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ITパスポート 2018年 春期 12


問題文

バリューチェーンの説明として、適切なものはどれか。

選択肢

企業が提供する製品やサービスの付加価値が事業活動のどの部分で生み出されているかを分析するための考え方である。(正解)
企業内部で培った中核的な力(企業能力)のことであり、自社独自の価値を生み出す源泉となるものである。
製品や市場は必ず誕生から衰退までの流れをもち、その段階に応じてとるべき戦略が異なるとする考え方である。
全社的な観点から製品又は事業の戦略的な位置付けをして、最適な経営資源の配分を考えようとするものである。

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バリューチェーンの説明【ITパスポート 解説】

正解の理由

バリューチェーンは、企業が提供する製品やサービスの「付加価値(価値を付け加えること)」が事業活動のどの部分で生み出されているかを分析する考え方です。これはマイケル・ポーター(Michael Porter)が提唱した概念で、企業活動を連鎖する「活動(チェーン)」として捉え、どこで価値が作られ、どこでコストが発生するかを明らかにします。したがって、選択肢のうち、製品やサービスの付加価値がどの部分で生まれるかを分析する、と述べている が正しい説明です。
(ポイント)
  • 「付加価値」がキーワード。どの活動が顧客にとっての価値を生むのかを見つけるのが目的です。
  • 代表的な活動例:仕入れ→製造→販売→アフターサービス、これらをつなげて分析します。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを探す:「付加価値」「どの部分で生み出されているか」など。
  2. それがどの概念を説明しているかを思い出す。付加価値の発生箇所を分析するのは「バリューチェーン」。
  3. 他の選択肢と照らし合わせる。似た用語(コア・コンピタンス、製品ライフサイクル、事業ポートフォリオ)は別の概念であると確認して消去する。
  4. 最終的に付加価値を分析するものとして を選ぶ。
短時間での解法ポイント:問題の中心ワード(付加価値/どこで生まれるか)を見つけ、ポーターのバリューチェーンを連想すれば正答にたどり着けます。

選択肢別の誤答解説

  • ア(正解):
    • 企業活動の各プロセスがどれだけ価値を生んでいるかを分析する考え方。主活動(inbound logistics, operations, outbound logistics, marketing & sales, service)と支援活動(調達、技術開発、人事、インフラ)に分けて考える点が特徴です。
  • イ:
    • これは「コア・コンピタンス(core competence:企業が内部で培った中核的な能力)」の説明です。コア・コンピタンスは自社だけの強みや技術、ノウハウなど価値を生む源泉を指しますが、「どの事業活動の部分で価値が生まれているかを分析する」こと自体を指すものではありません。目的が「どこで生まれているかの分析」か「企業の強みそのもの」かで異なります。
  • ウ:
    • これは「製品ライフサイクル(Product Life Cycle:PLC)」の考え方です。製品や市場が導入→成長→成熟→衰退という段階を持ち、段階に応じて戦略を変えるという説明であり、バリューチェーンとは別のフレームワークです。
  • エ:
    • これは「事業ポートフォリオ(製品・事業の配置と資源配分)」の説明です。代表的な手法に BCG(Boston Consulting Group)マトリクスがあります。全社的な観点で事業の位置付けと資源配分を考えるもので、バリューチェーンの「活動別に価値を分析する」という意味とは異なります。

よくある誤解

  1. 「バリューチェーンは『会社全体の戦略』そのものだ」
    → 部分的に関係しますが、バリューチェーンは主に「活動ごとの価値創出とコストの分析」が目的で、全体の事業ポートフォリオや戦略立案とは役割が違います。
  2. 「コア・コンピタンスとバリューチェーンは同じ」
    → コア・コンピタンスは企業の強み(何が得意か)を指し、バリューチェーンはどの活動で価値が生まれるかを分類・分析する手法です。結びつくことはありますが同義ではありません。
  3. 「バリューチェーンは製造業だけの考え方」
    → サービス業や小売業などでも、価値が生まれる活動を分解して分析できます。たとえばカフェなら「仕入れ→調理→接客→清掃」が活動です。

補足コラム

バリューチェーンは1985年にマイケル・ポーターが提唱しました。彼は企業を「価値を作る活動の連鎖」として図示し、どの活動を強化すれば競争優位(他社より優れている点)を得られるかを示しました。実務では次のように使います。
  • コスト削減:どの工程がコスト高かを特定して改善する。
  • 差別化:どの活動で顧客にとっての価値が高まるかを見つけ、その活動に投資する。
  • アウトソーシング判断:価値を生まない活動は外部に委託するか検討する。
具体例(小売業):
  • 主活動:仕入れ(仕入れ先管理)→陳列・販売(店舗運営)→配達・アフターサービス
  • 支援活動:店舗管理システム(IT)、人材育成、店舗設計
    この分析から「店頭の接客が差別化要因であれば、接客教育に注力する」といった戦略が導かれます。

FAQ

Q1: バリューチェーンとサプライチェーン(supply chain)の違いは?
A1: サプライチェーン(供給連鎖)は原材料の調達から顧客に届くまでの流れを広く見る概念です。一方、バリューチェーンは自社の活動ごとに「どこで価値が生まれるか」を分析するフレームワークです。重なる部分もありますが、焦点が異なります。
Q2: 試験で「付加価値」という言葉が出たら、まず何を考えればよいですか?
A2: 「どの活動で価値が作られているか」を問う問題ならバリューチェーンを連想します。まずは問題文の目的(分析か、強みの説明か、ライフサイクルか)を確認して切り分けましょう。
Q3: バリューチェーンはどの業種にも使える?
A3: はい。製造業だけでなく、サービス業、小売、ITサービスなどでも適用できます。活動をその業種に合わせて分解して考えればよいだけです。

関連キーワード: バリューチェーン, 付加価値, ポーター, コア・コンピタンス, 製品ライフサイクル, 事業ポートフォリオ, BCGマトリクス, 価値分析
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