ITパスポート 2018年 春期 問38
問題文
オンラインモールを運営するITサービス提供者が、ショップのオーナとSLAで合意する内容として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:アプリケーション監視のためのソフトウェア開発の外部委託及びその納期
イ:オンラインサービスの計画停止を休日夜間に行うこと(正解)
ウ:オンラインモールの利用者への新しい決済サービスの公表
エ:障害復旧時間を短縮するためにPDCAサイクルを通してプロセスを改善すること
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オンラインモールを運営するITサービス提供者が、ショップのオーナとSLAで合意する内容として、適切なものはどれか。 【ITパスポート 解説】
正解の理由
SLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意)は、サービス提供者と利用者(顧客)が合意する「提供するサービスの品質や稼働条件」を明文化した契約です。ここで重要なのは「誰がサービスを使うか」と「サービスの利用に直接関係する項目」であり、可測(測定できる)で合意できる内容が対象になります。
選択肢の中で、サービス利用の時間帯に関する合意、つまり「オンラインサービスの計画停止を休日夜間に行うこと」は、メンテナンス(計画停止)の時間帯を明確にして利用者に影響を説明するという意味で、SLAに含める典型的な項目です。よって イ が適切です。
解法ステップ
- 「SLAとは何か」を端的に押さえる
- サービス品質や可用性など、利用者に対する約束事を測定可能にするもの。
- 各選択肢が「利用者に対する約束(契約)」か、それとも「内部の手続き・開発・広報」かを判別する
- SLAに入るのは前者。
- 測定・合意ができるかを確認する
- 具体的な時間帯・稼働率・応答時間などはSLA向き。
- 正答を選ぶ
- 計画停止(メンテナンス時間)は利用者に直接影響するためSLAに適する。
この手順で選べば、SLAの性質に合致する選択肢を見つけられます。
選択肢別の誤答解説
-
ア: アプリケーション監視のためのソフトウェア開発の外部委託及びその納期
- これは「誰に何を発注するか」「開発の納期」といった調達(ベンダー管理)や契約の項目です。SLAは利用者に対するサービス品質の合意であり、開発の外部委託や納期は通常SLAではなく調達契約や内部計画に含まれます。
-
イ: オンラインサービスの計画停止を休日夜間に行うこと
- 正解。計画停止(メンテナンスウィンドウ)の日時・頻度は、利用者の利用に直接影響するためSLAで合意すべき項目です。例えば「毎月第1日曜深夜2時〜4時にメンテナンスを行う」など、具体的に明示します。
-
ウ: オンラインモールの利用者への新しい決済サービスの公表
- これはマーケティングや製品発表の行為です。いつ・どのように公表するかは広報方針であり、SLA(サービス品質の合意)ではありません。公表のタイミングはショップ運営者の判断領域です。
-
エ: 障害復旧時間を短縮するためにPDCAサイクルを通してプロセスを改善すること
- PDCA(Plan-Do-Check-Act:計画→実行→評価→改善)自体は組織改善の手法であり、内部プロセスの話です。SLAでは「障害からの復旧に要する時間(例えば目標応答時間や平均復旧時間:MTTR)」などの具体的な数値や約束を定めますが、「PDCAで改善する」といった方法論はSLAの条項には通常書かれません。方法論は内部運用であり、契約上の約束は結果(復旧時間など)で表現します。
よくある誤解
- 「SLAは会社の全部の約束をまとめるもの」
- 誤解です。SLAは顧客に対するサービス品質の約束に特化します。調達や社内改善手順、広報方針などは別の契約や内部文書で扱います。
- 「SLAには『方法』を書かないとダメだ」
- 方法(どう改善するか)を書く必要はなく、重要なのは結果(可用性99.9%など)や利用者への影響(メンテナンス時間帯)を明確にすることです。
- 「計画停止はSLAに入れられない」
- 逆です。計画停止は利用者に影響するため、いつ行うかをSLAで合意しておくことがむしろ望ましいです。
補足コラム
SLAに含まれる典型的な項目(例)
- 可用性(アップタイム):サービスが使える割合。例:稼働率99.9%など。
- 目安の計算:月30日(43200分)の場合、稼働率99.9%の許容停止時間は約43.2分になります。式は 分です。
- メンテナンスの時間帯(計画停止/メンテナンスウィンドウ)
- 障害対応時間やエスカレーションルール(障害発生からどのくらいで一次対応するか)
- サポート窓口・対応時間(例:平日9:00–17:00、応答は2時間以内)
- 補償やペナルティ(SLA違反時の返金やクレジット)
関連用語(初出で説明)
- SLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意)…サービス品質についての顧客との契約
- SLO(Service Level Objective:サービスレベル目標)…SLAで定める具体的な数値目標
- OLA(Operational Level Agreement:業務レベル合意)…組織内部・関連部署間の運用合意
- PDCA(Plan-Do-Check-Act:計画→実行→評価→改善)…業務改善の手法
- MTTR(Mean Time To Repair:平均復旧時間)…障害から復旧するまでの平均時間
覚え方のコツ:SLAは「何をどれくらいのレベルで提供するか(見える結果)」を約束する書類、と覚えると応用が利きます。方法論(内部のやり方)は結果に対して裏で動くものです。
FAQ
Q1: 計画停止の時間をSLAに入れないとまずいですか?
A1: はい。利用者に事前告知しないと信頼を損ないます。SLAで時間帯や頻度を明示しておくとトラブルが減ります。
A1: はい。利用者に事前告知しないと信頼を損ないます。SLAで時間帯や頻度を明示しておくとトラブルが減ります。
Q2: PDCAをSLAに書いてはいけないのですか?
A2: 完全に書いてはいけないわけではありませんが、SLAは「結果(例:復旧時間を平均30分以内にする)」を定める場所です。「PDCAで改善する」という内部手法は運用文書に記載するのが普通です。
A2: 完全に書いてはいけないわけではありませんが、SLAは「結果(例:復旧時間を平均30分以内にする)」を定める場所です。「PDCAで改善する」という内部手法は運用文書に記載するのが普通です。
Q3: SLA違反のときに何が起きますか?
A3: 通常は契約に基づく補償(料金の一部返金やクレジット)や改善要求、最悪の場合は契約解除の根拠になります。具体的な処置は契約書に明示します。
A3: 通常は契約に基づく補償(料金の一部返金やクレジット)や改善要求、最悪の場合は契約解除の根拠になります。具体的な処置は契約書に明示します。
Q4: SLOとSLAの違いは?
A4: SLOは「目標値」(例:応答時間1秒以内)。SLAはそれを含む「約束・契約」全体を指します。SLOはSLAの構成要素です。
A4: SLOは「目標値」(例:応答時間1秒以内)。SLAはそれを含む「約束・契約」全体を指します。SLOはSLAの構成要素です。
関連キーワード: SLA、可用性、メンテナンスウィンドウ、SLO、PDCA、MTTR、サービス品質、エスカレーション、契約書審査

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