないため、SLAのような個別の品質合意を交わす相手にはなりません。公開Webサイトでは「利用規約(terms of use)」を公開することはありますが、SLAのような個別の品質保証とは性質が異なります。
よくある誤解
-
「SLAはエンドユーザー(個々の利用者)と結ぶものだ」
- 誤りです。SLAはサービス利用の責任を負う組織(契約上の顧客)と提供者が合意します。個々の利用者はその組織の方針や利用規約に従います。
-
「サービスデスクの責任者と合意する」と考える人がいる
- サービスデスクはSLAに基づき日常対応しますが、SLAの交渉・承認は通常、利用組織の管理者や契約担当が行います。
-
「SLAはただの宣言で法的効力はない」との誤解
- SLAは契約書の一部として取り扱われることが多く、法的・金銭的な取り決め(サービス停止時の補償など)が含まれる場合があります。状況により法的効力を持ちます。
補足コラム
- SLAに書かれる代表的な項目(例)
- 可用性(Availability):サービスが稼働している割合。例:「年間稼働率99.9%」
- 応答時間(Response time):問い合わせや障害報告への初動対応時間。
- サポート時間:何時〜何時までサポートするか(営業時間)。
- 障害時の復旧目標(MTTR:平均修復時間など)や、違反時の補償(サービスクレジット)
- 関連する別の約束事
- OLA(Operational Level Agreement:業務間合意)… 組織内の部門同士での運用ルール。
- UC(Underpinning Contract:下支え契約)… サービス提供者が外部ベンダーと結ぶ契約で、SLAを満たすための裏側の契約。
暗記のコツ:SLAは「誰と」「何を約束するか」。ここで「誰と」は「サービスの品質で業務が左右される”顧客の責任者”」と覚えるとよいです。
FAQ
Q1. SLAは誰が署名するべきですか?
- 通常は利用組織のサービス利用責任者、または契約担当者が署名します。社内では「サービスオーナー」や「事業部長」が決定権を持つことが多いです。
Q2. 同じサービスで複数の利用組織がいるとSLAはどうなる?
- 各利用組織ごとに個別のSLAを結ぶことが多いです。全顧客共通の標準SLAを公開する場合もありますが、重要顧客には個別合意をすることがあります。
Q3. 公開Webサイトに「サービス停止時の対応」を書くことはSLAと同じですか?
- 似ている部分はありますが、公開情報は一般的には「利用条件」や「告知」で、個別に交わすSLAのような詳細かつ交渉された契約とは性質が異なります。
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