ITパスポート 2017年 秋期 問38
問題文
プロジェクトに参加するメンバの適切な配置を検討するために明確にする必要があるものはどれか。
選択肢
ア:コスト見積りの方法
イ:作業進捗の報告方法
ウ:成果物の受入基準
エ:割り当てる役割と責任(正解)
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プロジェクトに参加するメンバの適切な配置を検討するために明確にする必要があるものはどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
選択肢の中で、プロジェクトに参加するメンバを「誰をどこに割り当てるか」を決める際に最も直接必要なのは、エの「割り当てる役割と責任」です。
「役割と責任」とは、その人が何をするのか(役割)と、どこまで責任を持つのか(責任範囲)を明確にすることです。これがはっきりしていれば、スキルや経験に応じて適切なメンバを配置できます。逆にここが不明確だと、担当と責任の齟齬(そご)や作業漏れ、二重作業が起きやすくなります。
「役割と責任」とは、その人が何をするのか(役割)と、どこまで責任を持つのか(責任範囲)を明確にすることです。これがはっきりしていれば、スキルや経験に応じて適切なメンバを配置できます。逆にここが不明確だと、担当と責任の齟齬(そご)や作業漏れ、二重作業が起きやすくなります。
補足で使える考え方として、RACI(レイシー)という役割分担表があります。RACIは次の頭文字で、各人の立場を整理します。
- Responsible(実行する人)
- Accountable(最終責任者)
- Consulted(相談を受ける人)
- Informed(報告を受ける人)
解法ステップ
- 目的と成果物を確認する
- 成果物(アウトプット)の種類と範囲を把握します。成果物とはプロジェクトで作る「モノ」や「サービス」です(例:ソフトウェア、マニュアル、検収報告書)。
- 作業を分解する(WBS)を作成する
- WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成)は、大きな仕事を小さなタスクに分ける方法です。各タスクに必要な役割を洗い出します。
- 役割と責任を定義する
- 各タスクに対して「誰が実行するか」「誰が承認するか」「誰に相談するか」を定めます(RACI等を使うと整理しやすいです)。
- スキルとリソースを照合して人を割り当てる
- 必要なスキルや経験と、候補メンバの能力を照らし合わせます。必要なら訓練や外部リソースの投入を検討します。
- 権限と報告経路を明確にする
- 決裁権や変更時の連絡先をはっきりさせておきます。これにより責任の所在が明確になります。
選択肢別の誤答解説
-
ア: コスト見積りの方法
- コスト見積りの方法は「費用をどう算出するか」を決めます。重要な情報ですが、個々のメンバをどこに配置するか(誰が何をするか)を直接決めるための情報ではありません。予算管理や資金調達には必要ですが、配置そのものの決定には二次的です。
-
イ: 作業進捗の報告方法
- 進捗報告の方法(例:週次報告、ツールの使い方)は、配置後の管理に関する事項です。誰をどの役割に割り当てるかを決めるための情報としては直接的ではありません。配置決定はその前提となる役割定義が必要です。
-
ウ: 成果物の受入基準
- 成果物の受入基準(acceptance criteria:受け入れの基準)は、何をもって「完成」とするかを定めます。これも重要ですが、誰をどこに配置するかを決めるためには、その基準を満たすための役割と責任がまず必要になります。つまり成果物基準は「何を達成するか」を示し、役割は「誰が達成するか」を示します。
よくある誤解
-
「役割と責任は同じ」
- 役割は担当する仕事の種類(例:開発者、テスター)。責任は結果に対する範囲(例:品質責任、納期責任)。両方を分けて明確にする必要があります。混同すると責任の押し付け合いになります。
-
「進捗管理の方法を決めれば人は自然に配置できる」
- 進捗管理は配置後の管理手段です。誰をどの仕事に割り当てるかは、まず役割と責任を定め、その後に管理方法を決める流れが適切です。
-
「細かく書けば書くほど良い」
- 必要以上に細かくすると柔軟性が失われます。業務の性質に合わせて、必要十分な粒度で役割と責任を定めることが重要です。
補足コラム
- 役割と責任を決める際の便利なツール
- RACI表:行にタスク、列に人を置き、該当セルにR(実行)、A(最終責任)、C(相談)、I(報告)を記入します。視覚的に誰が何をするかが分かりやすくなります。
- スキルマトリクス:人ごとのスキルを一覧化し、必要スキルと照合して配置を決めます。
- 小規模チームの注意点
- 人が少ない場合は一人が複数の役割を持つことになります。重複する責任や利益相反がないかをチェックしてください。
- 変更管理の重要性
- 役割や責任はプロジェクト途中で変わることがあります。変更時には関係者に周知し、ドキュメントを更新する運用(変更管理)を設けましょう。
FAQ
Q: 役割と責任は誰が決めればよいですか?
A: プロジェクトマネージャ(PM:Project Manager)やプロジェクトの責任者が主導し、関係部署や担当者と合意して決めます。合意形成が重要です。
A: プロジェクトマネージャ(PM:Project Manager)やプロジェクトの責任者が主導し、関係部署や担当者と合意して決めます。合意形成が重要です。
Q: 小さなプロジェクトでもRACIは必要ですか?
A: 必要な場合は使うと便利です。チームが非常に小さい場合は簡易的に「担当」「責任者」「連絡先」を明記するだけでも効果があります。
A: 必要な場合は使うと便利です。チームが非常に小さい場合は簡易的に「担当」「責任者」「連絡先」を明記するだけでも効果があります。
Q: 役割と責任を書くときのポイントは?
A: 「何をするか(役割)」「どの範囲で最終責任を負うか(責任)」「権限(決済や権限)」「報告先」をセットで書くことです。
A: 「何をするか(役割)」「どの範囲で最終責任を負うか(責任)」「権限(決済や権限)」「報告先」をセットで書くことです。
関連キーワード: プロジェクトマネジメント、役割分担、RACI、WBS、成果物、受入基準、コスト見積、進捗報告、リソース配分、責任範囲、変更管理

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