ITパスポート 2017年 秋期 問15
問題文
経営課題と、それを実現するための手法の組合せのうち、適切なものはどれか。
〔経営課題〕
a 部品の調達から販売までの一貫した効率的な業務プロセスを構築したい。
b 顧客の嗜好などの情報を把握し、製品の企画、販売促進につなげたい。
c 販売時点で、商品名、数量などの売上に関する情報を把握し、適切な在庫補充や売れ筋商品の分析を行いたい。

選択肢
ア:(正解)
イ:
ウ:
エ:
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経営課題と手法の組合せ【ITパスポート 解説】
正解の理由
選択肢 ア の組合せが適切です。理由は各経営課題に対して求められる機能が、次のように一致するためです。
- a に対応する SCM(Supply Chain Management:サプライチェーンマネジメント、部品の調達から製造・販売までの一貫した流れを管理する仕組み)は、「部品の調達から販売までの一貫した効率的な業務プロセス」を構築するのに最も適しているからです。
- b に対応する CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理、顧客の属性・嗜好・履歴を管理して企画や販促に活かす仕組み)は、「顧客の嗜好などの情報を把握し、製品企画・販売促進につなげる」目的に合致します。
- c に対応する POS(Point of Sale:販売時点情報管理、レジなどで発生する販売データを記録する仕組み)は、「販売時点での商品名・数量などの売上情報を把握し、在庫補充や売れ筋分析を行う」ための基本データ源となるからです。
以上より、a→SCM、b→CRM、c→POS とした ア が正しい組合せです。
解法ステップ
- 問題文の各経営課題の要点を短くまとめる。
- a: 調達から販売までの「一貫した業務プロセス」
- b: 顧客の「嗜好情報」をつかむ → 企画・販促に活用
- c: 販売時点の「商品名・数量」などの実績データ → 在庫/分析
- 主要なシステムの役割を確認する(SCM、CRM、POS)。
- SCM:サプライチェーン全体の最適化(調達・製造・在庫・配送)
- CRM:顧客データを管理して関係強化・マーケティングに活用
- POS:販売時点での売上データを取得する装置・システム
- 各課題に最も合う仕組みを当てはめる。該当しない組合せは除外する。
- 表の中で a,b,c 列に正しく並んでいる選択肢を選ぶ(該当は ア)。
短く言えば、「目的(何を実現したいか)」→「機能(どのシステムがそのデータ/機能を持つか)」の対応付けで解けます。
選択肢別の誤答解説
-
イ:aにPOS、bにCRM、cにSCM
- a に POS を当てると「調達から販売までの一貫した業務プロセス」を実現できません。POS はレジなどでの販売記録に特化しており、調達・生産・物流の統合管理は SCM の役割です。
- c に SCM を入れている点も逆で、販売時点データ(売れ筋分析や即時在庫補充)には POS のデータが必要です。
-
ウ:aにCRM、bにSCM、cにPOS
- a に CRM を当てるのは不適切です。CRM は顧客接点の管理であり、調達・生産・物流の管理(サプライチェーン)には向きません。
- b に SCM を入れるのも誤りで、b の主題は「顧客の嗜好把握」であり、これは CRM の領域です。
-
エ:aにSCM、bにPOS、cにCRM
- a に SCM を置く点は合っていますが、b と c が逆転しています。b(顧客嗜好の把握)に POS を当てるのは不充分です。POS は販売データを集めますが、嗜好や顧客別の履歴を管理・分析して販促に活かすのは CRM の役割です。
- c(販売時点の情報)に CRM を当てるのも不適切です。POS が販売時点データを直接扱います。
簡単に言えば、POS は「販売現場のデータ取り」、CRM は「顧客データの管理・活用」、SCM は「サプライチェーン全体の最適化」です。これらの基本役割を入れ替えると誤答になります。
よくある誤解
- POS と SCM を混同する
- 誤解: 「POS は在庫管理そのもの」と考える。
- 正しくは: POS は販売データを取得する装置・システムで、そのデータを使って在庫管理や発注を行うのは SCM や在庫管理システムの仕事です。POS はデータの「入力点」です。
- CRM を単なる住所録と考える
- 誤解: 「顧客の名前や連絡先を管理するだけ」と思う。
- 正しくは: CRM は購買履歴や嗜好、接触履歴を分析して、企画・マーケティング・カスタマーサポートに活かすための仕組みです。単なる名簿ではありません。
- システム名=全てをカバーすると考える
- 誤解: 「SCM がCRMやPOSの役割も兼ねる」と考える。
- 正しくは: 各システムは専用の役割を持ち、連携して価値を出します(例:POS→CRM/SCMへデータ連携)。
補足コラム
- データの流れイメージ:実際の業務では POS(販売データ)→ CRM(顧客分析・販促)→ SCM/ERP(在庫・発注最適化)という流れで連携します。
- ERP(Enterprise Resource Planning:業務資源計画、会社の基幹業務を統合するシステム)は SCM や会計、人事などを統合することが多く、SCM と連携して全社最適を図る役割を担います。
- クラウド提供(SaaS:Software as a Service)で POS・CRM・SCM を利用する企業も増えています。SaaS(サービスとして提供されるソフトウェア)は導入が容易で中小企業でも使いやすい利点があります。
FAQ
Q1. POS と レジは同じですか?
A1. 基本的には近い概念です。POS(Point of Sale)はレジ端末を含む「販売時点でのデータを扱う仕組み」を指します。単なるキャッシュレジスターよりも、商品コードや数量、売上集計といったデータを電子的に扱える点が特徴です。
A1. 基本的には近い概念です。POS(Point of Sale)はレジ端末を含む「販売時点でのデータを扱う仕組み」を指します。単なるキャッシュレジスターよりも、商品コードや数量、売上集計といったデータを電子的に扱える点が特徴です。
Q2. CRM は顧客満足度向上だけですか?
A2. 顧客満足度向上が重要な目的の一つですが、それだけでなく購買履歴や嗜好情報を使って新商品企画やセグメント別の販促効果向上にも使われます。
A2. 顧客満足度向上が重要な目的の一つですが、それだけでなく購買履歴や嗜好情報を使って新商品企画やセグメント別の販促効果向上にも使われます。
Q3. 小売で SCM は必要ですか?規模が小さいと不要?
A3. 規模が小さくても在庫最適化や仕入れの効率化は重要です。導入は段階的に可能で、POS のデータを活用して必要な部分だけ SCM 的な仕組みを導入することも多いです。
A3. 規模が小さくても在庫最適化や仕入れの効率化は重要です。導入は段階的に可能で、POS のデータを活用して必要な部分だけ SCM 的な仕組みを導入することも多いです。
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