ITパスポート 2020年 秋期 問21
問題文
横軸に相対マーケットシェア、縦軸に市場成長率を用いて自社の製品や事業の戦略的な位置付けを分析する手法はどれか。
選択肢
ア:ABC分析
イ:PPM分析(正解)
ウ:SWOT分析
エ:バリューチェーン分析
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横軸に相対マーケットシェア、縦軸に市場成長率を用いて自社の製品や事業の戦略的な位置付けを分析する手法はどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
問いの「横軸に相対マーケットシェア、縦軸に市場成長率を用いる」という定義は、いわゆる PPM(Product Portfolio Matrix:製品・事業のポートフォリオを分析するマトリクス)に当てはまります。したがって イ が正解です。PPMは各製品・事業を「相対マーケットシェア(自社のシェアと業界トップとの比)」と「市場成長率(市場全体の伸び)」の2つの軸で4つの象限に分類し、投資や撤退の方針を示します。
※ PPMはボストン・コンサルティング・グループ(BCG:Boston Consulting Group)が提唱した手法として知られます。
解法ステップ
- 分析対象を決める
- 製品や事業ごとに分けます(例:製品A、製品B、サービスC)。
- 相対マーケットシェアを計算する
- 相対マーケットシェア = 自社の売上(あるいは数量) ÷ 業界内最大手の売上
- 数式例:
- 相対シェアが1以上なら業界トップと同等か上回る位置です。
- 市場成長率を求める
- 一般に前年比などの成長率を使います。例:
- マトリクスにプロットする
- 横軸:相対マーケットシェア(右に行くほど高い)
- 縦軸:市場成長率(上に行くほど高い)
- 象限ごとの戦略を決める
- 高成長・高シェア(スター/Stars)→ 投資して成長維持
- 低成長・高シェア(キャッシュカウ/Cash Cows)→ 資金創出源として効率運用
- 高成長・低シェア(問題児/Question Marks)→ 選択的に投資か撤退
- 低成長・低シェア(負け犬/Dogs)→ 撤退または最小限の維持
(簡単な計算例は下の補足で示します)
選択肢別の誤答解説
- ア: ABC分析
- 在庫管理で使う手法です。売上高や使用頻度で品目をA(重要)〜C(重要度低)に分けるもので、軸は「相対マーケットシェア」「市場成長率」ではありません。
- ウ: SWOT分析
- SWOTは自社の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を整理するフレームワークです。内部要因と外部要因の整理が目的で、軸に市場成長率や相対シェアを取るものではありません。
- エ: バリューチェーン分析
- バリューチェーン(Value Chain:価値連鎖)は、企業活動を主活動と支援活動に分けて付加価値の源泉を探る手法です。事業ポートフォリオを軸で分類する PPM とは目的が違います。
よくある誤解
- 「マーケットシェアは絶対値を使うべき」
- PPMでは「相対」マーケットシェア(業界トップ比)を使う点が重要です。絶対値だけだと業界構造を見誤ることがあります。
- 「高成長なら必ず投資すべき」
- 高成長でも自社シェアが小さく投資に見合う回収が見込めない場合があります。PPMは投資判断の目安であり、資源配分を考える材料に過ぎません。
- 「PPMは万能」
- 単純化されたモデルなので、利益率や事業間のシナジー、技術動向などは別に検討する必要があります。
補足コラム
- 四象限の日本語呼称(覚えやすい例)
- 花形(スター)、金のなる木(キャッシュカウ)、問題児(クエスチョンマーク)、負け犬(ドッグ)。語感で戦略のイメージがつかみやすいです。
- PPMの限界と発展形
- 問題点:市場成長率と相対シェアだけでは事業の魅力度を完全に表せません。
- 発展形:GE(ジェネラル・エレクトリック)/McKinseyマトリクスのように複数評価軸(市場魅力度、事業強度)を使う手法もあります。サービス業やデジタルビジネスではネットワーク効果やプラットフォーム価値も考慮が必要です。
簡単な計算例(相対シェア):
# 自社売上と最大競合売上から相対シェアを計算
my_sales = 50_000 # 自社売上(千円など)
top_competitor_sales = 100_000
relative_share = my_sales / top_competitor_sales
print(relative_share) # 0.5 -> 業界トップの50%
FAQ
Q: 相対マーケットシェアはどうやって決める?
A: 自社の売上(または販売数量)を、業界で最も売上が大きい競合の売上で割ります。業界トップが複数いる場合は代表的なトップ企業を使います。
A: 自社の売上(または販売数量)を、業界で最も売上が大きい競合の売上で割ります。業界トップが複数いる場合は代表的なトップ企業を使います。
Q: 市場成長率の「高い」「低い」の境目は?
A: 絶対的な基準はありません。業界や企業方針によります。実務では「前年比10%」などの閾値を設定することが多いですが、業界平均や過去の傾向と比較して判断します。
A: 絶対的な基準はありません。業界や企業方針によります。実務では「前年比10%」などの閾値を設定することが多いですが、業界平均や過去の傾向と比較して判断します。
Q: 会社が小規模でも PPM は使えますか?
A: はい。製品や顧客セグメントごとの資源配分を考える上で有用です。ただし、小規模ならばデータのノイズに注意し、定性判断も併用してください。
A: はい。製品や顧客セグメントごとの資源配分を考える上で有用です。ただし、小規模ならばデータのノイズに注意し、定性判断も併用してください。
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