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ITパスポート 2019年 春期 07


問題文

企業のビジョンや戦略を実現するために、“財務”、“顧客”、“業務プロセス”、“学習と成長”の四つの視点から、具体的に目標を設定して成果を評価する手法はどれか。

選択肢

PPM
SWOT分析
バランススコアカード(正解)
マーケティングミックス

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企業のビジョンや戦略を実現するために、“財務”、“顧客”、“業務プロセス”、“学習と成長”の四つの視点から、具体的に目標を設定して成果を評価する手法はどれか。【ITパスポート 解説】

正解の理由

選択肢の中では、バランススコアカード(Balanced Scorecard:戦略を具体化するための目標設定と評価の枠組み)が該当します。バランススコアカードは、企業の戦略を「財務(Financial)」「顧客(Customer)」「業務プロセス(Internal Business Process)」「学習と成長(Learning and Growth)」の4つの視点で分解し、それぞれに目標・指標(KPI:Key Performance Indicator、重要業績評価指標)を設定して全体の成果を評価します。問題文にある4つの視点と完全に一致するため、正しい選択肢は です。
※「KPI(Key Performance Indicator:目標達成度を測る指標)」のような用語は以降で使うときに簡単に説明します。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを見つける:財務、顧客、業務プロセス、学習と成長。
  2. 選択肢の概要を思い出す(初出で知らない場合は各選択肢の意味を確認)。
    • PPM(Product Portfolio Management:製品・事業の組み合わせを分析する手法)
    • SWOT分析(Strengths, Weaknesses, Opportunities, Threats:内外の環境を整理する手法)
    • バランススコアカード(Balanced Scorecard:4つの視点で目標と評価を行う枠組み)
    • マーケティングミックス(Marketing Mix:商品・価格・流通・販促の4Pで市場戦略を組み立てる考え方)
  3. 問題文の「4つの視点」と一致するものを選ぶ → が合致する。
  4. 他の選択肢は目的や視点が異なるため除外する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: PPM(Product Portfolio Management:製品・事業の組み合わせを分析する手法)
    PPMは事業や製品を「市場成長率」と「相対的市場占有率」などで分類し、資源配分を考える手法です(BCGマトリクスとして知られることが多い)。視点が財務・顧客・業務プロセス・学習と成長の4つに分かれるものではありません。したがって不正解です。
  • イ: SWOT分析(Strengths, Weaknesses, Opportunities, Threats:内部の強み・弱みと外部の機会・脅威を整理する手法)
    SWOTは戦略を考えるための材料を整理するツールです。4つの視点という言い方はあるものの、問題文の「財務、顧客、業務プロセス、学習と成長」のように目標設定と評価の枠組みとして使うものではありません。よって不正解です。
  • ウ: バランススコアカード(Balanced Scorecard:戦略を具体化するための目標設定と評価の枠組み)
    (正解の理由は上記参照)戦略を具体化するために4つの視点で目標と指標を設定します。問題文と一致します。
  • エ: マーケティングミックス(Marketing Mix:商品・価格・流通・販促の4Pで市場戦略を組み立てる考え方)
    マーケティングの手法で、主に市場活動(製品、価格、流通、販促)に関する設計を行うものです。企業全体の戦略評価や学習と成長の視点を含む枠組みではないため不正解です。

よくある誤解

  1. 「4つの視点=4つの要素だからマーケティングミックス(4P)と混同する」
    見た目で「4つある」点は似ていますが、目的が違います。マーケティングミックスは市場対応のための4つの要素(Product, Price, Place, Promotion)を指します。バランススコアカードは企業戦略を評価するための視点です。
  2. 「BSCは財務指標だけの評価方法だ」
    名前に“スコア(得点)”や“財務”が出てくるためそう誤解しがちです。実際は財務指標に加えて、顧客、業務プロセス、学習と成長の非財務指標も重視します。バランス(均衡)が大事です。
  3. 「SWOTとBSCは似ているのでどちらでも良い」
    SWOTは戦略を考えるための分析ツールです。BSCは戦略を実行し、成果を測るための仕組みです。用途が異なります。

補足コラム

バランススコアカードは1990年代にロバート・カプラン(Robert Kaplan)とデビッド・ノートン(David Norton)が提唱しました。実務では以下の流れで作ります。
  1. ビジョン・戦略を明確にする。
  2. 戦略マップ(戦略の因果関係を図にする)を作る。
  3. 4つの視点ごとに目標を設定する。
  4. それぞれに指標(KPI)と目標値を決める。
  5. 実行施策(イニシアティブ)を設定し、定期的に評価する。
簡単な例(テキスト):
  • 財務:売上成長率(KPI)→目標10%増
  • 顧客:顧客満足度(KPI)→目標80点以上
  • 業務プロセス:受注処理時間(KPI)→目標48時間以内
  • 学習と成長:社員研修受講時間(KPI)→目標年間20時間
こうして異なる視点をつなげることで、単なる短期の利益追求ではない、持続的な戦略実行が可能になります。

FAQ

Q1: バランススコアカードはどんな企業でも使えますか?
A1: 大企業だけでなく中小企業でも使えます。規模に合わせて視点や指標を簡素化して運用できます。
Q2: 「学習と成長」って何を測れば良いですか?
A2: 例としては社員の研修時間、技能資格の取得数、従業員満足度など、組織の能力向上を示す指標です。
Q3: BSCとKPIの違いは何ですか?
A3: BSCは視点(枠組み)と戦略の全体設計。KPIはその中で「目標達成度を測る具体的な数値」です。BSCはKPIを含む構造と思ってください。

関連キーワード: バランススコアカード, BSC, KPI, 戦略マップ, 財務指標, 顧客満足, 業務プロセス改善, 学習と成長, PPM, SWOT分析, マーケティングミックス
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