ITパスポート 2023年 問20
問題文
資本活用の効率性を示す指標はどれか。
選択肢
ア:売上高営業利益率
イ:自己資本比率
ウ:総資本回転率(正解)
エ:損益分岐点比率
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資本活用の効率性を示す指標はどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
資本(会社が持っている資産)をどれだけ効率よく売上に変えているかを示す指標は、総資本回転率です。選択肢の中では ウ の「総資本回転率(total asset turnover:売上高 ÷ 総資本)」が該当します。
総資本(総資産)1円あたりでどれだけ売上を上げているかを示す数値なので、資本活用の効率性を直接表します。値が大きいほど「資産を効率よく使っている」ことを意味します。
総資本(総資産)1円あたりでどれだけ売上を上げているかを示す数値なので、資本活用の効率性を直接表します。値が大きいほど「資産を効率よく使っている」ことを意味します。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認する:「資本活用の効率性」=資産をどれだけ有効に使っているかを問う。
- 各指標の意味を短く確認する。
- 売上高営業利益率:売上に対する営業利益の割合(利益率)。
- 自己資本比率:総資産に対する自己資本の割合(財務の安定性)。
- 総資本回転率:売上高 ÷ 総資本(資産の回転の速さ)。
- 損益分岐点比率:売上が損益分岐点に対してどれくらいか(損益分岐点に関する比率)。
- 「資本活用の効率性」を直接表すのは「売上高 ÷ 総資本」なので、ウを選ぶ。
(簡単な計算例)総資本が100万円、売上高が300万円なら総資本回転率は 回。資産1円で売上3円を生んでいる、という見方です。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 売上高営業利益率
- 定義:営業利益(本業のもうけ)を売上高で割った比率。英語では operating profit margin。
- なぜ違うか:利益率=「売上に対するもうけの割合」を示す指標で、資本(資産)をどれだけ使って売上を生んでいるかは示さないため、資本活用の「効率性」を直接表す指標ではありません。
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イ: 自己資本比率
- 定義:自己資本(株主資本)を総資本で割った比率。英語では equity ratio。
- なぜ違うか:会社の安全性・財務の健全さ(借金に頼っていないか)を示す指標です。資本の使い方の効率を示すものではありません。
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ウ: 総資本回転率(正解)
- 定義:売上高 ÷ 総資本(総資産)。英語では total asset turnover。
- なぜ正しいか:総資本(会社が投じた資本=資産)1単位当たりの売上高を示します。資本をどれだけ効率的に回転させて売上に結びつけているかを直接表すため、資本活用の効率性の指標になります。
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エ: 損益分岐点比率
- 定義:損益分岐点(固定費を限界利益で割った売上)と実際の売上との関係を示す比率。英語では break-even point ratio。
- なぜ違うか:収益性や安全余裕度に関する指標で、資本の効率という観点とは異なります。
よくある誤解
-
「利益率が高ければ資本活用が良い」と考える誤解。
- 利益率(売上高営業利益率)と資本回転率は別物です。利益率は売上からどれだけ残るか、回転率は資本を使ってどれだけ売上を作るかを示します。
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「自己資本比率が高いほど効率が良い」と混同する誤解。
- 自己資本比率は安全性の指標であり、効率(売上を生む力)を示すものではありません。自己資本を多く持つことは安全ですが、必ずしも効率向上には直結しません。
-
ROA(Return on Assets:総資産利益率)と混同する誤解。
- ROAは「利益 ÷ 総資本」で、利益と資本の両方を考慮します。総資本回転率は「売上 ÷ 総資本」で、売上を通じた資本効率を見る指標です。両者は関係しますが意味は異なります(後述の補足参照)。
補足コラム
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総資本回転率とROAの関係:
ROA(総資産利益率)は通常「利益 ÷ 総資本」です。デュポン式(DuPont)では次のように分解できます。左側は利益率(売上高営業利益率など)、右側は総資本回転率です。つまり、ROAは「利益率 × 資本回転率」で表せます。これにより、「効率(回転率)」と「採算(利益率)」の両方がROAに影響することが分かります。 -
総資本回転率の改善方法(実務的な例):
- 売上を増やす(販売促進、価格の見直し、新市場開拓)。
- 不要な資産を減らす(使っていない機械を売却、設備の共有化)。
- 棚卸資産(在庫)を減らす(在庫管理の改善)。
- 売掛金回収を速める(回収条件の見直し)。
これらは資産を減らすか売上を増やすことで回転率を高めます。
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業種差に注意:
製造業や小売業では回転率が高めでも、設備投資が大きいインフラ関連や不動産業では回転率が低くても当然、業種で適正値は異なります。業種ごとの比較が重要です。
FAQ
Q1: 総資本回転率が高いほうが常に良いですか?
A1: 一般には高いほど資産を効率よく使っていると評価されますが、極端に高い場合は設備不足で成長余地がない可能性や、資産切りすてで将来の収益力を削いでいる可能性もあり、業種や文脈で判断します。
A1: 一般には高いほど資産を効率よく使っていると評価されますが、極端に高い場合は設備不足で成長余地がない可能性や、資産切りすてで将来の収益力を削いでいる可能性もあり、業種や文脈で判断します。
Q2: 総資本回転率と売上高営業利益率、どちらを重視すべきですか?
A2: 両方重要です。回転率は効率、利益率は採算を示します。最終的には両方がバランスよく高いこと(ROAが高いこと)が望ましいです。
A2: 両方重要です。回転率は効率、利益率は採算を示します。最終的には両方がバランスよく高いこと(ROAが高いこと)が望ましいです。
Q3: 損益分岐点比率は資本効率に全く関係ないですか?
A3: 直接の資本効率指標ではありませんが、損益の安定性や安全余裕を示すため、総合的な経営判断では参考になります。
A3: 直接の資本効率指標ではありませんが、損益の安定性や安全余裕を示すため、総合的な経営判断では参考になります。
関連キーワード: 資本効率、総資本回転率、売上高営業利益率、自己資本比率、損益分岐点、ROA、財務指標、回転率

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