ITパスポート 2018年 春期 問25
問題文
製品の開発から出荷までの工程を開発、生産計画、製造、出荷とするとき、FMS (Flexible Manufacturing System)の導入によって省力化、高効率化できる工程として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:開発
イ:生産計画
ウ:製造(正解)
エ:出荷
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FMSの導入で省力化・高効率化できる工程はどれか【ITパスポート 解説】
正解の理由
FMS(Flexible Manufacturing System:柔軟な生産システム)は、工作機械や搬送装置、ロボットなどを自動化・連携させて、複数種類の製品を効率よく、少人数で生産できるようにする仕組みです。つまり、機械が実際に加工・組立を行う「製造」工程で効果を発揮します。したがって、省力化・高効率化できる工程はウ(製造)です。
ポイントを簡単に言うと:
- FMSは「ものを作るための装置の自動化と柔軟運用」に関する仕組みです。
- 開発(設計)や出荷、計画は人の判断や情報処理が中心で、FMSのハード・制御部分が直接効くのは製造現場です。
解法ステップ
- FMSの意味を確認する:Flexible Manufacturing Systemで、工場の製造ラインの自動化・柔軟化を指す。
- 各選択肢の役割を短く整理する:
- 開発:製品の設計や試作(考える・設計する工程)
- 生産計画:いつ・どれだけ作るか決める管理の工程
- 製造:実際に機械や人が部品を加工・組立する工程
- 出荷:完成品を梱包して顧客へ送る工程
- FMSが直接関係するのは「機械やロボットで作業を行う」工程であることから、該当するのは製造であると判断する。
選択肢別の誤答解説
-
ア:開発
開発はアイデア出しや設計(図面作成、試作など)。FMSは工作機械の自動化に関するため、開発そのものを省力化する仕組みではありません。設計支援はCAD(Computer-Aided Design:コンピュータ支援設計)など別のツール分野です。 -
イ:生産計画
生産計画は需要予測や日程調整など情報処理や管理の仕事です。これを効率化するのはERP(Enterprise Resource Planning:基幹業務システム)や生産管理システムであり、FMSは現場の製造装置側の話です。 -
ウ:製造
FMSが最も効果を発揮する工程です。工作機械の自動運転、段取り(機械の切り替え)短縮、無人搬送(AGV)などにより省力化・高効率化が可能です。よってここが正解です(ウ)。 -
エ:出荷
出荷は梱包・検査・発送手配などの工程で、自動化はある程度進んでいますが、FMSが指す“柔軟な製造システム”は主に加工・組立工程を対象とします。出荷自動化は別の物流自動化技術(倉庫管理システム、コンベヤ、ピッキングロボット等)に該当します。
よくある誤解
-
「FMSは工場の全部を自動化する仕組み」
→ 実際は主に加工・組立ラインの柔軟化・自動化に焦点があります。設計や販売、物流などは別のシステムが担います。 -
「製造計画や出荷もFMSの範囲だ」と思う
→ 製造計画(いつ何を作るか)は生産管理システム、出荷は物流自動化が中心で、FMSは現場での加工・組立の自動化です。役割を混同しないことが大切です。
補足コラム
FMSの具体例と構成要素(分かりやすく)
- 主な構成:CNC(Computer Numerical Control:数値制御工作機械)、ロボット、無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)、ツールチェンジャ、中央のコンピュータ(セルコントローラ)でこれらを統合します。
- 効果:多品種少量生産に強い、段取り替えの時間短縮、稼働率向上、人手不足対策。
- 類似用語:
- CIM(Computer Integrated Manufacturing:コンピュータ統合生産)…工場全体の情報統合に重点。
- MES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)…生産現場の実行管理とトレーサビリティを担う。
身近な例え:
- 手作業で服を縫っていた工場に、縫製機+自動搬送+ロボットを導入して、少人数で多様なサイズやデザインに素早く対応できるようにするイメージです。ここで変わるのは「作る部分(製造)」です。
FAQ
Q1. FMSはどんな企業に向いていますか?
A1. 多品種少量生産を行う製造業に向いています。大量同一品のラインには別の自動化方式が適する場合があります。
A1. 多品種少量生産を行う製造業に向いています。大量同一品のラインには別の自動化方式が適する場合があります。
Q2. FMSとロボット導入は同じですか?
A2. ロボットはFMSの一要素です。FMSは複数の機器と搬送・制御を組み合わせて「柔軟に生産できる仕組み」を作る点でより広い概念です。
A2. ロボットはFMSの一要素です。FMSは複数の機器と搬送・制御を組み合わせて「柔軟に生産できる仕組み」を作る点でより広い概念です。
Q3. FMSはITの勉強にどう関係しますか?
A3. FMSは制御システム、通信、データ管理を伴います。ITの基礎(ネットワーク、センサー、制御ソフト)を学ぶと理解が深まります。
A3. FMSは制御システム、通信、データ管理を伴います。ITの基礎(ネットワーク、センサー、制御ソフト)を学ぶと理解が深まります。
Q4. 中小企業でも導入できますか?
A4. 初期投資は高いですが、規模に合わせたセル単位の導入や部分的な自動化で効果を出す事例もあります。
A4. 初期投資は高いですが、規模に合わせたセル単位の導入や部分的な自動化で効果を出す事例もあります。
関連キーワード: FMS、柔軟生産、工場自動化、製造ライン、AGV、CNC、製造実行システム、ロボット、段取り替え、無人搬送車

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