ITパスポート 2018年 秋期 問20
問題文
ある製造販売会社の経営戦略の策定において、取引先との協力の下で、“調達から製造、配送及び販売に至る一連のプロセスの最適化”という戦略目標が掲げられた。この戦略目標を実現するために構築する情報システムとして、適切なものはどれか。
選択肢
ア:CRM
イ:POS
ウ:SCM(正解)
エ:SFA
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調達から販売までのプロセス最適化に適した情報システム【ITパスポート 解説】
正解の理由
設問は「調達から製造、配送及び販売に至る一連のプロセスの最適化」を目標としています。これは部品の仕入れ(調達)から物を作る(製造)、送り届ける(配送)、売る(販売)までの流れ、すなわちサプライチェーン全体を対象にしています。サプライチェーン全体を管理・最適化する情報システムは、SCM(Supply Chain Management:サプライチェーン管理)です。したがって、選択肢の中では ウ が適切です。
ポイントをかみ砕くと:
- SCM(Supply Chain Management:供給網管理)は、複数の企業(仕入先・メーカー・物流・小売り)が関わる一連の流れをつなぎ、在庫・納期・コストなどを最適化します。
- 問題文の「調達→製造→配送→販売」というフローはまさにSCMの対象範囲です。
解法ステップ
- 問題文で強調されている語句を確認する:"調達から製造、配送及び販売に至る一連のプロセス"(=全体の流れ、複数の業者をまたぐ連携)。
- 各選択肢が対象とする範囲を短く頭の中で確認する。
- CRM:顧客との関係管理(顧客情報やマーケティング中心)
- POS:販売時点のデータ収集(店舗でのレジデータなど)
- SCM:供給網(調達〜製造〜物流〜販売)の管理
- SFA:営業活動の支援(営業プロセスの管理・効率化)
- 問題の範囲(サプライチェーン全体)と一致する選択肢を選ぶ。該当するのはSCMであるため ウ を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)
誤りの理由:CRMは顧客情報の一元管理や顧客対応、マーケティング強化を目的とします。販売後の顧客満足やリテンション(顧客維持)には強いですが、調達や製造、物流などサプライチェーン全体の最適化までは対象にしません。 -
イ: POS(Point of Sale:販売時点情報管理)
誤りの理由:POSは主に店舗での販売データ(何がいつどれだけ売れたか)を収集する仕組みです。販売データは需要予測や在庫管理に役立ちますが、調達・製造・配送をまたいだプロセス全体を管理・最適化する機能は基本的に持ちません。 -
エ: SFA(Sales Force Automation:営業支援)
誤りの理由:SFAは営業担当者の活動(訪問記録・商談管理・案件進捗など)を効率化するツールです。営業プロセスの改善には有効ですが、調達や製造・物流といったサプライチェーン管理の範疇ではありません。
よくある誤解
-
「販売(Sales)が入っているからCRMやSFAも適切」と考えるミス
- 誤解の理由:販売という語が入っていると全体最適化に役立ちそうに見えますが、CRMやSFAは顧客接点や営業行為の最適化に特化しており、調達→製造→配送といったサプライチェーン全体は範囲外です。
-
「POSが売上データを持つからSCMと同じだ」と考えるミス
- 誤解の理由:POSはSCMに必要なデータソースの一つです。ですがPOS自体はデータ取得・集計が中心で、仕入れ調整や生産計画、物流連携といったサプライチェーン最適化の機能は持ちません。
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「SCMは物流だけ」と狭く考えるミス
- 誤解の理由:SCMは物流(配送)を含みますが、それだけでなく調達や製造、在庫管理、販売連携なども含む広い概念です。
補足コラム
SCM(Supply Chain Management:サプライチェーン管理)は、単に「運ぶ」ことを効率化するだけではありません。典型的な機能・取り組みには次のようなものがあります。
- 需要予測と生産計画の連携(何をどれだけ作るかを決める)
- 在庫最適化(過剰在庫や品切れを減らす)
- 発注や納期管理の自動化(EDI:Electronic Data Interchange:データを電子的に交換する仕組み)
- サプライヤーとの情報共有(VMI:Vendor Managed Inventory:供給業者が在庫管理する方式)
- IoT(Internet of Things:モノのインターネット)センサーで在庫や輸送状況をリアルタイム監視
導入による期待効果は、リードタイム短縮、在庫コスト削減、サービスレベル向上、そして取引先との協力による全体コスト低減などです。
FAQ
Q1: SCMとERP(Enterprise Resource Planning:統合業務システム)はどう違いますか?
A1: ERPは会計・購買・在庫・生産など企業内の業務を統合するシステムです。SCMは企業間を含むサプライチェーン全体の最適化に焦点を当てます。企業内だけならERP、サプライチェーン全体ならSCMと覚えるとよいです。
A1: ERPは会計・購買・在庫・生産など企業内の業務を統合するシステムです。SCMは企業間を含むサプライチェーン全体の最適化に焦点を当てます。企業内だけならERP、サプライチェーン全体ならSCMと覚えるとよいです。
Q2: 小売店ではPOSとSCMどちらが先に必要ですか?
A2: POSは販売データ取得の基盤なので早期導入が有効です。POSデータはSCMでの需要予測や発注最適化に利用されます。両者は補完関係です。
A2: POSは販売データ取得の基盤なので早期導入が有効です。POSデータはSCMでの需要予測や発注最適化に利用されます。両者は補完関係です。
Q3: 中小企業でもSCMは必要ですか?
A3: 規模に応じて導入範囲を調整すれば有効です。まずは発注・在庫・納期の見える化から始め、段階的にサプライヤーとの連携を進める方法が現実的です。
A3: 規模に応じて導入範囲を調整すれば有効です。まずは発注・在庫・納期の見える化から始め、段階的にサプライヤーとの連携を進める方法が現実的です。
Q4: SCM導入で注意する点は?
A4: データ品質(正確な在庫・発注情報)、取引先との情報共有ルール、段階的な導入と現場の運用負荷軽減が重要です。
A4: データ品質(正確な在庫・発注情報)、取引先との情報共有ルール、段階的な導入と現場の運用負荷軽減が重要です。
関連キーワード: SCM、サプライチェーン、供給網管理、在庫管理、需要予測、物流、EDI、VMI、ERP、POS、CRM、SFA、IoT、最適化、リードタイム、ベンダー管理

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