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ITパスポート 2018年 春期 52


問題文

内部統制における相互けん制を働かせるための職務分掌の例として、適切なものはどれか。

選択肢

営業部門の申請書を経理部門が承認する。(正解)
課長が不在となる間、課長補佐に承認権限を委譲する。
業務部門と監査部門を統合する。
効率化を目的として、業務を複数部署で分担して実施する。

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内部統制における相互けん制を働かせるための職務分掌の例【ITパスポート 解説】

正解の理由

内部統制(internal control:業務の適正・信頼性を高める仕組み)の中で、相互けん制(互いにチェックし合う仕組み)は「同じ人が遂行してはならない業務を分ける」ことを指します。
選択肢の中で、営業部門の申請書を経理部門が承認するという仕組みは、申請(業務を起こす側)と承認(支出や記録を許可する側)を別組織に分けています。これにより不正や誤りを防げます。よって、が適切です。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを確認する
    • 「相互けん制」=職務を分離してお互いにチェックすること。
  2. 各選択肢が「職務の分離」になっているかを判断する
    • 誰が申請し、誰が承認・記録・保管するかを見ます。
  3. 相互けん制の本質に合致する選択肢を選ぶ
    • 申請と承認が別の部署で行われることが、分離の典型例です()。

選択肢別の誤答解説

  • :正解。営業(業務発生側)と経理(承認・会計側)を分けることで、業務の発生と会計処理のチェックが働きます。典型的な職務分掌の例です。
  • イ:課長が不在の間に課長補佐へ承認権限を委譲するケースです。承認権限が同じ組織内で移るだけで、権限の集中が続きやすく、独立した「けん制」にはなりません。臨時措置としては必要ですが、相互けん制の設計例とは言えません。
  • ウ:業務部門と監査部門を統合するのは誤りです。監査部門(内部監査:業務や制度の適切性を独立して点検する部門)が業務部門と一体化すると、独立性が失われ、適切なチェックができなくなります。
  • エ:効率化を目的に業務を複数部署で分担することは一見分業ですが、「効率化」が目的だと責任範囲があいまいになりやすく、相互に監視・チェックする体制になっているとは限りません。分担と相互けん制は目的や設計が異なります。

よくある誤解

  1. 「権限を委譲すれば分担になる」
    • 権限委譲は一時的・単方向の移譲であり、相互にチェックする構造にはなりません。
  2. 「業務を分ければ必ず相互けん制になる」
    • 分業しても責任や記録が重なればチェックが働きません。分担の目的が重要です(効率化か統制か)。
  3. 「監査(チェック)は現場に統合すれば効率的」
    • 監査は独立性がないと機能しません。監査部門は独立していることが望ましいです。

補足コラム

職務分掌(しょくむぶんしょう:誰が何をするかを決めること)でよく使われる基本原則は「承認(authorize)」「執行・保管(custody)」「記録(recording)」の分離です。
例:現金管理なら
  • 受け取り(執行・保管)をする人A、
  • 出納の記録をする人B、
  • 出金を承認する人C、
    と分けると不正やミスを防げます。
    小規模組織では人手不足で完全分離できない場合もあります。その場合は、二重の承認(ダブルサイン)や定期的な第三者による照合、経営者や外部のレビューを組み合わせて補います。

FAQ

Q1: 「相互けん制」と「内部監査」の違いは何ですか?
A1: 相互けん制は日常業務の中で設計する予防的な仕組み(業務を分けて互いにチェック)。内部監査はその仕組みが正しく機能しているかを独立して点検する活動です。
Q2: 小さい会社ではどうやって実施すればよいですか?
A2: 人員が限られている場合は、承認権限を分ける、取引の二重確認、定期的な別部署や経営者による確認、外部専門家の利用などで補います。
Q3: 一時的な権限委譲は完全にダメですか?
A3: 必要な場合は許容されますが、委譲中も代替者の行為を後でチェックする仕組みを必ず設けるべきです(事後レビューや二重承認など)。

関連キーワード: 内部統制、相互けん制、職務分掌、職務分離、内部監査、承認プロセス、権限委譲
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