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ITパスポート 2015年 春期 10


問題文

ソフトウェアライフサイクルを、企画プロセス、要件定義プロセス、開発プロセス、運用プロセスに分けるとき、要件定義プロセスの実施内容として、適切なものはどれか。

選択肢

業務及びシステムの移行
システム化計画の立案
ソフトウェアの詳細設計
利害関係者のニーズの識別(正解)

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ソフトウェアライフサイクルでの要件定義プロセスの実施内容【ITパスポート 解説】

正解の理由

要件定義プロセスは、ソフトウェアライフサイクル(ソフトウェアの企画から廃棄までの一連の流れ)において「何を作るか」をはっきりさせる工程です。ここでは、システムを使う人や関係者が何を望んでいるかを整理し、機能や非機能(性能・安全性など)の要件としてまとめます。したがって、利害関係者(ステークホルダー:システムに影響を受ける人や組織)のニーズを識別する作業が中心になります。よって、選択肢のうち が適切です。
※「ニーズを識別する」とは、関係者が期待する機能や業務上の要件、制約(予算・期限・既存システムとの兼ね合い等)を見つけ出すことです。

解法ステップ

  1. 各プロセスの目的を短く確認する
    • 企画プロセス:何を解決するか、全体計画を立てる段階(大枠の方針決定)。
    • 要件定義プロセス:関係者の要求を具体化し、要件として整理する段階。
    • 開発プロセス:実際に設計・実装・テストを行う段階。
    • 運用プロセス:稼働後の運用・保守や移行を行う段階。
  2. 問題文の「要件定義プロセスの実施内容」に合う活動かを確認する。
    • 「ニーズの識別」は要件そのものを作る行為なので合致。
    • 業務移行や詳細設計、システム化計画の立案は別工程に当たるため除外。
  3. 選択肢ごとにどの工程に対応するかを当てはめ、要件定義に該当するものを選ぶ。
この順で解けば迷わず を選べます。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 業務及びシステムの移行
    • これは既存システムから新システムへ実際に切り替える作業や、業務プロセスの移行(データ移行、ユーザー教育など)を指します。主に運用プロセス(導入~稼働)に該当します。要件定義の段階で「移行方針」を検討することはあっても、「業務及びシステムの移行」そのものは要件定義の実施内容ではありません。
  • イ: システム化計画の立案
    • システム化計画は、プロジェクトの目的・範囲・予算・スケジュールなどを決める上位の計画作成です。企画プロセス(計画段階)で行う作業であり、要件定義とは工程が異なります。
  • ウ: ソフトウェアの詳細設計
    • 詳細設計は、要件(何を作るか)が固まった後に行う「どのように作るか」を決める作業で、開発プロセスに属します。要件定義でまとめた内容を元に、設計者が具体的な仕様や構造を決定します。

よくある誤解

  1. 「要件定義は要望を書くことだけ」と考える誤り
    • 単に要望を列挙するだけでなく、利害関係者間で優先順位をつけたり、実現可能性や制約(コスト・期間・既存資産との整合性)を整理する点が重要です。
  2. 「移行作業も要件定義の一部だ」と混同すること
    • 移行計画の検討は要件定義で触れることはありますが、実際の移行作業(データ移行、切り替え手順、訓練など)は運用プロセスの仕事です。
  3. 「詳細設計=要件定義」と考えること
    • 要件定義は「何を実現するか」、詳細設計は「どう実現するか」です。目的と手段の違いを押さえましょう。

補足コラム

日常の例で覚えると分かりやすいです。家を建てる流れで考えると:
  • 企画:どんな家が必要か(何部屋、予算、土地の場所)を決める。
  • 要件定義:家族の要望(収納を多くしたい、ペットスペースを作るなど)と法的制約や予算を具体化する。
  • 開発(設計・施工):設計図を描き、実際に大工さんが家を作る(詳細設計・実装)。
  • 運用:住み始めてからのメンテナンスや改修、引っ越し作業(移行)は運用の範囲。
このように「誰が何を求めているかをはっきりさせる」のが要件定義です。

FAQ

Q1: 要件定義と基本設計(上流設計)の違いは何ですか?
A1: 用語の使われ方に若干の違いはありますが、一般的には要件定義が「ユーザー視点での要求整理(何を実現するか)」、基本設計は「システム視点での構成検討(大枠の設計:どのように実現するか)」を指します。要件定義で決めた内容を受けて基本設計・詳細設計へ進みます。
Q2: 要件定義書と仕様書は同じですか?
A2: 完全には同じではありません。要件定義書は「ユーザー要求や業務要件」を中心に書く文書で、仕様書は要件を基に詳細な機能やインタフェース、振る舞いを記述したものです。段階によって文書の粒度が変わります。
Q3: 利害関係者(ステークホルダー)には誰が含まれますか?
A3: システムを使うユーザー、管理者、発注者、データ提供者、法務やセキュリティ担当、外部ベンダーなど、システムに影響を与える・受ける全ての人や組織を含みます。

関連キーワード: ソフトウェアライフサイクル、要件定義、利害関係者(ステークホルダー)、業務移行、システム化計画、詳細設計、運用、要件定義書、基本設計、要求分析
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