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ITパスポート 2019年 秋期 40


問題文

アジャイル開発の方法論であるスクラムに関する記述として、適切なものはどれか。

選択肢

ソフトウェア開発組織及びプロジェクトのプロセスを改善するために、その組織の成熟度レベルを段階的に定義したものである。
ソフトウェア開発とその取引において、取得者と供給者が、作業内容の共通の物差しとするために定義したものである。
複雑で変化の激しい問題に対応するためのシステム開発のフレームワークであり、反復的かつ漸進的な手法として定義したものである。(正解)
プロジェクトマネジメントの知識を体系化したものであり、複数の知識エリアから定義されているものである。

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アジャイル開発の方法論であるスクラムに関する記述として、適切なものはどれか。【ITパスポート 解説】

正解の理由

選択肢の中で、スクラムは「複雑で変化の激しい問題に対応するためのシステム開発のフレームワークであり、反復的かつ漸進的な手法として定義したもの」であるため、が正解です。
ここで使う主な語句をかみ砕いて説明します。
  • スクラム(Scrum):アジャイル開発(Agile:変化に柔軟に対応する開発手法)の代表的なフレームワーク(仕組み、枠組み)です。
  • 反復的(iterative:同じ処理を繰り返して改善する)かつ漸進的(incremental:段階的に機能を増やしていく)手法:短い作業期間(スプリント)を繰り返し、毎回価値ある成果物を少しずつ増やしていく進め方を指します。
スクラムは「変化が激しい要件や不確実性の高い開発」に向く設計であり、上の定義と一致します。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを探す:今回は「スクラム」「複雑で変化の激しい問題」「フレームワーク」「反復的かつ漸進的」。
  2. 各選択肢の意味を短く確認する:
    • A:成熟度を段階的に定義する → これは成熟度モデル(例:CMMI)を説明している。
    • B:取得者と供給者が作業の共通の物差しにする → 「標準」や「規格(契約・仕様の基準)」を指す説明に近い。
    • C(ウ):スクラムの定義そのもの。
    • D:プロジェクトマネジメントの知識体系 → PMBOK(Project Management Body of Knowledge)に該当。
  3. スクラムの定義と照合して最も一致する選択肢を選ぶ:
このように、問題文のキーワードを拾って各選択肢と照らし合わせると速く正解にたどり着けます。

選択肢別の誤答解説

  • ア:ソフトウェア開発組織やプロジェクトの成熟度レベルを段階的に定義するもの、という説明は「成熟度モデル(例:CMMI:Capability Maturity Model Integration)」の説明です。スクラムでは成熟度レベルを段階的に定義することが目的ではありません。
  • イ:取得者(買い手)と供給者(売り手)が作業内容の共通物差しとするために定義したもの、という説明は「標準」や「規格」(たとえば ISO や業界標準)や契約上の仕様を指すことが多いです。スクラムは取引上の共通物差しを定めるための規格ではありません。
  • ウ:複雑で変化の激しい問題に対応するためのフレームワークで、反復的かつ漸進的という説明はスクラムの本質を表しています。スクラムは短期間で繰り返し作業し、都度改善・追加していきます。
  • エ:プロジェクトマネジメントの知識を体系化したものは PMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)で、スクラムとは別の位置づけです。PMBOK は知識エリアやプロセスを整理したガイドラインです。

よくある誤解

  1. 「スクラム=細かい作業手順が全部決まっている」:スクラムは詳細手順を全部決める方法論ではなく、役割(例:スクラムマスター、プロダクトオーナー等)やイベント(スプリント、デイリースクラム等)、アーティファクト(プロダクトバックログ等)という枠組みを提供するフレームワークです。具体的なやり方(ツールや技術)はチームが決めます。
  2. 「アジャイル=無計画」:アジャイルは変化に柔軟に対応しますが、短いサイクルで計画→実行→振り返りを繰り返すことでむしろ継続的に計画と品質を改善します。無計画とは違います。
  3. 「スクラムはソフトウェア専用」:多くはソフトウェア開発で使われますが、原理は製品開発やサービス改善など他分野にも応用できます。

補足コラム

スクラムの主要な要素(簡単に)
  • スプリント(Sprint):通常1〜4週間程度の短い期間。この期間で成果(インクリメント)を作る。
  • プロダクトバックログ(Product Backlog):顧客価値や要件を一覧にしたもの。優先順位をつけて管理する。
  • スプリントバックログ(Sprint Backlog):そのスプリントで取り組む作業の一覧。
  • デイリースクラム(Daily Scrum):毎日行う短い打ち合わせ(15分程度)で進捗と課題を確認する。
  • スクラムマスター:スクラムの進行を助ける役割(チームがスクラムを実践できるよう支援する人)。
  • プロダクトオーナー:何を作るか(優先順位)の決定を担う役割。 これらは「反復的かつ漸進的」に価値を出すための仕組みです。

FAQ

Q1. 反復的(iterative)と漸進的(incremental)の違いは何ですか?
A1. 反復的は「同じ作業を繰り返して改善する」こと、漸進的は「段階的に機能を追加していく」ことです。スクラムでは両方を組み合わせ、短いサイクルで少しずつ良くしていきます。
Q2. スクラムとウォーターフォール(いわゆる従来型開発)の違いは?
A2. ウォーターフォールは計画→設計→実装→テスト…と順番に進める手法で、途中の変更に弱いです。スクラムは短い周期で何度も見直すため、変更に強く、早く顧客価値を届けやすいです。
Q3. スクラムを導入するには何が必要ですか?
A3. 組織の理解(短サイクルで価値を出すことへの合意)、役割の明確化(スクラムマスター、プロダクトオーナー等)、定期的なイベントの実行(スプリントや振り返り)などが必要です。ツールや技術は後から合わせても構いません。

関連キーワード: スクラム, アジャイル, 反復開発, 漸進開発, スプリント, プロダクトバックログ, スクラムマスター, プロダクトオーナー, PMBOK, CMMI
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