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ITパスポート 2017年 秋期 07


問題文

財務分析によって得られる指標とその値に関する記述a~cのうち、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
a 自己資本比率は、数値が大きいほど財務の安全性が高いと考えられる。 b 総資産回転率は、数値が大きいほど総資産の回転期間が長くなると考えられる。 c 流動比率は、数値が小さいほど支払能力が高いと考えられる。

選択肢

a(正解)
a, b
a, c
b

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財務分析の指標と値の解釈(自己資本比率・総資産回転率・流動比率)【ITパスポート 解説】

正解の理由

選択肢の中で正しいのは記述aだけです。したがって、選択肢 が適切です。
  • a 自己資本比率は、自己資本(会社が返済義務のない資金)が総資産に占める割合を示します。自己資本が多いほど借入に頼らない安全な財務構造になるため、数値が大きいほど財務の安全性は高いと判断されます。
  • b 総資産回転率は「売上高 ÷ 総資産」で表されます。回転率が大きいほど資産を効率よく売上に変えている、つまり回転期間は短くなります。従って「回転期間が長くなる」という記述は逆です。
  • c 流動比率は「流動資産 ÷ 流動負債」で、短期的な支払能力を見る指標です。値が大きいほど支払能力が高いので、「小さいほど支払能力が高い」は誤りです。

解法ステップ

  1. 各指標の定義と式を確認する。
    • 自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資産 × 100(%)
    • 総資産回転率 = 売上高 ÷ 総資産(回/年 など)
    • 流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100(%)
  2. 指標の値が大きい・小さいときの意味を考える。
    • 自己資本比率:大きい → 借金依存が低い → 安全性↑
    • 総資産回転率:大きい → 資産が効率的に売上につながる → 回転期間↓
    • 流動比率:大きい → 短期の支払能力が高い
  3. 各記述と照らし合わせ、正誤を判定する。
    • a は定義どおり正しい → 採用
    • b,c は解釈が逆や誤り → 不採用
  4. 正しい記述だけを選んだ選択肢を選ぶ(a のみを含む )。

選択肢別の誤答解説

  • ア: a
    • 正しい。自己資本比率が高いと財務の安全性は高くなるため、a のみが正しい組合せです。
  • イ: a, b
    • b が誤りです。総資産回転率が大きいほど「回転期間(資産が売上に変わるまでの期間)」は短くなります。イは b の誤りにより不適切です。
  • ウ: a, c
    • c が誤りです。流動比率は高いほど短期の支払能力は高くなるため、「小さいほど支払能力が高い」は逆の説明です。ウは不適切です。
  • エ: b
    • b 自体が誤りなので、エも不適切です。

よくある誤解

  1. 「回転率が大きい=回るのに時間がかかる」と勘違いする
    • 回転率は「単位期間あたり何回回るか(回数)」を示します。回転率が大きければ「たくさん回っている」=「1回あたりの期間は短い」です。
  2. 流動比率の望ましい値を一律に決めつける
    • 伝統的には流動比率200%が安全と言われますが、業種や事業モデルで適正値は変わります。一般的には100%を下回ると短期支払能力に注意が必要です。
  3. 「比率=良い/悪い」の単純判断に頼る
    • 指標は経年比較や同業他社比較で意味が出ます。単体の数値だけで全てを判断しないこと。

補足コラム

  • 総資産回転率と関連する指標:
    • ROA(Return on Assets:総資産利益率)は「利益 ÷ 総資産」で求められます。ROA は利益率と総資産回転率の積(ROA = 売上高利益率 × 総資産回転率)で理解できます。つまり、資産を効率よく使って売上を上げるだけでなく、売上からどれだけ利益が残るかも重要です。
  • 流動比率と当座比率(Quick Ratio)の違い:
    • 当座比率は流動資産から在庫を除いた当座資産(すぐ現金化できる資産)を使います。流動資産に在庫が多い業種(製造業など)では当座比率が実態に近くなります。
  • 目安(業種差あり):
    • 自己資本比率:40%以上で比較的安全、水準は業種で差があります。
    • 流動比率:100%を目安に、200%を保守的な目標とする考え方もある。
簡単な計算例(概念的):
  • 自己資本比率 = 40 ÷ 100 × 100 = 40%(総資産100に対し自己資本40)
  • 総資産回転率 = 売上200 ÷ 総資産100 = 2 回/年 → 1回あたりの期間は 1/2 年 = 6ヶ月(回転率↑ → 期間↓)
簡単なコード例(比率計算)
def ratios(total_assets, equity, sales, current_assets, current_liabilities):
    equity_ratio = equity / total_assets * 100
    asset_turnover = sales / total_assets
    current_ratio = current_assets / current_liabilities * 100
    return equity_ratio, asset_turnover, current_ratio

print(ratios(100, 40, 200, 80, 40))  # (40.0, 2.0, 200.0)

FAQ

Q1: 自己資本比率が高いほど必ず良い会社ですか?
A1: 高いほど財務の安全性は高いですが、成長投資が必要であえて負債を活用するケース(レバレッジ)もあります。業種や経営戦略で適正値は変わります。
Q2: 総資産回転率の単位は何ですか?
A2: 基本的に「回/年」のような「回数(times)」です。期間を1年に換算して考えることが多いです。
Q3: 流動比率が100%未満だと危ないですか?
A3: 目安として注意が必要です。100%未満だと短期負債を流動資産で賄えない可能性が高いため、資金繰りに問題が出やすくなります。ただし在庫売却の速さや金融手当ての有無など状況で判断します。

関連キーワード: 財務分析、自己資本比率、総資産回転率、流動比率、流動性、安全性、資産効率、比率分析
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