ITパスポート 2018年 春期 問06
問題文
システムのライフサイクルプロセスの一つに位置付けられる、要件定義プロセスで定義するシステム化の要件には、業務要件を実現するために必要なシステム機能を明らかにする機能要件と、それ以外の技術要件や運用要件などを明らかにする非機能要件がある。非機能要件だけを全て挙げたものはどれか。
a 業務機能間のデータの流れ
b システム監視のサイクル
c 障害発生時の許容復旧時間
選択肢
ア:a, c
イ:b
ウ:b, c(正解)
エ:c
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要件定義で問われる「非機能要件」の見分け方【ITパスポート 解説】
正解の理由
要件定義での「非機能要件(non-functional requirements:機能以外の要件)」とは、システムが「どのように振る舞うか」「運用や技術面でどうあるべきか」を示す要件です。一方「機能要件」は業務を実現するためにシステムが持つ具体的な機能(例:データ入力、計算、帳票出力など)を示します。
選択肢のうち、システム監視のサイクル(b)と障害発生時の許容復旧時間(c)は、運用や可用性に関わる項目であり、いずれも機能ではなく非機能要件です。したがって正しい組合せは ウ(b, c)です。
選択肢のうち、システム監視のサイクル(b)と障害発生時の許容復旧時間(c)は、運用や可用性に関わる項目であり、いずれも機能ではなく非機能要件です。したがって正しい組合せは ウ(b, c)です。
解法ステップ
- 用語の定義を確認する
- 機能要件:業務を達成するためにシステムが「何をするか」。
- 非機能要件:性能・信頼性・運用・保守性など、システムが「どのようにあるべきか」。
- 各選択肢を「何を表しているか」で分類する
- a「業務機能間のデータの流れ」→業務の処理(何をするか)=機能要件。
- b「システム監視のサイクル」→運用に関する取り決め=非機能要件。
- c「障害発生時の許容復旧時間」→可用性・復旧に関する性能=非機能要件。
- 非機能要件だけを含む選択肢を選ぶ
- bとcのみを含む ウ が該当。
選択肢別の誤答解説
- ア(a, c)
aが機能要件なので「非機能だけ」にはならず誤りです。 - イ(b)
bだけではcが抜けています。監視は非機能ですが、問題は「非機能だけを全て挙げたもの」なので c も必要です。 - ウ(b, c)
正解。どちらも運用・可用性に関する非機能要件です。 - エ(c)
cは非機能ですが、b(システム監視)も非機能なので c のみでは不十分です。
よくある誤解
- 「データの流れ=運用要件」と考える誤り
- データの流れは業務フローや機能(どの機能がどのデータを渡すか)を示すため、機能要件に分類されます。運用に関わるのは監視やバックアップの頻度などです。
- 「監視はシステムの機能だ」と考える誤り
- 監視自体をシステムの一部として実装する場合もありますが、問題文の文脈では「監視のサイクル(どのくらいの頻度で監視するか)」という運用方針を指しており、非機能要件になります。
補足コラム
非機能要件には他にも次のようなものがあります(覚えやすく英語と簡単な説明を添えます):
- 可用性(Availability):システムが稼働している割合。例:99.9%稼働。
- 性能(Performance):処理速度や応答時間。例:応答時間は1秒以内。
- 信頼性(Reliability):故障の頻度や平均故障間隔(MTBF)。
- 保守性(Maintainability):修正やアップデートのしやすさ。
- セキュリティ(Security):認証・暗号化・アクセス制御など。
- 運用性(Operability):監視、バックアップ、ログ管理の手順。
- 復旧時間(RTO:Recovery Time Objective)と復旧点(RPO:Recovery Point Objective)
- RTOは「障害が発生してからどれくらいで復旧させるか」の許容時間です(cに該当する考え方)。RTOはサービスの可用性要件を示す定量的な値としてよく使われます。
実務では、機能要件と非機能要件の両方を明確にしておくことが重要です。例えば「月次レポートを自動作成する(機能)」だけでなく「夜間バッチは2時間以内に完了すること(性能の非機能)」のように定量化します。
FAQ
Q1. 非機能要件は必ず数値で書くべきですか?
A1. 可能な限り数値や基準で書くと検証しやすくなります。例えば「高い可用性」ではなく「稼働率99.9%以上」とする方が具体的です。
A1. 可能な限り数値や基準で書くと検証しやすくなります。例えば「高い可用性」ではなく「稼働率99.9%以上」とする方が具体的です。
Q2. 監視サイクルが非機能要件なのはなぜですか?
A2. 監視サイクルは「どの程度の頻度で運用上のチェックを行うか」という運用方針です。方針や手順は機能ではなく運用要件=非機能に該当します。
A2. 監視サイクルは「どの程度の頻度で運用上のチェックを行うか」という運用方針です。方針や手順は機能ではなく運用要件=非機能に該当します。
Q3. 機能要件と非機能要件は重なることがありますか?
A3. 実装により監視機能などがシステムの機能として提供される場合、両者が関連します。ただし要件の分類は「目的(業務を達成するか/運用・性能・安全性か)」で判断します。
A3. 実装により監視機能などがシステムの機能として提供される場合、両者が関連します。ただし要件の分類は「目的(業務を達成するか/運用・性能・安全性か)」で判断します。
関連キーワード: 非機能要件、機能要件、要件定義、可用性、運用要件、RTO、監視サイクル、性能要件、信頼性、保守性

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