ITパスポート 2019年 春期 問06
問題文
情報システム開発の工程を、システム化構想プロセス、システム化計画プロセス、要件定義プロセス、システム開発プロセスに分けたとき、システム化計画プロセスで実施する作業として、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:業務で利用する画面の詳細を定義する。
イ:業務を実現するためのシステム機能の範囲と内容を定義する。
ウ:システム化対象業務の問題点を分析し、システムで解決する課題を定義する。(正解)
エ:情報システム戦略に連動した経営上の課題やニーズを把握する。
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情報システム開発工程での作業分類【ITパスポート 解説】
正解の理由
システム化計画プロセスは、業務をシステム化するかどうか、どこまで手を入れるかを決める段階です。ここでは現状の業務の問題点を洗い出し、システムで解決すべき課題を明確にします。したがって「システム化対象業務の問題点を分析し、システムで解決する課題を定義する」作業が最も適切で、選択肢の中では ウ が正解です。
(用語の補足)
- システム化構想プロセス:経営戦略や情報戦略に照らして「何を目指すか」を大枠で決める段階です。
- システム化計画プロセス:実際にどの業務を対象にして、どんな課題を解決するかを具体的に検討する段階です。
- 要件定義プロセス:計画で決めた課題をシステムでどう実現するか(機能や条件)を詳細に定める段階です。
- システム開発プロセス:設計・プログラミング・テストなど実装と導入を行う段階です。
解法ステップ
- 問題文で出ているプロセス名(例:システム化計画プロセス)を確認する。
- 各選択肢の「作業の粒度(どれくらい詳細か)」を比べる。
- 粗い(経営レベル)→ 構想プロセス
- 課題の発見・整理→ 計画プロセス
- 機能や画面の詳細→ 要件定義や開発プロセス
- 「問題を分析して解決課題を定義する」は計画段階の仕事と一致するため、これを選ぶ。
- 他の選択肢がどのプロセスに当たるかを確認して、矛盾がないか再チェックする。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 業務で利用する画面の詳細を定義する。
→ 画面の詳細は「どのボタンがあり、表示はどうか」など細かい仕様です。これは要件定義のさらに先、設計や開発段階で行います。よってシステム化計画プロセスには当たりません。 -
イ: 業務を実現するためのシステム機能の範囲と内容を定義する。
→ 機能の範囲や内容(例:受注登録、在庫照会など)を決めるのは要件定義プロセスの主な仕事です。計画段階では「何を解決するか」を決め、要件で「どう実現するか」を詰めます。 -
ウ: システム化対象業務の問題点を分析し、システムで解決する課題を定義する。
→ これは計画プロセスの代表的な作業です。現状分析(業務フローの把握、問題点抽出)と、システム化による解決目標の設定を行います。したがって適切です。 -
エ: 情報システム戦略に連動した経営上の課題やニーズを把握する。
→ ここは経営層や情報戦略と連動して「何を目指すか(方向性)」を定めるシステム化構想プロセスの領域です。計画プロセスは構想の下で具体化する段階なので、エは構想側に属します。
よくある誤解
-
「計画=スケジュール作り」だけだと思う
→ 計画プロセスはスケジュール作成も含みますが、まず業務の問題点を見つけ、解決課題を定義することが中心です。スケジュールはその後の実行計画に使う道具の一つです。 -
「問題点の分析は要件定義の仕事」
→ 要件定義は「どう作るか」を決める段階なので、問題点の根本分析(なぜ問題が起きているか、どこをシステム化すべきか)は計画プロセスで行います。要件定義は計画で決めた課題を実現するための具体仕様を作る役割です。
補足コラム
イメージしやすい例を一つ。受注業務で考えます。
- 構想プロセス:会社全体で「顧客対応を強化し売上を上げる」という方針を確認。
- 計画プロセス:現場を見て「注文ミスが多い」「納期管理がばらばら」など問題点を分析し、「注文確認の二重チェックをシステムで支援する」「納期を可視化する」という課題を定義する。← ここが ウ の領域。
- 要件定義:上の課題を受け取り、「注文登録画面に確認ダイアログを入れる」「納期表示はカレンダーで色分けする」など機能仕様を決める。
- 開発プロセス:決定した仕様通りに画面を作り、テストして導入する。
この流れを頭に入れると、問題文でどの段階の作業かを判断しやすくなります。
FAQ
Q1: 「システム化計画」と「要件定義」の境界は曖昧になりませんか?
A1: 現場では少し重なることがありますが、原則は「何を解決するか(計画)」と「どう実現するか(要件)」で区別します。試験では作業の粒度(抽象度)で判断してください。
A1: 現場では少し重なることがありますが、原則は「何を解決するか(計画)」と「どう実現するか(要件)」で区別します。試験では作業の粒度(抽象度)で判断してください。
Q2: 構想プロセスで何をどこまで決めるべきですか?
A2: 経営目標や情報戦略との整合性、優先プロジェクトの方針、投資すべき領域の大枠を決めます。細かい業務レベルの分析は計画プロセスで行います。
A2: 経営目標や情報戦略との整合性、優先プロジェクトの方針、投資すべき領域の大枠を決めます。細かい業務レベルの分析は計画プロセスで行います。
Q3: 業務改善のための「問題点分析」は誰がやるのですか?
A3: 通常は業務担当者(現場)、業務分析担当、IT部門、外部コンサルタントが協力して行います。重要なのは現場の声を確実に取り入れることです。
A3: 通常は業務担当者(現場)、業務分析担当、IT部門、外部コンサルタントが協力して行います。重要なのは現場の声を確実に取り入れることです。
関連キーワード: システム化計画、要件定義、システム化構想、業務分析、開発工程、現状分析、課題定義

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