ITパスポート 2022年 問53
問題文
a~dのうち、システム監査人が、合理的な評価・結論を得るために予備調査や本調査のときに利用する調査手段に関する記述として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
a EA (Enterprise Architecture)の活用
b コンピュータを利用した監査技法の活用
c 資料や文書の閲覧
d ヒアリング
選択肢
ア:a, b, c
イ:a, b, d
ウ:a, c, d
エ:b, c, d(正解)
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システム監査人が用いる調査手段の選択【ITパスポート 解説】
正解の理由
設問は「システム監査人が予備調査や本調査で、合理的な評価・結論を得るために利用する調査手段」を問うています。選択肢の中で、実際に監査手続(監査証拠を収集するための具体的な方法)として使われるのは、コンピュータを利用した監査技法(b)、資料や文書の閲覧(c)、ヒアリング(d)です。したがって、正しい組合せは エ(b, c, d)になります。
- コンピュータを利用した監査技法(CAATs:Computer-Assisted Audit Techniques)は、データ分析やログ解析などで直接証拠を得る手段です。監査手続として標準的に使います。
- 資料や文書の閲覧は、方針書、手順書、契約書、ログ等を確認して証拠を得る最も基本的な方法です。
- ヒアリング(面談・聴取)は、担当者から運用実態や理由、不整合の説明を聞き証拠を補強する重要な手段です。
一方、EA(Enterprise Architecture:エンタープライズ・アーキテクチャ、企業全体のITと業務の構造を整理する枠組み)は「調査手段」そのものではありません。EAは設計・管理の枠組みや資料の一種として監査の参考にはなり得ますが、監査人が直接「調査を行うための手続(手段)」とは区別されます。よって a は調査手段の選択肢として適切ではありません。
解法ステップ
- 問題文を読み、「調査手段(監査手続)」が問われていることを確認する。
- 各選択肢を「監査で証拠を直接集める方法か?」の観点で評価する。
- 直接的に証拠を得られるか → ○(監査手段)
- 枠組みや参考情報にとどまるか → ×(監査手段ではない)
- ○になったものを組み合わせた選択肢を探す。
- 正しい組合せが見つかったら選択肢を確定する。
この問題では b, c, d が「証拠を直接得る手段」なので、組合せは エ になります。
選択肢別の誤答解説
- ア: a, b, c
- a(EA)が入っているため誤り。EAは監査に役立つ資料や参照枠組みにはなるが、監査人が直接行う「調査手段」ではありません。
- イ: a, b, d
- 同じく a が入っているため誤り。資料閲覧(c)が欠けている点でも不自然です。資料閲覧は監査で基本中の基本です。
- ウ: a, c, d
- a が入っているため誤り。コンピュータを利用した監査技法(b)がないため、データ分析等による客観的証拠が欠けます。
- エ: b, c, d
- b(コンピュータを利用した監査技法)、c(資料・文書閲覧)、d(ヒアリング)はいずれも監査手続として明確であり、合理的な評価を行うために組み合わせて用いられます。よって正解です(選択肢は エ)。
よくある誤解
- EAを「監査手段」として考える
- 誤解の背景:EAは監査時に参照する資料や目標状態を示すため監査に関係あると感じやすい。しかし「手段(証拠を集める具体的操作)」ではなく、あくまで情報や設計の枠組みです。
- ヒアリングだけで十分と考える
- 誤解の背景:口頭での説明は重要だが、証拠としては文書やシステムデータで裏付ける必要があります。口頭証言は客観性が低い場合があるため、他の手続で補強します。
補足コラム
- コンピュータを利用した監査技法(CAATs)には、以下のような具体例があります。
- 全件照合(例:全取引の金額合計を計算して不整合を検出)
- ログ解析(アクセスログや操作履歴の異常抽出)
- テストデータ投入(システムに特定の入力を与えて応答を確認)
これらは、人手でのサンプルチェックより広範囲で客観的な証拠を得られる利点があります。
- EA(Enterprise Architecture:エンタープライズ・アーキテクチャ)は、業務・情報・システムの関係を整理するための設計図のようなものです。監査ではEAを参照して「設計と運用が合致しているか」を確認する場合がありますが、EA自体が調査の手続ではありません。
FAQ
Q1: EAは監査で全く使わないのですか?
A1: 全く使わないわけではありません。EAは参照資料として、設計上の意図や整合性を確認するのに役立ちます。ただし「監査手続(証拠を集めるための手段)」としては分類されません。
A1: 全く使わないわけではありません。EAは参照資料として、設計上の意図や整合性を確認するのに役立ちます。ただし「監査手続(証拠を集めるための手段)」としては分類されません。
Q2: ヒアリングの記録はどう残せば良いですか?
A2: 面談の議事録や録音(許可が必要)を残し、誰が何をいつ説明したかを明確にします。後で文書やシステム証拠と照合して裏付けることが重要です。
A2: 面談の議事録や録音(許可が必要)を残し、誰が何をいつ説明したかを明確にします。後で文書やシステム証拠と照合して裏付けることが重要です。
Q3: CAATsは専門的なツールが必要ですか?
A3: 専用ツール(例:データ分析ソフト、ログ解析ツール)があると効率的ですが、表計算ソフトでも基本的な分析は可能です。規模や目的に応じて使い分けます。
A3: 専用ツール(例:データ分析ソフト、ログ解析ツール)があると効率的ですが、表計算ソフトでも基本的な分析は可能です。規模や目的に応じて使い分けます。
関連キーワード: システム監査, 監査手続, 監査証拠, コンピュータ監査, CAATs, 文書レビュー, ヒアリング, エンタープライズアーキテクチャ

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