ITパスポート 2016年 秋期 問10
問題文
受注生産方式と見込生産方式を比較した場合の受注生産方式の特徴として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:受注時点で製品の出荷はできないが、製品が過剰在庫となるリスクはない。(正解)
イ:受注予測の精度を上げて、製品の在庫量を適正に維持することが求められる。
ウ:製品の在庫不足によって、受注機会を損失するリスクを伴う。
エ:製品の受注予測に基づいて立案した生産計画に従って、製品を生産する。
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受注生産方式と見込生産方式の比較【ITパスポート 解説】
正解の理由
選択肢のうち、ア「受注時点で製品の出荷はできないが、製品が過剰在庫となるリスクはない。」が正解です。
理由は次の通りです。受注生産(Make to Order:注文を受けてから生産する方式)では、顧客から注文を受けてから生産を始めます。したがって注文直後に「出荷できない(在庫として完成品を持っていない)」のは当然です。一方で、受注がある分だけ作るため、作り過ぎて余る「過剰在庫(売れ残り)」になりにくいという利点があります。よってアの記述は受注生産の特徴を正しく表しています。
(参考:見込生産(Make to Stock:需要を予測して前もって生産する方式)は、予測が外れると在庫過多や在庫不足のリスクが生じます。)
解法ステップ
- 各方式の定義を確認する
- 受注生産(Make to Order):注文を受けてから生産する。
- 見込生産(Make to Stock):需要予測に基づき前もって生産・在庫する。
- 各選択肢がどちらの方式の特徴を表すかを当てはめる。
- 受注生産に当てはまるものを選ぶ。
- 「注文直後に出荷できない」→受注生産の特徴。
- 「過剰在庫となるリスクはない」→受注生産の長所。
- 上の条件を満たす選択肢がアであると判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正しい。受注後に生産するため即時出荷はできないが、前もって大量に作らないので過剰在庫になりにくい。
- イ: 誤り。受注予測の精度を上げて在庫量を適正に維持することが特に求められるのは、見込生産(Make to Stock)です。見込生産は予測に基づくため、予測精度が在庫の過不足に直結します。
- ウ: 誤り。文の「製品の在庫不足によって受注機会を損失するリスク」は、在庫を前もって持つ見込生産で予測が外れたときに生じる典型的な問題です。受注生産ではむしろ「出荷まで時間がかかることで受注を逃す可能性(リードタイムによる機会損失)」が問題になりやすく、表現がずれているため誤りです。
- エ: 誤り。受注予測に基づく生産計画に従って生産するのは見込生産の説明です。受注生産は予測ではなく実際の注文に基づきます。
よくある誤解
- 「受注生産は在庫リスクがゼロだ」
- 部分的に正しいですが完全ではありません。完成品の過剰在庫は少なくても、原材料や部品は在庫で持つ場合があり、そこに在庫リスクは残ります。また、リードタイムが長いと受注を失うリスクがあります。
- 「見込生産では在庫管理は不要」
- 逆です。見込生産では需要予測と在庫管理が非常に重要で、予測ミスが大きな損失につながります。
補足コラム
- 実務では「完全な受注生産」または「完全な見込生産」だけでなく、中間的な方式がよく使われます。例えば「部品は見込生産で準備し、最終組立は受注後に行う(assemble-to-order:組立受注生産)」というやり方です。これにより、リードタイムを短縮しつつ過剰在庫を抑える工夫ができます。
- 例:カスタム家具は典型的な受注生産です。多数の既製品の飲料や日用品は見込生産です。
FAQ
Q1. 受注生産でも在庫はまったく持たないのですか?
A1. 必ずしもゼロではありません。完成品は少ないですが、部品や原材料、または安全在庫として一部を保有することはあります。
A1. 必ずしもゼロではありません。完成品は少ないですが、部品や原材料、または安全在庫として一部を保有することはあります。
Q2. 受注生産は小ロットの受注でしか使えませんか?
A2. 小ロットや高付加価値・カスタマイズ品に向きますが、製造ラインやサプライチェーン設計によっては大量生産と組み合わせることも可能です。
A2. 小ロットや高付加価値・カスタマイズ品に向きますが、製造ラインやサプライチェーン設計によっては大量生産と組み合わせることも可能です。
Q3. 受注生産の欠点を改善する方法はありますか?
A3. 部品の在庫を持っておき最終組立だけ受注後に行う、製造工程の短縮、外注や増産体制の整備などでリードタイムを短くする方法があります。
A3. 部品の在庫を持っておき最終組立だけ受注後に行う、製造工程の短縮、外注や増産体制の整備などでリードタイムを短くする方法があります。
関連キーワード: 受注生産、見込生産、Make to Order、Make to Stock、在庫管理、リードタイム、過剰在庫、需要予測

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