ITパスポート 2018年 春期 問40
問題文
ITガバナンスに関する記述として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:ITベンダが構築すべきものであり、それ以外の組織では必要ない。
イ:ITを管理している部門が、全社のITに関する原則やルールを独自に定めて周知する。
ウ:経営者がITに関する原則や方針を定めて、各部署で方針に沿った活動を実施する。(正解)
エ:経営者の責任であり、ITガバナンスに関する活動は全て経営者が行う。
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ITガバナンスに関する記述【ITパスポート 解説】
正解の理由
ITガバナンスとは、企業の目的に沿ってIT(情報技術)を適切に管理・活用する仕組みのことです。ここでの「ガバナンス」は英語の governance(統治・管理)を指します。経営者は会社全体の方向性やリスク許容度を決める役割があるため、ITに関する原則や方針を定めるのは経営者の責任領域です。各部署やIT部門は、その方針に従って具体的な活動を実施します。したがって、経営者が方針を定め、部署が方針に沿って動くという記述を含む ウ が正しい選択です。
(ポイント:方針や原則は「誰が決めるか=経営者」、実行は「各部署やIT部門」が行う、という役割分担が基本です。)
解法ステップ
- 問題文のキーワードを拾う:「ITガバナンス」「原則や方針」「経営者」「各部署で実施」など。
- ITガバナンスの本質を思い出す:経営の目標とITの活動を一致させる仕組みで、経営トップが関与すること。
- 各選択肢を順に検証する:「誰が決めるか」「誰が実施するか」が選択肢と一致するかを判断する。
- 最も適切なものを選ぶ:経営者が方針を定め、各部署が実施する構図を示す選択肢が正解。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「ITベンダが構築すべきものであり、それ以外の組織では必要ない。」
- 誤り。ITベンダ(IT製品やサービスを提供する企業)は技術提供者であり、ITガバナンスは導入企業の経営判断や組織構造に関わるもので、企業側(経営者・各部署)が主体となる必要があります。
-
イ: 「ITを管理している部門が、全社のITに関する原則やルールを独自に定めて周知する。」
- 誤り。IT部門(または情報システム部門)は実行と運用の専門家ですが、全社レベルの原則や方針は経営の判断に基づくべきです。独自に決めると、経営方針とずれてしまう恐れがあります。
-
ウ: 「経営者がITに関する原則や方針を定めて、各部署で方針に沿った活動を実施する。」
- 正しい。経営者が戦略的な方向性と責任を持ち、現場が実行するという統治の形です。実行側にはIT部門や各事業部が含まれます。
-
エ: 「経営者の責任であり、ITガバナンスに関する活動は全て経営者が行う。」
- 誤り。経営者に責任はありますが、すべての活動を経営者が直接実行するわけではありません。方針決定と監督が経営者の役割で、実務は部署や専門家に委任されます。
よくある誤解
-
誤解1: 「ITガバナンスはIT部門だけの仕事」
- 実際は、経営層の方針設定と現場の実行がセットです。IT部門は重要な役割を持ちますが単独で完結するものではありません。
-
誤解2: 「ガバナンス=細かいルールをたくさん作ること」
- ガバナンスの目的は企業目標との整合性とリスク管理です。ルールの量ではなく「何を守るべきか」を明確にすることが重要です。
-
誤解3: 「ベンダに任せればガバナンスは不要」
- ベンダは技術提供者であり、経営判断や法令遵守(コンプライアンス)は企業自身が責任を持つ必要があります。
補足コラム
- 主なフレームワーク:COBIT(Control Objectives for Information and Related Technologies:IT統制の枠組み)やISO/IEC 38500(ITガバナンスに関する国際規格)などがあります。これらは「何を評価・監視すべきか」を示す道具で、経営者が方針を作る際の参考になります。
- 役割の例:CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)は経営とITの橋渡しをする役割で、経営者と連携してITガバナンスを推進します。
- 成果の確認:ガバナンスの効果は、IT投資の成果、リスク低減、法令遵守、事業継続性などで評価されます。
FAQ
Q1. 経営者が方針を作るって具体的に何を決めるのですか?
A1. 例として、ITに投資する優先順位、セキュリティの基本方針、データの扱い方(個人情報保護など)、外部委託の方針などを決めます。
A1. 例として、ITに投資する優先順位、セキュリティの基本方針、データの扱い方(個人情報保護など)、外部委託の方針などを決めます。
Q2. 中小企業でもITガバナンスは必要ですか?
A2. はい。規模に応じた簡素な仕組みでも、経営者が方針を示し、実行責任を明確にすることが重要です。
A2. はい。規模に応じた簡素な仕組みでも、経営者が方針を示し、実行責任を明確にすることが重要です。
Q3. ベンダの提案に従えばよいのでは?
A3. ベンダの提案は参考になりますが、最終的な判断は経営者が自社の戦略やリスクに照らして行う必要があります。
A3. ベンダの提案は参考になりますが、最終的な判断は経営者が自社の戦略やリスクに照らして行う必要があります。
関連キーワード: ITガバナンス、ガバナンス、経営方針、CIO、COBIT、内部統制、リスクマネジメント、コンプライアンス、IT戦略

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