ITパスポート 2016年 秋期 問06
問題文
システム化計画において、情報システムの費用対効果を評価する。その評価指標として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:PER
イ:ROI(正解)
ウ:自己資本比率
エ:流動比率
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システム化計画で費用対効果を評価する指標は?【ITパスポート 解説】
正解の理由
システム化計画で「費用対効果」を評価する際に適切なのは、投資に対してどれだけの利益(あるいは効果)が得られるかを示す指標です。選択肢の中では、投資に対する利益率を示す指標である イ がこれに該当します。
- イ は ROI(Return on Investment:投資利益率)。投資した金額に対してどれだけ利益や効果が得られたかを比べる指標で、費用対効果の評価に直接使えます。
- 他の選択肢は企業全体の財務健全性や株式の評価に関する指標であり、特定の情報システム投資の費用対効果を評価する目的には適しません。
解法ステップ
- 問題文で求められているものを確認:「費用対効果を評価する指標」=投資に対する効果を示すもの。
- 各選択肢の意味を頭の中で整理する:
- PER:株式の割安度を見る指標(Price Earnings Ratio:株価収益率)。
- ROI:投資に対する利益率。
- 自己資本比率:企業の安全性(資本構成)を見る指標。
- 流動比率:短期支払い能力(流動性)を見る指標。
- 投資効果の評価に直接使えるのは投資利益率(ROI)であると判断する。
- よって正しい選択は イ。
選択肢別の誤答解説
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ア: PER
PER(Price Earnings Ratio:株価収益率)は「株価が利益の何倍か」を示す指標です。企業の株式が割高か割安かを判断するときに使います。個別のプロジェクトやシステム投資の費用対効果を測る指標ではありません。 -
イ: ROI
ROI(Return on Investment:投資利益率)は、投資に対して得られた利益(または効果)を投資額で割ったものです。基本式はまたは単純に「利益 ÷ 投資額」で表すこともあります。情報システム投資では、コスト削減額や増収分、業務効率化による時間削減の金額などを利益として扱い、費用対効果を定量的に評価できます。 -
ウ: 自己資本比率
自己資本比率は「自己資本 ÷ 総資本」で表す指標で、企業の自己資本が総資本に占める割合を示します。企業の安全性(借入への依存度)を評価する指標であり、個別プロジェクトの費用対効果の評価には直接関係しません。 -
エ: 流動比率
流動比率は「流動資産 ÷ 流動負債」で、短期的な支払い能力(流動性)を示します。短期の資金繰りを見る指標で、システム投資の投資対効果評価には適切ではありません。
よくある誤解
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「自己資本比率や流動比率が良ければ投資の費用対効果も良い」と考える誤解
- これらは企業の財務体力・流動性の指標で、投資がどれだけ儲かるか(費用対効果)を示すものではありません。
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「ROIは簡単だから常にこれでOK」と考える誤解
- ROIは扱いやすい指標ですが、時間価値(お金の価値が時間で変わること)を考慮しない点や、評価期間の違いで結果が変わる点に注意が必要です。長期プロジェクトでは NPV(正味現在価値)やIRR(内部収益率)も併用します。
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「利益の見積もりは適当にやっても良い」と考える誤解
- 効果(利益)の見積もりが甘いとROIが過大評価され、失敗につながります。現実的な根拠に基づいて試算することが重要です。
補足コラム
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ROIの具体的な計算例
例:情報システム導入に投資額1,000万円、5年間で得られる累計の効果(コスト削減+増収)が1,500万円だった場合、※この単純計算は時間価値を無視しています。時間を考慮する場合は NPV(Net Present Value:正味現在価値)や IRR(Internal Rate of Return:内部収益率)を使います。 -
併用すると良い指標
- 回収期間(Payback Period):投資額が何年で回収できるかを示す指標。短期的なリスク判断に有効。
- NPV、IRR:時間価値を考慮した投資評価。長期投資やキャッシュフローが変動する案件で重要。
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効果の中身を明確にすることが大切
情報システム投資の「効果」には、直接のコスト削減、間接的な時間短縮による人件費削減、顧客満足度向上による増収、またリスク低減(例えば法令違反を防ぐことで避けられる罰金)などがあります。どれを金額換算するかが評価のカギです。
FAQ
Q1. ROIの「良い値」はどれくらいですか?
A1. 一概には言えません。業界や会社の期待収益率(例えば社内の割引率)と比較して判断します。一般的にはプラスであること、かつ代替案と比べて優れていることが必要です。
A1. 一概には言えません。業界や会社の期待収益率(例えば社内の割引率)と比較して判断します。一般的にはプラスであること、かつ代替案と比べて優れていることが必要です。
Q2. 小さなシステム習得でもROIを使うべきですか?
A2. はい。規模が小さくても投資対効果の概念は有益です。ただし、見積もりコストと評価コストのバランスを考え、簡易評価で十分な場合もあります。
A2. はい。規模が小さくても投資対効果の概念は有益です。ただし、見積もりコストと評価コストのバランスを考え、簡易評価で十分な場合もあります。
Q3. ROIとNPV、どちらを使えば良いですか?
A3. 短期・簡易判断ならROIで十分です。投資が長期・大規模で将来のキャッシュフローが重要なら、NPVやIRRで時間価値を考慮してください。
A3. 短期・簡易判断ならROIで十分です。投資が長期・大規模で将来のキャッシュフローが重要なら、NPVやIRRで時間価値を考慮してください。
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