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ITパスポート 2017年 春期 06


問題文

一連のプロセスにおけるボトルネックの解消などによって、プロセス全体の最適化を図ることを目的とする考え方はどれか。

選択肢

CRM
HRM
SFA
TOC(正解)

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一連のプロセスにおけるボトルネックの解消などによって、プロセス全体の最適化を図ることを目的とする考え方はどれか。【ITパスポート 解説】

正解の理由

選択肢のTOC(Theory of Constraints:制約理論)は、システム全体の性能を決める「制約(ボトルネック)」を特定し、そこを改善することでプロセス全体の最適化を図る考え方です。
TOCは「全体最適」を重視します。部分最適(ある工程だけ早くするなど)ではなく、最も制約になっている工程を見つけて対策を講じ、全体のスループット(処理能力)を高めます。問題文の「ボトルネックの解消」「プロセス全体の最適化」という表現は、まさにTOCの目的と一致します。
(補足:ボトルネック=工程全体の流れを妨げる最も遅い部分。例:ベルトコンベアの中で1台だけ処理が遅い機械があると、全体の流れはその機械に合わせられる。)

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを探す:「ボトルネック」「プロセス全体」「最適化」。
  2. キーワードと各選択肢の意味を照らし合わせる。
    • TOCは「制約(=ボトルネック)を改善して全体を最適化する理論」。
    • 他の選択肢(CRM、HRM、SFA)は目的が異なる。
  3. キーワードに最も合うものを選ぶ。ここではTOCが該当するため選択肢を選ぶ。
短い覚え方:ボトルネック→制約(Constraint)→TOC。

選択肢別の誤答解説

  • ア: CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)
    • 顧客との関係を管理し、顧客満足や売上向上を目指す仕組みです。顧客情報の管理やマーケティングに関する考え方で、ボトルネック解消によるプロセス最適化という趣旨とは異なります。
  • イ: HRM(Human Resource Management:人的資源管理)
    • 採用・評価・教育など人材に関する管理のことです。組織や人の管理が中心で、プロセスのボトルネック特定と直接の関係はありません。
  • ウ: SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)
    • 営業活動の自動化・効率化(顧客訪問記録、商談管理など)を支援するツールや考え方です。営業プロセスの効率化には使われますが、問題文のような「ボトルネックを見つけて全体最適にする理論」という意味ではないです。
  • エ: TOC(Theory of Constraints:制約理論)
    • ボトルネック(制約)を特定し、その改善を通じてプロセス全体の性能を高める考え方。問題文の内容に合致します。

よくある誤解

  1. 「TOCは製造業だけの手法だ」と思う誤解
    • 実際はサービス業やITプロジェクト、物流など幅広い分野で使えます。重要なのは「どこが流れを制約しているか」を見つけることです。
  2. 「部分の効率化=全体の効率化」と考える誤り
    • よくあるミスは、制約ではない場所を速くしても全体にはほとんど効果がないことを見落とす点です。TOCはその点を明確にします。
  3. 「TOCとリーン(Lean)は同じ」と混同する誤解
    • 目的は似ている(無駄を減らす・効率化)こともありますが、アプローチが異なります。TOCは制約の改善に焦点を当て、リーンは無駄(ムダ)削減や流れの改善に広く取り組みます。

補足コラム

TOCの創始者はエリヤフ・ゴールドラット(Eliyahu Goldratt)です。TOCには「フォーカシング・ステップ」と呼ばれる実務的な手順があり、代表的には次の5つです。
  1. 制約(ボトルネック)を特定する(Identify)
  2. 制約を最大限に活用する(Exploit)
  3. 制約に合わせて他を従属させる(Subordinate)
  4. 制約を解消するために投資などで能力を高める(Elevate)
  5. 新たな制約を見つけて改善を繰り返す(Repeat)
身近な例:パン屋で焼けるオーブンが1台しかなく行列ができているとします。このオーブンがボトルネックです。TOCの考え方では、まずそのオーブンの稼働を最大化し(例えば焼成の順番や準備を工夫)、必要なら追加のオーブンを導入します。これで店全体の販売量(スループット)が増えます。
TOCは、プロセス全体を見て効率を上げたいときに非常に有効です。リーンやシックスシグマ(品質改善手法)と組み合わせることもあります。

FAQ

Q1. TOCはどんな場面で使えますか?
A1. 製造ライン、物流、ソフトウェア開発、サービス業の業務フローなど、流れ(プロセス)があるところなら有効です。
Q2. TOCを実践すると何が改善しますか?
A2. 主に「スループット(処理量)」の向上、在庫の削減、リードタイム短縮などが期待できます。
Q3. TOCは導入が難しいですか?
A3. 基本は「制約の特定→改善」の繰り返しなので、段階的に進めれば導入は可能です。重要なのはデータに基づいて制約を見つけることです。
Q4. TOCとリーンは併用できますか?
A4. できます。TOCで制約を解消し、リーンで全体のムダを減らす、という使い分けがよく行われます。

関連キーワード: ボトルネック、制約理論、TOC、フォーカシングステップ、スループット、プロセス改善、ゴールドラット、リーン、シックスシグマ、CRM、SFA、HRM
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