ITパスポート 2017年 春期 問43
問題文
プロジェクトのスコープにはプロジェクトの成果物の範囲を表す成果物スコープと、プロジェクトの作業の範囲を表すプロジェクトスコープがある。受注したシステム開発のプロジェクトを推進中に発生した事象a〜cのうち、プロジェクトスコープに影響が及ぶものだけを全て挙げたものはどれか。
a 開発する機能要件の追加
b 担当するシステムエンジニアの交代
c 文書化する操作マニュアルの追加
選択肢
ア:a, b
イ:a, c(正解)
ウ:b
エ:b, c
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プロジェクトスコープと成果物スコープの判定問題【ITパスポート 解説】
正解の理由
この問題で正しいのは イ(a と c)です。理由は次の通りです。
- 成果物スコープは「何を作るか(成果物の範囲)」を示します。プロジェクトスコープは「その成果物を作るために何をするか(作業の範囲)」を示します。
- a「開発する機能要件の追加」は、作るもの(成果物)が増えるため、必然的にそれを実装する作業が増えます。よってプロジェクトの作業範囲(プロジェクトスコープ)に影響します。
- c「文書化する操作マニュアルの追加」も、マニュアルという成果物が増えるため、それを作るための作業(調査・執筆・校正など)が増え、プロジェクトスコープに影響します。
- b「担当するシステムエンジニアの交代」は、人員(リソース)の変更であり、作業の範囲そのものを変えるものではありません。したがってプロジェクトスコープには直接影響しません(ただし進捗や品質には影響する可能性があります)。
解法ステップ
- 各事象が「何を変えるか」を確認する。成果物(何を作るか)か、作業(やること)か、あるいは人や費用などのリソースか。
- 「プロジェクトスコープ」は作業の範囲なので、作業量や作業内容が増減するかどうかで判断する。
- a は機能追加で作業が増える、c はマニュアル作成で作業が増える。b は人の入れ替えで作業範囲は変わらない。
- 以上より、プロジェクトスコープに影響するのは a と c → 選択肢は イ。
選択肢別の誤答解説
- ア: a, b
- 間違い。a は正しく影響するが、b(人の交代)はスコープではなくリソースの変更です。
- イ: a, c
- 正しい。どちらも成果物の追加・変更に伴って作業が増えるため、プロジェクトスコープに影響します。
- ウ: b
- 間違い。b のみでは作業範囲そのものは変わらないためプロジェクトスコープの影響とは言えません。
- エ: b, c
- 間違い。c は影響しますが、b は影響しません。したがって組み合わせとして誤りです。
よくある誤解
- 「人が入れ替わる=スコープが変わる」
- 誤りです。担当者や人数の変更はリソースの問題で、作業の範囲(何をやるか)が変わらない限りスコープ変更には当たりません。
- 「マニュアルやテストは付帯業務だからスコープに含まれない」
- マニュアルやテストも立派な成果物です。追加すれば作業が増えるのでスコープに含まれます。
- 「成果物スコープだけが変わればプロジェクトに影響しない」
- 成果物が変われば、それを作るための作業やスケジュール、コストも変わります。成果物スコープの変更は通常、プロジェクトスコープにも波及します。
補足コラム
- スコープ管理の実務では、変更が発生したら「変更要求(変更管理)」を出します。変更要求では、影響を受ける成果物、追加作業、追加コスト、スケジュールへの影響などを評価します。
- WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成)は、プロジェクトスコープ(作業)を細かく分けたものです。機能追加やドキュメント追加があればWBSに項目を追加して工数を見積もります。
- スコープがだんだん増えてしまう現象は「スコープクリープ(scope creep)」と呼ばれます。未管理の追加を避けるため、変更管理をきちんと行うことが重要です。
FAQ
Q1: 「テストを増やす」はプロジェクトスコープに入りますか?
A1: はい。テストの追加は実施する作業が増えるため、プロジェクトスコープに含まれます。
A1: はい。テストの追加は実施する作業が増えるため、プロジェクトスコープに含まれます。
Q2: 人を増やして早く終わらせる場合、スコープは変わりますか?
A2: いいえ。作業の中身(何をするか)が同じであればスコープは変わりません。リソース(人員)やスケジュールが変わるだけです。
A2: いいえ。作業の中身(何をするか)が同じであればスコープは変わりません。リソース(人員)やスケジュールが変わるだけです。
Q3: 契約で「成果物にマニュアルを含む」と書いてあればどう扱うべきですか?
A3: 契約文書や仕様書に成果物として明記されているなら、それは初期の成果物スコープです。後から追加するときは契約変更(合意)と変更管理が必要です。
A3: 契約文書や仕様書に成果物として明記されているなら、それは初期の成果物スコープです。後から追加するときは契約変更(合意)と変更管理が必要です。
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