ITパスポート 2018年 秋期 問18
問題文
バランススコアカードを用いて戦略立案する際、策定した戦略目標ごとに、その実現のために明確化する事項として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:企業倫理
イ:経営理念
ウ:重要成功要因(正解)
エ:ビジョン
🔒 解説は解答すると表示されます
バランススコアカードで戦略目標ごとに明確化する事項は何か【ITパスポート 解説】
正解の理由
バランススコアカード(Balanced Scorecard:戦略を実行するための管理ツール)は、戦略目標ごとに「何を達成すればその目標が実現できるか」を明確にします。これに該当するのが ウ の重要成功要因(KSF、Key Success Factors:成功のために特に重要な要素)です。
KSFは「その戦略目標を達成するために必ずうまくいかなければならない要素」を示します。バランススコアカードでは、戦略目標→重要成功要因(KSF)→KPI(業績指標)→目標値→施策、という流れで具体化するため、選択肢の中では ウ が最も適切です。
KSFは「その戦略目標を達成するために必ずうまくいかなければならない要素」を示します。バランススコアカードでは、戦略目標→重要成功要因(KSF)→KPI(業績指標)→目標値→施策、という流れで具体化するため、選択肢の中では ウ が最も適切です。
解法ステップ
試験問題を短時間で判断する方法:
- 「バランススコアカード」の目的を思い出す:戦略を具体的な測定・施策につなげること。
- 問いが求める粒度を確認する:戦略目標ごとに「明確化する事項」。つまり、目標を達成するための“行動に直結する要素”を求めている。
- 各選択肢を当てはめる:
- 企業倫理、経営理念、ビジョンは企業全体の理念・方向性であり、戦略目標ごとの具体的な達成要因ではない。
- 重要成功要因は「その目標を達成するための具体的な要素」で一致する。
- よって ウ を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 企業倫理
企業倫理(corporate ethics:企業が守るべき道徳やルール)は重要ですが、全社的な基準や行動規範です。戦略目標「ごとに」明確化して、達成の可否を測るものではありません。 -
イ: 経営理念
経営理念(mission:企業が存在する理由や基本方針)は会社全体の価値観・目的を示します。戦略立案の土台にはなりますが、個々の戦略目標の達成要因を直接表すものではありません。 -
ウ: 重要成功要因(KSF)
正解。戦略目標ごとに「何が重要か(成功のための条件)」を明確にするもので、BSCで具体的な指標や施策へ落とし込む際に使います。 -
エ: ビジョン
ビジョン(vision:将来のあるべき姿、目指す方向)は長期的な目標像です。これも戦略の出発点にはなりますが、個別の戦略目標を実現するための具体的要素とは性質が異なります。
よくある誤解
-
KSFとKPIを混同する
- 誤解:KSF=測る指標(KPI)だと考える。
- 正しくは:KSFは「何をうまくやるべきか(成功条件)」。KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)はそのKSFがうまくいっているかを「数値で測るもの」です。
-
ビジョンや経営理念も「明確化事項」だと思う
- 誤解:ビジョンや理念を各戦略目標で詳細化するのがBSCだと考える。
- 正しくは:ビジョンや理念は上位概念で、BSCではそれを実現するための具体的目標(とそのKSF/KPI)を設定します。階層が違います。
-
企業倫理を戦術レベルで設定することがあると勘違いする
- 誤解:倫理も目標ごとに具体化してKPIにするべきだとする。
- 補足:倫理は行動基準としてKPI化される場合もありますが、BSCで「戦略目標ごとに明確化する主要項目」は通常KSFです。
補足コラム
バランススコアカードは1990年代にロバート・カプラン(Robert Kaplan)とデイビッド・ノートン(David Norton)が提唱しました。特徴は財務だけでなく「顧客」「業務プロセス」「学習と成長」など複数の視点(perspectives)で戦略を評価する点です。
一例の流れ(簡単な例):
一例の流れ(簡単な例):
- 戦略目標:顧客満足度の向上
- 重要成功要因(KSF):迅速な顧客対応、製品品質の安定
- KPI:初回対応時間、クレーム件数、顧客満足度スコア
- 目標値:初回対応24時間以内で80%以上の達成
- 施策:サポート体制の強化、品質検査の改善
このようにKSFが橋渡し役をします。
FAQ
Q1: KSFはどのくらいの粒度で書けばよいですか?
A1: 実務では「その戦略が成功するために特に重要な1〜3点」を明示するのが一般的です。あまり多すぎると焦点がぼやけます。
A1: 実務では「その戦略が成功するために特に重要な1〜3点」を明示するのが一般的です。あまり多すぎると焦点がぼやけます。
Q2: KSFとCSFは違いますか?
A2: 違いはありません。CSFはCritical Success Factorsの略で、日本語では重要成功要因。KSFは同義語です。
A2: 違いはありません。CSFはCritical Success Factorsの略で、日本語では重要成功要因。KSFは同義語です。
Q3: KPIはどうやって決めれば良いですか?
A3: KSFを元に、「成功かどうかを判断できる数値」を選びます。具体的で測定可能(数値化可能)であることが重要です。例:「応答時間(分)」や「顧客満足度(5点満点)」など。
A3: KSFを元に、「成功かどうかを判断できる数値」を選びます。具体的で測定可能(数値化可能)であることが重要です。例:「応答時間(分)」や「顧客満足度(5点満点)」など。
Q4: 倫理や理念はBSCに一切出てこないですか?
A4: 出てくることはあります。特に「組織文化」や「コンプライアンス」を学習と成長の視点や内部プロセスに含め、関連KPIを設定する場合があります。しかし「戦略目標ごとに明確にする事項」として最も該当するのはKSFです。
A4: 出てくることはあります。特に「組織文化」や「コンプライアンス」を学習と成長の視点や内部プロセスに含め、関連KPIを設定する場合があります。しかし「戦略目標ごとに明確にする事項」として最も該当するのはKSFです。
関連キーワード: バランススコアカード、戦略マップ、KSF、CSF、KPI、戦略目標、戦略実行、施策設計

\ せっかくなら /
ITパスポートを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

