ITパスポート 2019年 春期 問13
問題文
次の条件で、インターネット上にWebサイトを開設して商品販売を開始した。毎月10万円の利益を上げるためには、Webサイトへの毎月の来訪者は少なくとも何人必要か。ここで、Webサイトへの来訪者は全員がインターネット広告経由で来訪し、購入者は1人当たり1個の商品を購入するものとする。また、条件以外の費用は考慮しないものとする。
〔条件〕
①サーバのレンタル費用 5万円/月
②インターネット広告費用 10円/来訪者
③商品の販売による利益 400円/個
④来訪者が商品を購入する比率 10%
選択肢
ア:385
イ:3,000
ウ:3,750
エ:5,000(正解)
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必要な来訪者数を求める問題【ITパスポート 解説】
正解の理由
毎月の最終的な「利益」は、商品の販売による利益から広告費とサーバレンタル費を差し引いたものです。
来訪者1人あたりの「純利益(サーバ以外の変動費を差し引いた貢献)」は次のように求めます。
来訪者1人あたりの「純利益(サーバ以外の変動費を差し引いた貢献)」は次のように求めます。
- 来訪者1人が購入する確率(コンバージョン率)=10% = 0.1(コンバージョン率:来訪者のうち実際に購入する割合)
- 1人の来訪者あたり期待できる販売による利益=400円 × 0.1 = 40円
- そこから広告費10円/来訪者を差し引くと、来訪者1人あたりの純貢献=40円 − 10円 = 30円
毎月の固定費(サーバレンタル)50,000円と、求める「毎月の利益」100,000円を合わせて賄うために必要な来訪者数は、
(サーバ費 + 目標利益) ÷ 来訪者1人あたりの貢献 で求まります。計算すると必要な来訪者は5,000人です。したがって選択肢ではエが該当します。
解法ステップ
- コンバージョン率を小数で表す:10% = 0.1
- 来訪者1人あたりの販売利益(期待値)を計算:
- 広告費を引く:(これが来訪者1人あたりの純貢献)
- 固定費+目標利益を合計:
- 必要来訪者数を求める:
- 選択肢を確認して、エ(5,000人)を選ぶ
(式で書くと)
選択肢別の誤答解説
-
ア: 385
- この数は極端に少なく現実的ではありません。385が出る計算ミスの例としては「広告費やコンバージョン率の扱いを誤り、購入者数と来訪者数の換算を忘れる」など、単位や割合の取り扱いミスが考えられます。数値を順を追って当てはめることが重要です。
-
イ: 3,000
- この数は「サーバの固定費5万円を無視して目標利益だけを広告・販売で賄う」場合に近い値(100,000 ÷ 30 ≒ 3,333)をさらに切り下げたような誤りです。固定費を忘れるか四捨五入で大きく下げるミスが考えられます。
-
ウ: 3,750
- これは「広告費を差し引かずに、来訪者1人あたりの販売利益を円として計算した場合」の誤りに対応します。固定費を含めて計算すると となり、広告費を忘れるとこの値になります。広告費は来訪者ごとに必ずかかるため、忘れてはいけません。
-
エ: 5,000(正解)
- 正しい計算手順に従うとこの値になります(上の「正解の理由」「解法ステップ」を参照)。
よくある誤解
-
コンバージョン率を「10」と扱う(10%を100倍してしまう)
- 10%は小数で0.1です。割合は常に100で割って小数に直してから計算します。
-
広告費を「購入者にだけかかる費用」として扱う
- 問題文では広告費は「来訪者ごと」にかかる費用です。来訪者1人につき10円が発生する点を忘れないでください。広告費はコンバージョン率に関係なく発生します。
-
固定費(サーバレンタル費)を除外して考える
- 目標「利益」は固定費を差し引いた後の金額です。目標利益を達成するには固定費もカバーする必要があります。
補足コラム
この問題で出てくる考え方はビジネスでよく使う「貢献利益(Contribution margin)」と「損益分岐点(break-even point)」に近い考え方です。
- 貢献利益:売上から変動費(ここでは広告費)を引いた額で、固定費や利益を賄う源になります。今回の来訪者1人あたりの貢献利益は30円です。
- 損益分岐点:固定費を貢献利益で割ると、利益がゼロになる来訪者数が分かります。今回は目標利益も含めて考えました。
マーケティング用語を少し加えると、「CPA(Cost Per Acquisition:顧客1人獲得あたりの費用)」は広告投下を来訪者→購入に結びつけて評価する指標です。今回の例では広告費が10円/来訪者、コンバージョン率が10%なら、単純に広告だけで見た場合のCPAは10円 ÷ 0.1 = 100円/購入者です(広告のみによるコスト)。これを商品利益と比較して採算を見ます。
FAQ
Q. 来訪者1人につき複数個買う場合はどうする?
A. 「1人当たりの購入個数」を掛け算して期待利益を増やします。例えば平均購入数が1.5個なら、来訪者1人あたりの販売利益は のように計算します。
A. 「1人当たりの購入個数」を掛け算して期待利益を増やします。例えば平均購入数が1.5個なら、来訪者1人あたりの販売利益は のように計算します。
Q. 広告費が変わったらどう考える?
A. 来訪者1人あたりの純貢献は「400×0.1 − 広告費(来訪者単位)」で再計算します。貢献が小さくなると必要来訪者数は増えます。
A. 来訪者1人あたりの純貢献は「400×0.1 − 広告費(来訪者単位)」で再計算します。貢献が小さくなると必要来訪者数は増えます。
Q. 小数点が出たらどう扱う?
A. 「少なくとも何人必要か」を問う問題では、小数点が出たら切り上げます(例えば3333.3人なら3334人必要)。ただし今回の計算ではちょうど5,000人の整数になりました。
A. 「少なくとも何人必要か」を問う問題では、小数点が出たら切り上げます(例えば3333.3人なら3334人必要)。ただし今回の計算ではちょうど5,000人の整数になりました。
(参考:簡単な計算をPythonで示すと)
server = 50000
target_profit = 100000
profit_per_item = 400
conv = 0.1
ad_per_visitor = 10
contrib_per_visitor = profit_per_item * conv - ad_per_visitor
needed_visitors = (server + target_profit) / contrib_per_visitor
print(needed_visitors) # 5000.0
関連キーワード: コンバージョン率、広告費、損益分岐点、固定費、変動費、ECサイト、CPA、貢献利益

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