ITパスポート 2018年 春期 問24
問題文
営業秘密の要件に関する記述a~dのうち、不正競争防止法に照らして適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
a 公然と知られていないこと
b 利用したいときに利用できること
c 事業活動に有用であること
d 秘密として管理されていること
選択肢
ア:a, b
イ:a, c, d(正解)
ウ:b, c, d
エ:c, d
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営業秘密の要件に関する問題【ITパスポート 解説】
正解の理由
営業秘密(trade secret:企業が秘密にしている価値ある情報)は、不正競争防止法(不当な競争行為を禁止・規制する法律)で保護されます。法律が定める要件は主に次の3点です。
- 公然と知られていないこと(一般に知られていないこと)
- 事業活動に有用であること(ビジネス上の有利性や価値があること)
- 秘密として管理されていること(合理的な秘密管理がなされていること)
選択肢の中では、これら3点を満たす組合せが イ(a, c, d)です。したがって、正しい要件は a, c, d であり、イ が正解になります。
解法ステップ
- 問題文で「営業秘密の要件」とあるので、不正競争防止法に定める営業秘密の要件を思い出す。
- 法律上の要件は「公然と知られていないこと」「事業活動に有用であること」「秘密として管理されていること」の3点であることを確認する。
- 各選択肢(a〜d)を照らし合わせ、該当する組合せを選ぶ。
- 「利用したいときに利用できること」(b)は法的要件ではないため、b を含む選択肢は不正解と判断する。
選択肢別の誤答解説
-
ア: a, b
a(公然と知られていないこと)は正しいが、b(利用したいときに利用できること)は法律の要件ではありません。したがって不正解です。
※「利用できること」は便宜上ありがたい性質ですが、要件ではありません。 -
イ: a, c, d
a, c, d の3点は不正競争防止法が要求する営業秘密の要件に合致します。これが正解です。 -
ウ: b, c, d
c(事業活動に有用)と d(秘密として管理)は正しい要件ですが、b が不要のためこの組合せは不正解です。 -
エ: c, d
c と d は要件の一部ですが、もう一つの重要な要件である a(公然と知られていないこと)が欠けています。従って不正解です。
よくある誤解
- 「秘密として管理されていれば営業秘密になる」は誤り。管理は必要条件ですが、それだけでは不十分で、「公然と知られていないこと」と「事業に有用であること」も満たす必要があります。
- 「利用しやすさ(いつでも使えること)が要件だ」と考える誤り。日常的に使えることは利便性の話であって、法的要件ではありません。
- 「社内の誰かに知られていれば公然と知られている」と思う誤解。社内で必要最小限の者にのみ開示しており、外部に広く知られていなければ「公然と知られていない」と評価されることがあります(ただし管理の仕方が重要)。
補足コラム
- 秘密として管理する具体例:アクセス制限(パスワード、権限管理)、物理的保管(施錠)、秘密保持契約(NDA:Non-Disclosure Agreement)など。これらは「合理的な管理措置」として評価されます。
- 営業秘密と特許の違い:特許は「公開と引換えに一定期間独占権を得る」制度です。営業秘密は公開しなければ保護されますが、第三者が独自に発見・逆解析すれば保護が及ばない点に注意してください。
- 保護期間:営業秘密には特定の法定保護期間はありません。情報が秘密であり続ける限り、理論上は保護されます。
具体例:
- 顧客名簿(外部に公開されていない、事業に有用、適切に管理されている)→ 営業秘密になり得る。
- 社内メモで「今週の昼食メニュー」→ 事業に有用でないため営業秘密には当たらない。
FAQ
Q1. 秘密保持契約(NDA)を結んでいれば必ず営業秘密になる?
A1. NDAは秘密管理の有力な証拠になりますが、他の要件(公然と知られていない、事業に有用)も満たす必要があります。
A1. NDAは秘密管理の有力な証拠になりますが、他の要件(公然と知られていない、事業に有用)も満たす必要があります。
Q2. 情報が一度漏えいしたらもう営業秘密とは言えない?
A2. 漏えいの範囲によります。一般に広く知られる状態になれば「公然と知られている」と評価され、営業秘密性は失われます。
A2. 漏えいの範囲によります。一般に広く知られる状態になれば「公然と知られている」と評価され、営業秘密性は失われます。
Q3. アイデアやノウハウも営業秘密になる?
A3. 具体的に文書化・体系化され、事業に有用でかつ秘密管理されていれば営業秘密になり得ます。ただし単なる「発想」だけでは不十分なことが多いです。
A3. 具体的に文書化・体系化され、事業に有用でかつ秘密管理されていれば営業秘密になり得ます。ただし単なる「発想」だけでは不十分なことが多いです。
Q4. どうやって証明するの?
A4. 管理のログ、アクセス制御の記録、NDA、社内規程、保存場所の写真などが証拠になります。
A4. 管理のログ、アクセス制御の記録、NDA、社内規程、保存場所の写真などが証拠になります。
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