ITパスポート 2026年 問07
問題文
製品やサービスの価値を機能とコストの関係で把握し、価値の向上をはかる“バリューエンジニアリング”という手法がある。バリューエンジニアリングにおける価値、機能、コストの関係性を示すものとして、適切なものはどれか。
選択肢
ア:価値 = 機能 /(コスト + 機能)
イ:価値 = 機能 / コスト(正解)
ウ:価値 = 機能 × コスト
エ:価値 = コスト / 機能
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価値と機能・コストの関係【ITパスポート解説】
正解の理由
バリューエンジニアリング(Value Engineering:価値を高める設計手法)では、「価値」は提供する機能量をコストで割った比率で表すのが基本的な考えです。つまり
という式が使われます。これにより、同じコストなら機能を増やすと価値は上がり、同じ機能ならコストを下げると価値は上がる、という直感に合います。選択肢の中ではこの関係を表しているのが イ です。
※ここでいう「機能」は「その製品やサービスが果たす働き・性能」の定量化(例:処理速度、耐久性、機能点など)で、「コスト」は投入される費用です。
解法ステップ
- 問題文で問われている概念を確認:バリューエンジニアリングの価値定義を問う問題。
- 常識的チェックをする:
- 機能が増えれば価値は上がるべきか?(はい)
- コストが増えれば価値は下がるべきか?(はい)
- 各選択肢に当てはめて振る舞いを確認:
- 機能が増えたとき、価値が増える式か?
- コストが増えたとき、価値が減る式か?
- 条件に合う式を選ぶ。上記条件を満たすのが 、すなわち イ。
選択肢別の誤答解説
- ア:
- 一見妥当に見えるが、これは値が常に 〜 の間に収まる形になります。数学的には機能を増やすと確かに価値は増えます(導関数は正です)。具体的に微分すると よって機能の増加で価値は単調増加し、 で になります。しかしバリューエンジニアリングで標準的に用いられる式は であり、選ばれるべき表現ではありません。つまり「増えるが上限がある」という性質は示すものの、VE の定義式ではないため不正解です。
- イ:
- 正解。機能を増やすと(分子が大きくなり)価値が上がり、コストを増やすと(分母が大きくなり)価値が下がる。直感と合致します。
- ウ:
- 誤り。コストが増えると価値が増えることになり、現実の「コストは負の要因」という考えと逆になります。
- エ:
- 誤り。分子にコストが来ているため、コストが増えると価値が増えるという不合理な関係になっています。実務的・直感的に不適切です。
よくある誤解
- 「機能を増やせばいつまでも価値が上がる」と考える誤解
- イ の式では機能が増えると価値は単純に増加しますが、実務では追加機能が利用されない・複雑化で使いにくくなる等の「限界効用の低下」が起き得ます。式は定義上の関係を示すもので、現場判断で機能の有用性も評価する必要があります。
- 「機能とコストはそのまま足し算や掛け算で比べられる」と考える誤解
- 機能とコストは異なる次元(性能と金額)なので、実際には両者を比較できるように正規化・スコア化してから比率を取ることが多いです。単位を揃えることを忘れないでください。
補足コラム
- 実務での使い方の例:ある製品で「機能スコア」を 10 点、「コスト」を 5 万円と定義すれば、(機能点/万円)という風に評価できます。コスト削減で 4 万円にできれば価値は に上がります。逆に追加機能でスコアを 12 にしてコストが変わらなければ と価値は上がります。
- 指標の注意点: は比率指標なので、両者の測り方(機能スコアの考え方、コストの範囲)によって評価が変わります。チームで評価基準を合わせてから使いましょう。
FAQ
Q. 機能やコストが異なる単位のときはどうする?
A. まず機能をスコア化(例:重要度×達成度の合計)し、コストは金額で統一します。比較目的なら単位を意図的に揃えて比率を取るのが一般的です。
A. まず機能をスコア化(例:重要度×達成度の合計)し、コストは金額で統一します。比較目的なら単位を意図的に揃えて比率を取るのが一般的です。
Q. アの式(機能/(コスト+機能)は使われないのですか?
A. 完全に無意味ではありません。たとえば「必要性の占有率」や「正規化された効用」を表す場合には有用です。特徴として機能を増やすと1に近づく飽和(上限)があり、極端な値を抑える効果があります。ただし、バリューエンジニアリングの標準的定義は イ の式です。
A. 完全に無意味ではありません。たとえば「必要性の占有率」や「正規化された効用」を表す場合には有用です。特徴として機能を増やすと1に近づく飽和(上限)があり、極端な値を抑える効果があります。ただし、バリューエンジニアリングの標準的定義は イ の式です。
Q. VE は ROI(投資利益率)と同じですか?
A. 似ていますが別物です。ROI は通常「投資に対する利益」を金額ベースで評価する指標で、式は「利益÷投資」。VE の は性能(機能)をコストで割る指標で、目的や使い方が異なります。
A. 似ていますが別物です。ROI は通常「投資に対する利益」を金額ベースで評価する指標で、式は「利益÷投資」。VE の は性能(機能)をコストで割る指標で、目的や使い方が異なります。
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