ITパスポート 2018年 春期 問19
問題文
前期と当期の損益計算書を比較したとき、前期から当期における変化の説明として、適切なものはどれか。

選択肢
ア:売上総利益が1,500百万円増となった。
イ:営業利益が50%増となった。
ウ:経常利益が2倍となった。(正解)
エ:当期純利益は増減しなかった。
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経常利益の増減【ITパスポート解説】
正解の理由
当期の経常利益が前期のちょうど2倍になっているため、選択肢の中ではウが正しいです。計算すると、前期の経常利益は550百万円、当期は1,100百万円で、1,100 ÷ 550 = 2(2倍)になります。特別利益・特別損失は前期で「特別利益10・特別損失10」で相殺され合計0、当期は双方0で合計0のため、特別項目は期間比較に影響していません(経常利益そのものにも含まれません)。また法人税の増減は当期純利益に影響しますが、経常利益の比較結果には関係しません。
解法ステップ
まず損益の基本公式を押さえます。
- 売上総利益(粗利) = 売上高 − 売上原価
- 営業利益 = 売上総利益 − 販売費及び一般管理費(販管費)
- 経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 − 営業外費用
- 当期純利益 = 経常利益 + 特別利益 − 特別損失 − 法人税等
実際の数値で順に計算します(単位:百万円)。
- 売上総利益
- 前期:
- 当期:
→ 増加額 =
- 営業利益
- 前期:
- 当期:
→ 増加額 = (増加率 100%)
- 経常利益
- 前期:
- 当期:
→ 1,100 は 550 の 2倍(増加率 100%/倍率 2倍)
- 当期純利益
- 前期:(特別項目は相殺で0)
- 当期:
→ 600 は 300 の 2倍、純利益も増加
以上から経常利益が2倍になっているため、ウが正解です。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「売上総利益が1,500百万円増となった。」
誤り。売上総利益は前期1,500 → 当期2,000で、増加は500百万円です。1,500は前期の売上総利益そのものの値と混同しやすい点に注意。 - イ: 「営業利益が50%増となった。」
誤り。営業利益は500 → 1,000で増加幅500、増加率は100%(2倍)です。50%は誤算です。 - ウ: (正解)「経常利益が2倍となった。」
正しい。前期550 → 当期1,100でちょうど2倍です。 - エ: 「当期純利益は増減しなかった。」
誤り。前期300 → 当期600で増加しています。特別利益・損失は前期で相殺され、当期はそもそも無いため純利益の増減は経常利益と法人税の差から生じています。
よくある誤解
- 特別利益・特別損失を経常利益に含めてしまう
- 特別損益は「臨時・一度きりの項目」で経常利益には含みません。経常利益は日常的な事業活動と通常の財務活動の結果です。今回も前期の特別項目は相殺でゼロ、当期はゼロなので経常利益比較に影響しません。
- 増加率の計算ミス(分母を間違える)
- 増加率は「増加額 ÷ 前期の値」で計算します。今回、営業利益は500増で前期500なので増加率は100%です(50%ではありません)。
- 売上総利益と営業利益を混同する
- 売上総利益は原価差(商品の仕入れや製造コスト)だけを見た値です。販管費を引いてはじめて営業利益になります。問題では販管費が同額のため売上総利益の増加がそのまま営業利益の増加につながっていますが、違うケースもあり得ます。
補足コラム
- 経常利益の意味:経常利益は英語で ordinary profit(直訳すると「通常の利益」)と呼ばれます。会社の本業の利益(営業利益)に加え、預金の利息や借入金の利息などの通常の金融活動の影響を加えたものです。株式の売却益や災害による損失などの「特別」な項目は除かれます。業績を見るとき、経常利益は「継続的に期待できる儲け」の指標として重視されます。
- 試験対策のコツ:損益計算書は上から下へ順に計算します。まず売上総利益→営業利益→経常利益→税引前・当期純利益の順で計算し、途中で特別項目や税の位置を確認するとミスが減ります。
FAQ
Q1: 経常利益に法人税は含まれますか?
A1: 含まれません。法人税等は経常利益の後に差し引かれ、当期純利益に影響します。
A1: 含まれません。法人税等は経常利益の後に差し引かれ、当期純利益に影響します。
Q2: 特別利益があるとどう判断すればいいですか?
A2: 特別利益は一時的な要因なので、業績の「継続性」を見る場合は経常利益で判断し、特別利益は別途注目します。問題文では前期は特別利益10・特別損失10で合計0、当期は双方0なので比較に影響しません。
A2: 特別利益は一時的な要因なので、業績の「継続性」を見る場合は経常利益で判断し、特別利益は別途注目します。問題文では前期は特別利益10・特別損失10で合計0、当期は双方0なので比較に影響しません。
Q3: 増加率を聞かれたら何を使う?
A3: 基本は「増加額 ÷ 前期の値」です(例:500増で前期500なら500÷500=1=100%)。
A3: 基本は「増加額 ÷ 前期の値」です(例:500増で前期500なら500÷500=1=100%)。
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