ITパスポート 2020年 秋期 問78
問題文
通信プロトコルとしてTCP/IPを用いるVPNには、インターネットを使用するインターネットVPNや通信事業者の独自ネットワークを使用するIP-VPNなどがある。インターネットVPNではできないが、IP-VPNではできることはどれか。
選択肢
ア:IP電話を用いた音声通話
イ:帯域幅などの通信品質の保証(正解)
ウ:盗聴、改ざんの防止
エ:動画の配信
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インターネットVPNとIP‑VPNの違い【ITパスポート 解説】
問題のポイントは「インターネットを使うVPN」と「通信事業者の専用ネットワークを使うVPN」で何ができるかの違いです。TCP/IP(ネットワークで広く使われる通信の取り決め。例:インターネットで使う基本ルール)を使うVPN(Virtual Private Network:仮想的な専用線)には種類があります。代表的なのは以下です。
- インターネットVPN:公衆のインターネット回線上に暗号化などで仮想的な接続を作る方法
- IP‑VPN:通信事業者が提供する閉域(他の一般利用者と分離された)ネットワークを使うサービス。しばしばMPLS(Multiprotocol Label Switching:通信事業者がトラフィック制御しやすくする技術)で実現される
この問題で「インターネットVPNではできないが、IP‑VPNではできること」はどれか、という問いです。
正解の理由
選択肢の中で、インターネットVPNでは基本的に保証できないのは「帯域幅などの通信品質の保証」です。したがって イ(帯域幅などの通信品質の保証)が正解です。
理由の要点:
- インターネットは多数の利用者が混在する「ベストエフォート」(最善を尽くす方式)で、事業者側が個別の回線に対して帯域や遅延の保証をしにくいです。よってインターネットVPN上では通信品質(QoS: Quality of Service)を確実に保証できません。
- 一方、IP‑VPNは通信事業者の閉域ネットワーク上で運用されます。専用の帯域割当や優先制御、SLA(Service Level Agreement:サービス品質保証契約)で帯域や遅延などを保証できます。これにより業務用の音声や映像の安定配信などが可能になります。
解法ステップ
- 各選択肢が「できる/できない」を考える前に、インターネットVPNとIP‑VPNの違いを確認します。
- インターネットVPN = 公衆ネットワーク上の仮想接続(共有資源、多数のトラフィックで品質が変動)
- IP‑VPN = 事業者の管理する閉域ネットワーク(専用制御やSLAで品質管理可能)
- 各選択肢(音声通話・品質保証・盗聴防止・動画配信)を、どちらの仕組みが必要かで判断します。
- 「帯域や遅延の保証」はネットワーク側で物理的・運用的に管理できることが前提なので、IP‑VPNに特有の機能であると結論づけます。
選択肢別の誤答解説
-
ア: IP電話を用いた音声通話
解説:IP電話(VoIP:Voice over IP。音声をパケット化してIPネットワークで送る仕組み)はインターネットVPNでも利用できます。品質は変動しますが、技術的に「できる」ため、インターネットVPNだけで不可能というわけではありません。 -
イ: 帯域幅などの通信品質の保証
解説:IP‑VPNは通信事業者がネットワークを制御し、帯域割当や優先制御、SLAで品質保証できます。インターネットVPNは公衆網を使うため、事業者レベルで確実な帯域保証を行うのは難しく、ここが両者の大きな違いです(ゆえに正解)。 -
ウ: 盗聴、改ざんの防止
解説:暗号化(例:IPsecやSSL/TLS)を使えば、インターネットVPNでも盗聴や改ざんを防止できます。つまりセキュリティ対策はインターネットVPNでも可能で、IP‑VPNだけの特権ではありません。 -
エ: 動画の配信
解説:動画配信自体はインターネットVPNでも可能です。ただし高品質・安定を求めるなら帯域保証のあるIP‑VPNの方が適しています。問題は「できる/できない」を問うているため、単に配信できるエは不正解です。
よくある誤解
-
「VPNは必ず安全」
誤解:VPNは安全性を高めますが、設定や運用次第で脆弱になります。暗号化方式や認証、端末の安全性も重要です。 -
「インターネット経由だと何でもダメ」
誤解:インターネット経由でも多くのサービス(メール、Web、音声、動画)は利用可能です。問題は『保証』の有無です。 -
「IP‑VPNは必ず暗号化されている」
誤解:IP‑VPNは閉域で隔離されますが、暗号化は別途提供/設定される場合があります。重要なデータは暗号化も検討します。
補足コラム:QoSを実現する技術例
-
MPLS(Multiprotocol Label Switching:パケットにラベルを付けて経路を高速に選ぶ技術)
→ IP‑VPNでよく使われ、トラフィックの優先制御が可能になります。 -
SLA(Service Level Agreement:サービス品質保証)
→ 可用性(接続が維持される割合)、遅延、パケット損失などを数値で保証する契約です。これがあることで業務で使える安定性が担保されます。 -
トラフィックシェーピングや優先制御
→ 音声や重要な業務トラフィックを優先する設定で、品質を保ちます。
いつIP‑VPNを選ぶかの目安:
- 複数拠点で安定した会議や業務系通信が必要 → IP‑VPNを検討
- コスト重視で柔軟性が欲しい、小規模や一時的な利用 → インターネットVPNで対応可能
FAQ
Q1: インターネットVPNで音声会議は絶対にダメですか?
A1: いいえ。技術的には可能です。ただし回線の混雑や遅延で品質が落ちることがあります。重要な会議や業務なら品質保証のある手段(IP‑VPNや専用回線)が望ましいです。
A1: いいえ。技術的には可能です。ただし回線の混雑や遅延で品質が落ちることがあります。重要な会議や業務なら品質保証のある手段(IP‑VPNや専用回線)が望ましいです。
Q2: IP‑VPNは高いですか?
A2: 一般にインターネットVPNより費用は高めです。通信事業者が専用の管理や帯域を割り当てるためです。費用対効果を検討して選びます。
A2: 一般にインターネットVPNより費用は高めです。通信事業者が専用の管理や帯域を割り当てるためです。費用対効果を検討して選びます。
Q3: 暗号化はどちらでも使えますか?
A3: はい。インターネットVPNはIPsecやSSL/TLSで暗号化します。IP‑VPNは閉域性で安全性を高めている一方、暗号化を併用することもあります。
A3: はい。インターネットVPNはIPsecやSSL/TLSで暗号化します。IP‑VPNは閉域性で安全性を高めている一方、暗号化を併用することもあります。
関連キーワード: VPN、インターネットVPN、IP-VPN、帯域保証、QoS、SLA、MPLS、IPsec、VoIP、動画配信、通信品質

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